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女子高生の私マガジン

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女子高生だった時の思い出を書いています
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#思い出

女子高生の私が先生と契約を交わした話

女子高生の私が先生と契約を交わした話

期末テストの勉強期間に差し掛かろうと言う時期。私はいつもの通り数学という学問に絶望していた。

「ホールケーキとハーゲンダッツが貰えるなら私だって頑張るのに!」

齢16になったというのに小学生のような文句としょうもない駄々を延々とこねくり回す私。冗談半分、本音半分の発言だったが、それを聞いていた数IIの先生がポロっと呟いた。

「エムコが本気なら考えてやらんこともないぞ。」

「本当ですか?!」

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女子高生の私が苦虫を噛み潰した話

女子高生の私が苦虫を噛み潰した話

人様に自慢できることなんてほとんど持ち合わせていないが、好き嫌いが極めて少ないことだけは我ながら良いところだと思っている。

そんな私が絶対に口にできない唯一のもの、それは牛乳だ。チーズやヨーグルトなどの加工物、またいちご牛乳やカフェオレなど別の味が加わった物は大好物だが、どうしても生乳だけは飲めない。
私の牛乳嫌いには色々と深い理由があるのだが、話が長くなるのでまた別の機会に記そう。

とにかく

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女子高生の私がクラスメイトを救った話

女子高生の私がクラスメイトを救った話

私の高校は校則がやけに厳しく、息苦しい日々を送っていた。

あれも禁止これも禁止。禁止禁止禁止。
もし背こうものなら、お世辞にも「教師に見えますね」とは言えないような猛々しい佇まいの生活指導教諭にみっちりこってりしぼられるのだ。
我々は無駄な争いはしたくなかった為割と大人しく言うことを聞いていたが、どうしても破らねばならない校則があった。

それは携帯電話の持ち込みだった。

私たちは抜き打ちの荷

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女子高生の私がとあるジジイと戦った話

女子高生の私がとあるジジイと戦った話

私の高校の周辺は変なやつの目撃情報が絶えず、常に迷惑な賑わいを起こしていた。

中でも一番印象的だったのは、朝高校へ行く途中のバス停に高確率で出没する1人のジイさん。
外見は白髪で細身、ダルダルの皺の寄った皮膚に曲がった背中という百点満点なジイさんなのだが、こいつがかなり迷惑だった。

何故ならこのジイさんは登校する学生に向かって

「女は黙って英数国!女は黙って英数国!」

と叫び散らかすのだ。

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女子高生の私が大好きな家庭科の先生に裏切られた話

女子高生の私が大好きな家庭科の先生に裏切られた話

家庭科の授業ではいつも先生に驚かされる。

その日も私たちは週に一度の楽しみとして家庭科室へやってきた。体験的な授業を多くされる先生だったため、座学は久々だった。今日は何をするんだろうと期待に胸を膨らませながら筆記用具を手に席に着くと、先生は言った。

「今から小テストを始めます。」

先生のその一言は、これから始まる楽しい時間の終わりを宣言したも同然だった。
テストという単語は我々学生にとって、

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女子高生の私がモデルデビューした話

女子高生の私がモデルデビューした話

モデルになりたい。

人間誰しも一度はあの華やかな仕事に憧れを持つだろう。カメラマンの熱っぽい指示に爽やかに応え、カメラのレンズを独占する事ができたなら。
かく言う私も例外では無かった。

しかしながら胴長短足、顔はご飯ですよの三木のり平に瓜二つという三重苦を背負った私に縁遠い世界である事は齢15の若さでもハッキリと理解できていた為、この思いは公言する事なく胸にしまっていた。

紅葉が美しい秋。高

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女子高生の私がサギと戦った話

高校の授業というものは時として全く興味をそそられない分野の時間が訪れるものだ。

その日は保健体育の保健の方の授業だった。体育なら体を動かす分気が紛れるが、座学の保健というものはタバコや麻薬は体に悪いといった「そうですね」としか言いようのない内容を先生がやけに難しい単語を使いながら進めていくので、たまらなく退屈で毎週睡魔との戦いであった。

いっそのこと眠ってしまえれば楽なのにその保健の担当教諭が

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女子高生の私が撃たれた話

女子高生の私が撃たれた話

ツイてない日はことごとく不運が重なる。

その日は午前中の体育で馬車馬のごとく走らされ、腹の虫が大合唱していたので学食のメニューの中でも1番ボリュームがあるとされる日替わり定食を注文しようと決めていた。限定20食でご飯に味噌汁、メインのおかずにデザートまでついてくる、それはそれは食べ盛りの学生に嬉しいメニューだった。

学食は我が母校の誇りと言っても過言ではない。まずなんと言っても安い。そしてほと

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女子高生の私がファーストキスを失った話

女子高生の私がファーストキスを失った話

芸術は爆発だ。

私は芸術を学ぶ専門のコースがある高校に進学した。絵画、デザイン、立体、工芸などあらゆる分野の美術の基礎を公立の高校で学べるなんて実にお得だった。入試も鉛筆デッサンと面接だけだったので学力では到底お呼びでない私でもなんとか入学することができた。

美術の授業の一環で書道を齧る機会があった。書道の先生が、美術の生徒たちにも書道の素晴らしさを知ってもらいたいと粋な計らいで企画したようだ

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女子高生の私がダイエットに成功した話

女子高生の私がダイエットに成功した話

私と最も相性の悪い教科、それは数学だ。

昔から数にひどく弱い。小学校を卒業するまで計算は両手を使っていたし、文章問題ではいつもお兄ちゃんに置いていかれるたかしくんの不運に心を痛めていたので計算どころではなかった。おかげさまで算数のテストは小学生にはあるまじき点数を叩き出し、こんな点数は今まで見たことがないと親は泣いた。
姉がなまじ頭がいい分諦めきれない親は、公文、集団塾、個人塾、家庭教師と私に課

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女子高生の私が同級生と学生結婚した話

女子高生の私が同級生と学生結婚した話

数学や英語、古典といった勉強が大嫌いな私にとって、副教科は学校生活において最高の気分転換だった。

そもそも副教科のほとんどは美術で占められていた為、3年生にしてようやく始まった家庭科の授業はクラス中が楽しみにしていた。
家庭科の先生は笑顔のかわいい温和な女性で、私は彼女のことをすぐ好きになった。

家庭科室に集められた私たちに先生は言った。

「今からみなさんには結婚をしてもらいます」

皆が口

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