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【この本を読んで考えた】おらおらでひとりいぐも
文藝賞を経て、2018年に芥川賞を受賞したこの作品。気になりながらも読まないうちに2022年日本人としては初めてのドイツの文学賞「リベラトゥール賞」を受賞とのこと。
この小説は一人称は東北弁、三人称は標準語で書かれていて、東北弁に馴染みのない自分は目に入る情報を聞きかじりのイントネーションで再現し、それを普段の言葉に変換しながらの読書という形になった。
子ども二人は家を出て、夫が亡くなっ
【この本を読んで考えた】ライ麦畑でつかまえて(野崎孝 訳)
最初この本を読んでみようかなと思ったのはなんとなく、心がソワソワしていた若かった時代。
「おかしいと思ったらたとえ一人でも声をあげる!」などという環境に身を置く反面、薄暗いジャズ喫茶に入り浸って世を拗ねたような少年たちとたむろってたりと、自分の中に明るいのと暗く気怠いのが同居していた時代。
この本の存在を知って「読んでみようかな……」なんて母親に言ってたら、「暗いの読むんやなー」と。
(私の記憶