見出し画像

大卒の意義

本記事を書こうとした経緯

 私は地方大学の大学院卒業後、就職活動の末、無事、某メーカーへ就職。
 今は製造部に配属されており、製造ラインの工程設計に携わっている。うちの製造部は工程設計を行う開発チーム(主に大卒で構成されるチーム)と、実際に物を作る現場チーム(主に高卒で構成されるチーム)が一丸となって働いている。もちろん現場の方と距離が近い分、「大卒は何もわかっていない!!」などの状況などは起こりづらく、正直仕事は進めやすい。
 しかし、現場の方と一緒に働いていると、嫌でも気づくことがある。。

「高卒の現場の方たち、、できすぎぃいい。俺、無能すぎぃいい」

 現場で実際に手を動かしている分。とにかく装置に詳しい。修理、改造すぐできる(超かっこいい)。さらに、製造現場で何か起きた時の対処が早い(超かっこいい)。いわゆる、「現場たたき上げ」というやつ。そんな方たちと仕事をしながら、私も日々ぼこぼこにたたきあげられながら、ふとこう思った。

【悲報】大学院卒の私、給料泥棒確定(コスパ悪すぎ)

 
日本のシステム上、大学院さえ卒業して就職すれば、額面24万くらいはもらえる。高卒の方たちは18万くらいらしい。この事実を知る現場の方はよく「大卒なら沢山金持ってるでしょ!いいなぁ」と冗談交じりに言ってくる。
(↑ 正直冗談に聞こえないよ。もっと働けと聞こえるよ。怖すぎだよ。。図1参照)

大卒働け

 本記事は、3年目になって「大卒の意義」を考え直し、その考えをもとに、今後仕事をどう進めていくかを整理したので、この場を借りてシェアさせていただきます。

大卒の意義を考えてみた

 いろいろと考えた結果、大卒の意義は.........

 自然現象とお友達になっていること

...という結論に至りました。
いきなり、自然現象とお友達?とか意味わからないことを書いていますが、下記にて詳しく説明をしていきます。

 まず製造現場で働いてみてよく感じることは、「なんで同じ条件で作っているのに不良品が出るの??」、「なにこの現象?、意味わからねぇ」ということがしょっちゅうあります。(他の製造現場でも同様か知りませんが。。)
 こういう未知のことが起きるというのは、変な例えをすると図2のようになるかと思っています。私たちが自然現象(以降、自然君と呼びます)のことを十分に理解していなくて、自然君が怒って暴れだし、バランスが崩れて不良品を発生させている状態。こういう時に私たちエンジニアは怒りを鎮めるために、なぜ怒っているのかを調査と対策をし、自然君の機嫌を取って不良品を出ないように対処します。自然君ってセンシティブで怒りやすい面倒くさい存在。。。

自然をなだめるエンジニア


 以上を踏まえて、大学でやってきたことを振り返ると、机に座ってコツコツと電気磁気学、電気回路などの理論的な勉強をしてきました。この理論的な勉強こそが自然君の怒りを迅速に鎮める方法につながるものと思っています。理論というものは、昔の学者(ニュートン、アインシュタイン etc.)などが自然現象のルールを知るために数えきれない数の実験と思考を積み上げ、抽象化したものです。今までの例えでいうと、図3のように、学者が自然君に色んなちょっかいを出して、どんな反応をするかをまとめて、自然君の性格をまとめたものが「理論」になります。図3では自然君は「かんちょーをすると怒る」、「撫でると喜ぶ」という関係性が一連のちょっかい(実験)から明らかになっています。この「自然君に○○をすると△△になる」という関係性が「理論」です。

図3 自然君の隠れた性格を知るまで(縦書き)


 過去の学者たちが自然現象に対して積み上げてきた「理論」を知っていればどうなるかというと、発生したよくわからない現象が、「なぜ起きたか」をある程度想像して仮説が立案できてようになります。理論を知っているのと知っていないのでは、明らかに自然君の怒りを鎮める速度に雲泥の差が出てくると思います。
 だから、大学で理論をせっせと勉強して、自然君の扱い方を知っていれば、自然君が怒りだして、不良品を大量発生(💩)させても、対処するすべが思いつく。あわよくば自然君が怒らないように前もって対策できることができる。これが大学を卒業する意義で、冒頭で述べたように大卒は自然君(自然現象)とお友達になれれば、迅速に自然現象を理解して、不良品の発生要因をつかんで、素早く解決まで導くことができる。また、それが大学卒業した者の責任となるかと考えています。

大卒の意義を考えて意識すること

 上のほうでは大学生はたくさん勉強して、理論を勉強することが重要と書きましたが、正直、大学であまり勉強してこなかったので、社会人の私はもう時すでに遅しなんですよね。学生の時に絶対なりたくないと思っていた「学生の時に勉強しといたほうがいいよ!」というおじさんに片足を突っ込んでいる気がします。
 しかし、ここで一度大学卒業の意義を考え直して、一応、下記のようなことができるエンジニアになりたいと思いました。
 (誰も興味はないと思うが・・・)

 ・精度の高い仮説が立てられること
 ・その仮説を現実的な方法で実証できる実験が組めること

 このエンジニアになるためには、たくさん仮説を出し、場数を踏む必要があるため、まずは製造現場で起こるいろんなことに対して興味をもって、「なんで?」→「こうなんじゃね?」という妄想を繰り返し行っていきたい。その際に、「こうなんじゃね?」という仮説を作り出すためには、自分の頭では限界がある場合が多いので、仕事で関係する学術論文、特許資料を毎日1つ or 1h読むことを目標に日々頑張っていきたい。

まとめ

この記事をまとめると私が考える大卒の意義は....

理論に基づいて自然現象について考え、推定ができること
そして、それらを駆使して課題を解決できること
→自然現象とお友達になっているということ

かと思います。要するに、しっかり社会人でも勉強していこー!ということ自分自身に言い聞かせる意味でも本記事を書きました。
 また、おこがましいですが、今学生の皆さんも、勉強をしていると「何のために勉強しているの?」となり、やる気が出なくなることがあるかと思います。このイメージが少しでも役に立ってくれたらよいと勝手に思っています。

以上です。ありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?