【もか訪問看護ステーション】のBCP(災害時事業継続計画)について考えてみた。

皆さんはBCP(災害時事業継続計画)について聞いたことはありますか?
わたしはお恥ずかしながら社長になり、3年目にしてこの言葉を知ることになりました。
そして見て見ぬふりをし、この度4月からこのBCPが訪問看護ステーションで義務化されることから真剣に考え始めたのです。

そして知れば知るほど自分がいかに無知であったかと、その場面に直面せず計画することが出来る安堵のような気持ちになっています。

では具体的にBCPとはどのようなものなのでしょうか。
北海道では記憶に新しい北海道胆振東部地震がありました。そのときあなたは何をしていましたか?

もかがBCP作成を通して学んだこと


様々な社内勉強会をしています!

北海道胆振東部地震を経験して


私はその時はまだ病院の看護師をしていたので3交代の夜勤が終わり、家に着いた頃でした。いきなり辺りは真っ暗闇となり、何が起こったかわかりません。そして自分が何をしたらいいのかもわかりません。
しばらく家族と呆然としたあと、我が家はオール電化だったことに気づいたのです。急いでコンビニに駆け込みましたが、時すでに遅し。。
ほとんどの物が売り切れ状態でした。そしてありもので何とか怯えながら暮らし、仕事に行く。当時、職場では災害周知のようなものはなく、どう対応されていたのかわかりません。(私の知らないところでされていたのだと思います)
怖い話ですよね。

…話は脱線しましたが、このような災害の時のために事業所として対策を考えて計画しておくことこそが災害時事業継続計画:BCPなのです。(ひとつの解釈として参考にしてください)

私たちなりの解釈

勝手な解釈
BCPの原理原則
・事業所内部が共通認識と自主性を持ち、利用者さんの安否や安全確保、必要訪問を的確に迅速に対応する
・外部との徹底した連携をし、一致団結して動くため

この二つが要かなと考えてみました。
もちろん、字のごとく事業所を継続するための、事業計画なのですけど。

それ以上に目の前で起きていることや優先されることへの対応を確実に行っていくことで、ひとりでも多くの命が助かったり、災害で被害に合われて困っている人への手助けになれるのではないのでしょうか。

そんなことを考えながら札幌市内でやっていたとあるBCP勉強会へ行ってきました。

机上シュミレーション訓練の内容

その勉強会では机上訓練をして学ぶ場でした。
5~8人のグループを8班に分け、それぞれここは〇〇クリニック、ここは▲▲訪問看護ステーション、ここは□□薬局、などの事業所となって分けられています。
その事業所には各利用者さんが存在しており、その利用者さんの疾患や、状況、家族、家、歩行状態が書かれており、そこからアセスメントし、優先順位をつけ、対応を考えていくという災害時シュミレーションという内容でした。
その内容を私なりに少しまとめてみました。

BCP 災害対応で重要なこと
・事業継続
・自分自身と家族の安全を図りながら、利用者の安全を確保できる

私たち医療従事者は「不確実な状況のなか、いかに自主的に考え行動できるか」という観点がポイントになる。
つまり、BCPとは自主的に考え行動するための指針のようなもの。

BCPには3つの大切な要素があり
・マインド:自主的なビジョン
自分自身がどう動くべきなのか考える力
・行動指針:行動を導く
安全確認、連携、情報共有を優先付けし道筋を決める
・情報管理:あらゆる情報を明らかにする
災害の程度や今後の見通し、利用者さんの状況、スタッフの状況の把握

この3つがすべて揃わないとBCPは成り立たないということですね。

そして災害が起きたとき、その現場では
指揮と連携、そして情報伝達する役割の人が必要です。

文字だけで書くとわかりにくいですよね。

イメージしてください。

わたしたちは訪問看護ステーションです。
職員は管理者含め全員で6名です。
災害発生し、職員のうち2人は連絡が取れず、1人は連絡はとれたが事務所に来ることはできず、3人は事務所に来ることができます。

まず、この3人が事務所に集まることとなったとき、集まってどうしたらいいのでしょうか。(ひとまず、災害発生した際には定期訪問は停止すると考えて良いと思います。安否確認、必要訪問、臨時訪問、今後の対策に力を注いでいくといった方向性です。)

まずは指揮をとる人が必要です(その場にいない可能性もあるので必ずしも管理者とは限りません。)※指揮系統は明確に

そして、利用者も含め外部に連絡、連携をとる人が必要です。

そして、間違いなく、いつだれに何をどのように伝えたのか、なにが起こっているのか、把握する記録をとる人が必要です。

イメージを終了してください。

BCP発動時のそれぞれの役割

私の言いたいことがなんとなく伝わったでしょうか。
実際に災害があったときには
①指揮+連携をとる人(人が多く確保できるときは別々でもいいと思います)
②記録する人

の役割が必要だということです。
そして事業所ではその役割が必要だということをみんなに伝えていかなければいけませんね。

次にスタッフの動きについてです。
①スタッフの安否確認、動ける人は誰なのか?
②利用者安否確認
→電話 or LINE or 直接訪問
その他にもその利用者さんが利用している主要な外部サービスと連携を取り合い、サービスの入り方によっては連携をとり外部の方に安否確認をお願いする等の意見もありました。

③利用者の家に近い家のスタッフを割り当てる(必要訪問)
④災害地域や程度を把握し、今後どうなるのか予測し、誰の場合はどうするなどの対応策を考えておく。(避難場所を伝えて置く必要がある場合がある)

この動きが素早くできればいいのですが、それをするためのBCPとなりますね。

利用者の優先順位として


上記の判断をするためのポイント★
・利用者トリアージ
・医療処置の有無(予備電源はあるのか、機材、物品はあるのか)
・歩行はできるのか
・協力してくれる家族は近くにいるのか
・家屋状況(何階に住んでいるのか、どんな建物か)
・主治医がいる病院やクリニックの連絡先
・外部連携で関わっている人のまとめ
・連絡方法のツールの確認(外部や利用者)

こんなところをまとめておくといざというときに、的確な指揮がとれると思います。

ひとりの利用者さんに複数の外部サービスが入っていることを考え、医療的なことは訪看、独居や不安が強い方はケアマネなど、分担も重要です。
逆に精神症状が強く、身体的に動ける方は、災害警報のレベルが低い段階で避難できる人から避難するという意見もありましたが、避難所の人の多さや環境に適応できるかどうかもわからないので、それを見込んだ判断力が必要になりますね。

担当者会議でこのような場合は~と話するという案も出ましたが、利用者さんや家族さんが不安になってしまうのでは?という声もありました。

普段から私たちは利用者さんの体調管理において、外部と連携する重要性を認識しているつもりですが、災害のときこそ内部外部ともにしっかり連携をとり、一丸となって対応していくことが大切なんですね。

あとは、、
私が調べたものでは「携帯カード」というものがあり、従業員が何かあったときのための連絡先や避難場所、または災害警報レベル〇でBCP発動などの基準を書いておいたり、簡単な行動パターンの記載をしていたり、スタッフが見てすぐ行動にとれるようなものをカード化したものがありました。
これは真似したいと思います。

以上!もか訪問看護ステーションが思うBCPについてでした。

結局のところBCPってなんなの?


といわれたら、、

私は航海図のようなものと答えます。
その道筋を示す大事なものです。

事業継続のことはもちろんスタッフや利用者を守ることにも繋がると思います。もっと事業が良くないよう努めて参ります。
ご清聴ありがとうございました!

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