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最近読んだ本の話 vol.92

 「最近読んだ本の話」の第92弾です。あっという間にもう2月が終わります。早かった!今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。

1、穂村 弘『短歌のガチャポン』

穂村弘が選ぶ何でもありの短歌ガチャ100
現代短歌のフロントランナー穂村弘が腕によりをかけて選んだ、明治から現在までの短歌100首。うつくしい短歌、不思議な短歌、へんな短歌、おかしな短歌、不気味な短歌、かなしい短歌……。好きなところからひとつずつ取り出して、なんでもありのマジカルな短歌ワールドをとことん楽しもう。最初は意味のわからない短歌も、穂村弘の切れ味のいい鑑賞文を読めば納得できるはず。穂村弘は言う。「ガチャポンのハンドルをガチャガチャ回すと、カプセルに入った何かがポンと出てきます。ジャンルだけは決まってて、でも、その中の何が出るかはわからない。だから、わくわくして夢中になりました。」短歌の楽しさと多様性を、ミステリアスでファンタスティックなメリンダ・パイノのカラーイラスト25点と共に詰め込んだ、ホムラ印のガチャポン・マシーンがここに。

Amazonより引用

 私は20代前半の頃に短歌を作っていたことがあるのですが、もう今は作っていなくて、でも読むのは好きです。この本面白そう!と思って手に取ったのですが、幅広い年代の方のいろんな歌が収録されていて、面白かったです。その上、メリンダ・パイノのさんのイラストがめちゃめちゃいいです。自分でも短歌を作ってみたくなって、最近通勤途中ブツブツ言いながら歩いています。


2、米澤 穂信『栞と嘘の季節』

猛毒の栞をめぐる、幾重もの嘘。
高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。
ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。
小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。
持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。
そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。
誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか……。
「その栞は自分のものだ」と嘘をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。
直木賞受賞第一作は、著者の原点とも言える青春ミステリ長編!

Amazonより引用

 前作『本と鍵の季節』を読んでいたので、この本のタイトルを見て続編だ!と確信しました。主人公は、前作と同じ図書委員の堀川次郎と松倉詩門です。図書室の返却本に挟まれた栞が、トリカブトの花で作られていることに気づいた2人が、持ち主を探そうと動き出します。
 堀川と松倉、同学年の瀬野の3人が栞を作って配っている人間を探し出そうとしますが、とうとう首謀者を見つけ出します。謎が謎のままの部分も多くあって、気になったままなのですが、全部を解き明かさなくても物語が成り立つのは、あとは読者が想像するように、ということなのかな。


3、潮谷 験『スイッチ 悪意の実験』

夏休み、お金がなくて暇を持て余している大学生達に風変わりなアルバイトが持ちかけられた。スポンサーは売れっ子心理コンサルタント。彼は「純粋な悪」を研究課題にしており、アルバイトは実験の協力だという。集まった大学生達のスマホには、自分達とはなんの関わりもなく幸せに暮らしている家族を破滅させるスイッチのアプリがインストールされる。スイッチ押しても押さなくても1ヵ月後に100万円が手に入り、押すメリットはない。「誰も押すわけがない」皆がそう思っていた。しかし……。
第63回メフィスト賞を受賞した思考実験ミステリが文庫化!

Amazonより引用

 潮谷 験さんのデビュー作です。デビュー作って読みたくなります。1番書きたいことが詰まっているんじゃないかと思って気になる!読み始めると、これがデビュー作なのか?完成度が高すぎる!と恐れおののいたのでした。  主人公は大学生です。1日1万円のバイトを引き受けたところ、自分達とはなんの関わりもなく幸せに暮らしているパン屋さんの家族を破滅させるスイッチを、押しても押さなくても100万円もらえるという、人の悪意を試す実験に協力するバイトでした。自分だったらどうする?当然押さないでしょ!と思いながら読んでいたら、物語の中では何者かが主人公が置き忘れたスマホでスイッチを押してしまい、誰も予期していなかった怖ろしいことが起こってしまいます。何とかならないものかと思いながら、読み進めていくと、スイッチを押した理由がわかって…。すごい筆力です。これがデビュー作なんて信じられないなあ。読めてよかったです。


 最近本を読む時間がなかなか取れず、ゆっくりゆっくり進んでいます。読みたい本は増える一方ですが、ゆっくり楽しもう。最後までお読みくださってありがとうございました。

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