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たからばこ

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タイム・オーバー

タイム・オーバー

期限切れのフィルムを見つけた。これは姉が学生時代に使いそびれた一本のフィルムだと思われる。女子高生がみんなフィルムカメラを持っていた時代の名残である。これは期限切れのフィルムであるが、どんな写りになるのか気になって、試してみたのであった。

仕上がりを見たら、昭和レトロと言われている私の故郷が、本当にいつの時代なのか分からない風景になっていた。青はより青く、粒子が粗く散りばめられている。光の粒が同

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魔法と呪文が街に溶け込んだ、おとぎの国【モロッコ・マラケシュ→フェズ】

魔法と呪文が街に溶け込んだ、おとぎの国【モロッコ・マラケシュ→フェズ】

モロッコ・マラケシュという街は、混沌と喧騒と渇いた愛にあふれた不思議な磁場であった、と離れゆく電車の中で、ようやっとこの数日の経験をことばにできる。

もちろん毎日文章は書いていたのだ。けれど混沌と喧騒の中にあって、刺激ばかりで身を守ることにも必死で、綴ればそこには私の内部と心情ばかり。街を形容するには、もう少し沈殿が必要なのかもしれないと思って、あえて無理矢理に完成させようとはしていなかった。

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聖域だった、青と白の物語のような街の中【モロッコ・シャウエン】

聖域だった、青と白の物語のような街の中【モロッコ・シャウエン】

カチャリ、と鍵を開けて、屋上へと続く階段を登っていく。一段、二段、青い階段と手すり、白い壁、またたく星。

ざわり、と透き通る風吹き抜ける。この風はどこからきたんだろう。山の向こう、昨夜珍しく降った雪、冷たく頬染めて。

もしここに海があったなら、私はここへ住んでみよう、と今日決めていたかもしれない。人生に疲れたアラサーの女性よ、すべて一度はここへ来るというルールでもあればよかったのに。

日本を

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