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サブカル大蔵経 日本編

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2022年1月の記事一覧

サブカル大蔵経935鹿子裕文『へろへろ』(ちくま文庫)

介護という魔物。普通、嫌がり遠ざける。 しかし、その〈場〉を作るために、集まり、成し遂げ…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経934渡辺京二『逝きし世の面影』(平凡社ライブラリー)

奇跡の怪老人・渡辺京二は今の日本のいびつさを研究する為に、『風雲児たち』のようにたった独…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経933神田松之丞/杉江松恋『絶滅危惧職、講談師を生きる』(新潮文庫)

一歳から四歳まで、三年間ぐらい一家でブラジルに行っていたんです。p.16  その生い立ち、い…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経932若松英輔『悲しみの秘儀』(文春文庫)

若松英輔さん。今までも共著でその文章に触れてきました。抑制された筆致で、どこか独特な立ち…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経931大平一枝『昭和式もめない会話帖』(中公文庫)

30年ほど前、パリの安宿でテレビをつけたら、日本の映画を放映していました。小津安二郎の「彼…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経930若月俊一『村で病気とたたかう』(岩波新書)

どうして昔の岩波新書は面白すぎるのか。著者なのか編集者なのか。今よりも枠にとらわれていな…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経929松村圭一郎『くらしのアナキズム』(ミシマ社)

さまざまなことが〈揺らぐ〉本でした。 国家や国体という言葉を大事にする人には信じがたい本かもしれません。世が世なら体制側に焚書にされる本だと思いました。 国家は戦争捕虜や奴隷を獲得して余剰穀物を収奪しないと存続できなかった。/つまり、まとまった人民がいて国ができたわけではない。国が周辺の人々を強制的にかきあつめることで国家が生まれた。p.29.34 国や政治家に依存する中で、本来の政治や民主主義が失われているのでは。 政治家は、所詮、法律をつくって、予算をつけるくらい

サブカル大蔵経928「ちゃぶ台」(7)特集:ふれる、もれる、すくわれる(ミシマ社)

「ちゃぶ台」は榎本俊二の連載を楽しみにして、いつもAmazonから取り寄せていますが、先日立ち…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経927和辻哲郎『日本倫理思想史』⑶(岩波文庫)

かつて一向宗の狂信者であった本多佐渡守は、そういう宗教的要求を儒教によって充たすとともに…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経924箕輪顕量編『仏典とマインドフルネス』(臨川書店)

マインドフルネスが一般社会に紹介されてから、仏教者の間から起きてきた批判に、正面から答え…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経923石飛幸三『穏やかな死のために』(さくら舎)

米谷さんから頂いた本。前作の二番煎じかと思いきや、さらにブラッシュアップされていて、見出…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経922萩田光雄/馬飼野元宏『ヒット曲の料理人』(リットーミュージック)

私は今まで歌謡曲を聴いているつもりが、実は「荻田光雄」を聴いてきたのか。 編曲家・荻田光…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経921小牟田哲彦『宮脇俊三の紀行文学を読む』(中央公論新社)

宮脇俊三に人生を変えられた者にとって、垂涎の本、ついに出版という感慨深さ。 書誌学的に謎…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経919畔田俊彦『北海道ジャズ物語』(柘植書房新社)

北海道JAZZ文化史の労作。現在あるお店やイベントだけでなく、幻のお店が遺産のように掲載されているのも貴重な資料。 学生時代背伸びして通っていた旭川や札幌のお店も掲載されていて感慨深いです。 あらためてジャズ喫茶とは何だったのか。人、店、機材、客、レコード、コーヒー。新宿や京都だけでなく、最果ての根室が中心となる地政学にもグッときます。 北海道の多くの都市や地域でそれぞれ独自の文化があり、更に北海道に共通する習慣や文化があることも知りました。これは北海道のジャズにもあて