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最近読んだ本の話 vol.16

 「最近読んだ本の話」の第16弾です。GWに入り、ちょっと落ち着きました。読んでいない本がまだまだたくさんあって、一歩一歩少しずつ読んでいけたらと思います。今週も3冊ご紹介します。


1、山本 文緒『プラナリア』

どうして私はこんなにひねくれているんだろう―。乳がんの手術以来、何もかも面倒くさく「社会復帰」に興味が持てない25歳の春香。恋人の神経を逆撫でし、親に八つ当たりをし、バイトを無断欠勤する自分に疲れ果てるが、出口は見えない。現代の“無職”をめぐる心模様を描いて共感を呼んだベストセラー短編集。直木賞受賞作品。                                       -Amazonより引用-

 読んでみたい本、として記憶に残っていて、見つけて思わず手に取りました。短編が5編あり、5編中4編は主人公は女性で、1編は男性です。無職だったり、パート勤めだったり、会社員だったり、居酒屋店主だったり、様々な人の悩みや思いが描かれています。1999年から2000年にかけて発表された小説ですが、20年たっても思い悩むことは変わらないんだなあ、と思いました。
 そのあとどうなったんだろう?と思うところで物語が終わっているので、その先が気になります。自分自身や家族やパートナーに対するシビアな視点が「そうか、そういう風に受け取るものなのか。」とか、自分とは違う考え方や、同じような感じ方と出会って、身近に感じる物語でした。


2、『名場面で味わう日本文学60選』

6人の慧眼が選ぶ必読の「名場面」集!
芥川龍之介 三島由紀夫 川端康成
夏目漱石 武田麟太郎 梶井基次郎
谷崎潤一郎 村上春樹 永井荷風
向田邦子 樋口一葉 田山花袋
――などなど、日本文学の代表60作を網羅!
「ここに取り上げられた『名場面』の数々は、多くの人が納得するものもあれば、寧ろ、これまで注目されてこなかったが、新たな『名場面』候補として野心的に提案されたものも少なくない。こうした『名場面』に着目した文学史の風景自体が、これまでありそうで、なかったのだから、それも必然的なことだった。しかし、一度、この認識に立てば、今後は『名場面ハンター』として、名作のここぞという箇所に目を光らせる読み手にもなり得ることだろう。
〈平野啓一郎「はじめに」より〉          -Amazonより引用-

 これは面白そうだ!と思い、手に取りました。60作品の名場面が紹介されていますが、私が読んだことのある作品は数作しかなく、これからも本読もう!と、自分を励ましつつ読み始めました。その作品の「名場面」を知って、読んでみたい!と思ったりして、とても楽しめました。読んだことのあるはずの本でも、全然覚えてない箇所が取り上げられていて、ほんまに覚えておくのって大変なことですね。何回も読まないと、かな。


3、山崎ナオコーラ『肉体のジェンダーを笑うな』

もし夫の胸から「母乳」ならぬ「父乳」が出たら!? PMS(月経前症候群)を体験できるサーフボードがあったら? 「人のセックスを笑うな」で作家としてデビューしてから16年の著者が新たに描く人の性。旧来的な性別役割をユーモラスにひっくり返す、想像力にあふれた小説集。-Amazonより引用-

 4つの物語が収録されています。1つ目は「父乳」が出るようになった男性のお話です。「父乳」が出るようになった男性が、自分の子どもを「父乳」で育てます。この物語の中では、薬を服用することで可能になるのですが、そんなことが未来に起こったらすごいな。性別の違いによる役割だとか、偏見だとかをなくすような物語が繰り広げられていて、読みながら、これからどうなっていくのか、何がどう変わっていくのか、変わった方がいいことは変わっていって生きやすくなればいいな、と思いました。


 今週も書き終えることができました。本を読みながら色々なことを考えられるのはいいなあ。それを少しでも言葉にできるようにという願いを込めつつ、これからも読んでいきます。最後までお読みくださってありがとうございました。


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