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介護と看護、時々仕事

「玄関がキレイになっていたから、何かあったのかと思って…」離れて暮らす家族が長期入院している時に、近所の方からあった電話です。生存確認ができてホッとされていましたが、私自身も周囲の目があることに毎回ホッとしています。他の家族や親せきに加えて、近所の方や知人の見守りが機能していることがわかるからです。


平成29年就業構造基本調査によると、15歳以上で介護をしている人 627 万6千人中、有業者は 346 万3千人です。約55%の方が介護しながら働いているということです。難しいのは、予測がつきにくく自分自身の予定が立てにくいことではないでしょうか。必要な時にケアが必要な家族がいる方も同様です。

介護や看護のためにどこまで待機しておくべきなのか、自分の学びや仕事とどのように折り合いをつけていけばいいのか、モチベーションをどのように保っていけばいいのか、悩むからです。

今は、介護や看護のサービスも増えました。所属する企業の両立制度を利用する方や、限られた時間内で働く非正規社員の方もいらっしゃるでしょう。働きたいという方からご相談を受けて、その方が何かしら続けられる働き方を一緒に考えることもあります。「仕事中だけは自分のことに集中できる」「仕事があったから介護・看護が続けられた」等とおっしゃる方々に、これまで出会ってきたからです。


リモートワークの導入が進んだ一年。働く場所や時間に制約がある人にとっては、後押しされた事柄でもありました。けれども、時には、物理的な問題だけでは対処できない、“何とも言えない気持ち”が湧き出ることもあったでしょう。そんなときこそ、信頼できる方や専門家に吐き出してほしいと思います。


相手は、その役割を担うことでホッとできたり、仕事として貢献できてホッとできているからです。将来的に余裕ができたら、他の方の気持ちを受け止める役割を担っていけばよいのです。