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#4 京都暮らし、1週間(暇人)

「長い人生の中で7日間、京都に住んでみるという選択」

というホテルTUNE STAY KYOTOの広告コピーにまんまと魅了され、京都にちょい住みすることにした。

卒論や資格の勉強にほとんどの時間を費やしながらも、本を読んだり美味しいもの食べたり、散歩したりして感じた京都の日常は、私には非日常的で贅沢だった。

ホテルと基本的なすごし方

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今回の旅はリモート授業と勉強で部屋にこもる日常を京都に移すのが目的で、ほとんどの時間は勉強だからホテルはめちゃくちゃ大事だった。

泊まったホテルはTUNE STAY KYOTOの1週間プラン。
京都駅から徒歩5分で、ロングステイの若者も多い新しくて綺麗なホテル。コワーキングスペースがたくさんあり、作業に最適な環境だった。

また、このホテルの魅力は京都に関する本がずらりと並んでいる図書館のような空間。ガイドブックから古典まで大量に並んでいて、勉強の合間にソファーに座ってゆっくり読んだりできる。

もう1つの目玉は毎晩行われるショートムービー観賞会。お風呂入ったあとに映画を見たのはすごく良い時間だった。
ショートムービーは上映時間が長くて20分ぐらいなので説明がほとんどない。解釈の自由度が普通の映画より格段に高く、ほとんどショートムービーに触れたことがなかった私には新鮮な出会いだった。

これだけ充実した滞在ができるのに、1週間2人で20000円ちょいなのだから驚安。

西日本どん兵衛の衝撃と町中華、鴨川沿いで朝食を

食事はほとんどスーパーで買ったりで済ませた。
節約の意味もあるけど、初日か2日目に買ったどん兵衛が美味しすぎてどハマりしたのである。

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東京生まれ育ちの私は、東日本のうどんと西日本のうどんの違いをそもそも知らなかった。だから、どん兵衛を最初に食べた時の第一声は「え!!!なんか出汁つよ!!!!

美味しすぎた。薄味だが鰹の出汁がじんわり染みて、いつもはしょっぱくて飲みきれない汁も喜んで完飲した。江戸っ子として関東の甘辛い味付け至上主義で生きてきたことに気づいた。ここまで出汁にくらったのは初めて。

今はどん兵衛食べ比べ企画で関東でも西日本版が買えるから、今のうちに食べまくっておく。

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町中華を食べるのも大きな目標だった。リアルな日常の象徴のように思っていたからである。

行ったのは三条にある【龍鳳】
おじさんが1人でやってて、入った時は常連客が1人で競馬新聞を読んでいて、女子大生2人だとめちゃくちゃ浮いた。しかも、テーブルなどが全体的にベトベトしてる。

コレコレ〜〜!!!これを求めたのよ!!

食べ物より、この地元感を見に行ったと言っても過言ではない。小娘がお邪魔して申し訳ないが、雰囲気の良さは100点中5000点だった。

もちろん、注文した焼飯(チャーハン)と餃子は胡椒がきいてて最高だった。他の人は天津飯が多かったから、人気メニューなのかもしれない。

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晴れた日に鴨川沿いで美味しいパンを食べるなんて贅沢なことは、京都の貴族だけに許されることだと思っていた。

そんな夢を叶えてくれたのは【LAND】というベーカリー。
映えなお店として人気らしくめちゃくちゃ並んでいた。名物で注文後に作るベーグルサンドは激うま。大好きなカフェラテとスコーンも頬張りながら川沿いで散歩する人や少年サッカーの練習を見た時間、なんて豊かなんだ。

味な本屋さん巡り

京都と本は相性がいい気がして、いい読書時間を過ごそうと決めていた。

ホテルの決め手も読書を推していたからだし、事前にいい感じの個人本屋さんをリサーチして行った。どこも実用本などは無く、お店のセンスが光る選書が最高だった。

本屋さんが多く参加するスタンプラリーも企画されてた。良い文化だな。

【誠光社】

鴨川沿いの住宅街にある本屋さん。テーマごとに棚が別れていて、旅、アート、社会系などがあり、奥で行われていた展示も素敵。

ここでは岸政彦さんの『断片的なものの社会学』を買った。

【ホホホ座 三条支店】

ホホホ座というのは京都を中心に何店舗かあるセレクト書店だが、店名を共有しているだけでそれ以上の繋がりはないという不思議な本屋さんである。

三条支店はカフェにある2つほどの小さな本棚を本屋さんとしている感じで、古本もあった。小説や新書、カルチャー系の本が中心。

町中華を食べた後だったから、思わず『京都の町中華』という本を手に取り、あとは京都の空気に押されて芸術に触れようという気になったのか岡本太郎の『今日の芸術』を買った。

【出町座】

京都市内の北、鴨川デルタのすぐそばにある商店街の本屋さん。小さな映画館とカフェが併設していて外には映画の看板があった。

ここは割と話題の本もあり、本棚のあるスペースは多くは無いが料理、カルチャー、旅行、映画、グルメなど趣味の本が並んでいた。オリジナルグッズも豊富で、本当は関係ないがポストカードと映画記録用のオリジナルノートを購入した。

【ホホホ座 浄土寺店】

銀閣寺の近くにある、ホホホ座の本店。入り口には古着があったり、ここもオリジナルグッズが豊富だった。

今まで行った京都の本屋さんの中では本が多く、誰かが趣味で作ったような薄い本から少し専門的な本まであった。ここは芸術系が多かった気がする。

店長さん(?)自身も本を何冊か書かれていて、その1冊である『喫茶店で松本隆さんから聞いたこと』という本を買った。作詞家の松本隆に京都の喫茶店でインタビューしたのを記した本で、松本さんのことはほとんど知らないが、クリエイティブな天才の話を聞くのは楽しいし、京都の喫茶店でっていうのもまた良い。

お店から徒歩30秒ぐらいにあるおにぎり屋さん「青おにぎり」も最高なので必須。

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まとめ 暮らすように旅したというより、旅するように暮らした

いつもは1週間なんて5秒ほどですぎてしまうが、京都で過ごした1週間は充実していてすごく長く感じた。

勉強の日々を過ごしながらも毎日新しい発見や出会いがあって、散歩してたら世界遺産にバッタリ出くわすなんていう嘘みたいな体験もできた。

旅は非日常を求めてするものだが、がっつりリゾートや観光に行かずにロングステイすると、いつも通りの生活なのに普段は絶対にできない体験をできるからパラレルワールドにいるみたいでこれもまた非日常的である。

幸せすぎて帰れなくなる可能性はあるが、デラックススイートにアップグレードした日常を味わいに行く京都旅行、超オススメしたい。

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