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最近読んだ本の話 vol.32

 「最近読んだ本の話」の第32弾です。毎日暑かったのに、ここ1週間は涼しい日が続いています。お盆休みは雨が降って家にいる間に終わってしまった。今週も最近読んだ本を3冊ご紹介します。


1、山田 詠美『珠玉の短編』

恋愛、友情、自尊心――人間の欲望の行き着く先は、グロテスクでブラックで愛おしい!主人公の奈美は、孝一と虹子という夫婦と親しくしている。しかし、孝一が出張中の雨の日を境に、三人の関係は歪み始める。川端賞受賞作「生鮮てるてる坊主」や“珠玉”という惹句に取り憑かれてた作家・夏耳漱子。やがて頭の中で珠玉たちが地位向上と種の保存を騒ぎ出し……!? 表題作「珠玉の短編」など、短篇小説の名手が贈る11編の絶品。
                         -Amazonより引用-

 高校時代、山田詠美さんに憧れていて、文庫本を机の引き出しの中に大事に入れていました。最近はどんな作品を書いてらっしゃるのかな?と思い、この本を選びました。2013年から2016年に発表された短編11編です。山田さんは「言葉用重箱の隅つつき病」の重症者だそうで、山田さんの頭によぎる様々な言葉からの妄想などを集めて作られた物語たちだそうです。面白い人だなあ。この本を読んでいる時、私が頭の中でよく使う言葉を文中に見つけました。昔読んだ小説の言葉が私の中に根付いていたのか!と思い、その発見が嬉しかったです。


2、岩井 圭也『文身』

ここに書かれたことは実現しなければならない――好色で、酒好きで、暴力癖のある作家・須賀庸一。業界での評判はすこぶる悪いが、それでも依頼が絶えなかったのは、その作品がすべて〈私小説〉だと宣言されていたからだ。他人の人生をのぞき見する興奮とゴシップ誌的な話題も手伝い、小説は純文学と呼ばれる分野で異例の売れ行きを示していた……。ついには、最後の文士と呼ばれるまでになった庸一、しかしその執筆活動には驚くべき秘密が隠されていた――。真実と虚構の境界はどこに? 期待の新鋭が贈る問題長編!                      -Amazonより引用-

 岩井圭也さんの『永遠についての証明』を読んで、他の作品も読んでみたいと思い、この作品の内容に興味があって面白そうだったので選びました。作家である父が亡くなり、亡くなって2週間後に娘の元に父の未発表の小説の原稿が送られてきます。そこには父である庸一と、弟の堅次の二人の兄弟の物語が書かれていて…。私の気になる「私小説」にまつわるお話でした。面白くて夢中になって読んで、最後には虚構でも現実でもどっちでもいいじゃないか!と思うほど、この小説に魅了されました。最後に「これからどうなる?」という希望が描かれているところが、『永遠についての証明』との共通点だと思います。


3、恩田 陸『日曜日は青い蜥蜴』

少女時代のエピソードあり、笑える読書日記あり、真摯で豊かなレビューあり……。
約10年ぶりに放たれる待望の新刊エッセイ集! 書き下ろしあとがき収録。――生きていくということは、この世界についての自分の地図を作ることだと思う。
道も、景色も、自分で見つけていかなければならない。
(「地図を作る」より)            -Amazonより引用-

 恩田陸さんの読書日記なんて、めっちゃ読んでみたいやん!とワクワクしながら手に取りました。読んでみてわかったことは、恩田さんの興味の対象がすごく幅広い、ということです。ビジネス書や学術書や推理小説や漫画など。ミステリがお好きで、ミステリの紹介がたくさんありました。読んでみたい本がたくさん見つかって、また楽しみが増えました。


 今週も「最近読んだ本の話」を書くことができました。よかったです。読書に集中できる時とできない時があって、お盆休みは集中できました。今週はちょっと…。週末で盛り返そう!最後までお読みくださってありがとうございました。

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