損益分岐点や成長・リスクシナリオを算出 世界60ヵ国で使われる賃貸費用比較サービス
▼クライアント
CBRE 様
https://www.cbre.com/
▼業種
不動産|不動産開発・流通|不動産仲介
▼サポート内容
賃貸費用比較サービス『CALC』のリサーチ・企画・設計・デザイン・開発
▼DXの分類・目的
派生事業(既存市場×新規資産)|新製品・サービスの開発
▼キーワード
アプリ開発|デザインスプリント|UIデザイン|内製化支援|不動産テック|データ活用
アメリカ・ロサンゼルスを本拠とする世界最大の事業用不動産サービス会社「CBRE」。賃貸オフィスや貸倉庫・店舗などの不動産賃貸・売買仲介サービスを中心に、幅広い事業をグローバル展開している。
モンスターラボは、同社が提供する賃貸費用比較サービス『CALC』のリサーチからプロダクト開発までの全工程を担当した。
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■課題
事業用不動産業界では、フレキシブルオフィス(※)の台頭に伴い、従来の賃貸モデルとコスト面での比較を希望する顧客が増加していた。
CBREではスプレッドシートを活用した試算を行なっていたが、「リアルタイムのアップデートができない」「アウトプットに不向き」といった欠点を抱えていた。
そのため、リアルタイムの市場データと連動し、さまざまなオプションを柔軟性高く選択できる、賃貸費用比較のためのWebアプリ開発が求められた。
※フレキシブルオフィス:「シェアオフィス」「コワーキングスペース」「レンタルオフィス」などの総称。数年単位で契約する一般的な賃貸オフィスと異なり、短期間での契約が可能。また、Wi-Fiやプリンタなどの必要な設備が一通りそろっているのも特徴。会社員からフリーランスまでの幅広い層が柔軟に利用することを想定している。
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■ソリューション
モンスターラボは、運用中のスプレッドシートの特性を把握するために、複数回のデザインスプリントを実施。試算のアルゴリズムを理解し、比較検討においてウエイトの大きな数字を割り出した。
それにより、従業員数や予測成長率などの情報を入力すれば、現在の規模や将来の成長に適したオフィスソリューションのレポートを作成できるように。従来のオフィス賃貸がフレキシブルオフィス賃貸より費用対効果が高くなる損益分岐点、さまざまなリース期間におけるベストケース・ワーストケースのシナリオ、変数カスタマイズによる成長シナリオ・リスクシナリオなども含み、借主である事業者の意思決定をサポートする内容となった。
このような大規模な計算をスピーディーかつ効率よく実行するため、アプリにはAWS Lambda(※)を活用。従来のサーバーインフラとは異なり、必要に応じてリソースを支払うため、コスト削減にも繋がった。
※AWS Lambda:AWSが提供するサーバレスコンピューティングサービスの1つ。利用者はインフラ管理を気にすることなく、コード開発に集中できる。また、コードを実行していない時間は料金が発生しないため、コスト削減を図ることができる
当初は社内ツールとして活用される予定だったが、高い評価を受けて社外にも販売されることに。
高い定着率を目指し、CBREの従業員・顧客へのインタビューおよび大規模なユーザーテストを実施。必要な機能要件を厳選するなかで、物件ごとのオプションがかえって複雑化を招き、的確な比較ができていないことを見出した。
このようなリサーチ結果をUIデザインに落とし込み、ユーザーの離脱を防ぐために質問項目を最小限にするなど、ユーザビリティを向上させる工夫を施した。
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■結果
『CALC』は高い操作性とビジュアル面が好評を得て、現在60ヵ国を超える国・地域で一般公開中。また、リードジェネレーションツールとして広告・マーケティングにも活用されている。
モンスターラボは、プロダクト開発を通じてデザインスプリントなどの知見を共有し、社内運用チームの立ち上げと内製化に貢献したことが評価されたことで、同社の他のプロジェクトにも携わった。
(情報公開日:2021年6月4日)
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