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インタビューの極意と生きることを少し楽にしてくれる言葉

村上春樹『雑文集』 これで本当に読了。

 もちろん地下鉄サリン事件の現場を文章で再現することが今回のインタビューの主目的だから、ただ「興味津々」というわけにはいかない。こちらの動機も、話される事実もあくまでシリアスである。それでもそのインタビューの相手が「どういう人か」を知るためには、この「興味津々」の好奇心が重要な役割を果たした。好奇心というと言葉はよくないけれど、実際の話、その相手がどういう人なのかを懐にまで入っていって肌で感じないことには、「その人にとって地下鉄サリン事件とは何であったか」といういちばん肝の部分を理解することはできないからだ。相手が言葉として語ることだけを文章として並べていても、それでは血肉のあるインタビューにはならない。どこからそのような言葉が出てくるのかという出所を掴んでおく必要がある。


「そうだ。僕らはある意味では孤独であるけれど、ある意味では孤独ではないのだ」と思う。

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