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夏に飲む「白湯」って本当に体にいいの?

残暑を乗り切る「白湯(さゆ)」の効果とは?

夏は暑さで汗をかき、水分やミネラルが失われやすくなる季節です。その結果、体調を崩しやすくなったり、肌荒れや冷え性などのトラブルも起こります。
そこで、残暑を乗り切るのにおすすめなのが「白湯(さゆ)」を飲むことです。
インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」でも健康法に用いられており、一般的に「白湯(さゆ)は体にいい」といわれますが、どんな効果をもたらすのでしょうか?

自販機で「白湯」販売~本当に売れるか不安だったメーカーもびっくり

昨年11月、アサヒ飲料がホット専用のペットボトルウォーター『おいしい水 天然水 白湯』を発売しました。
白湯(さゆ)が体に良いと言われるようになってきましたが、これまで自販機やコンビニの売り場で見かける機会はありませんでした。
同社内でも「天然水を温めただけの商品が本当に売れるのか?」などと疑問の声が上がっていましたが、想定を上回る出荷数に担当者も驚いたそうです。
1980年代後半に海外ブランドの「Volvic」や「Evian」が登場し、あえてお金を出して水を買う行為に、おしゃれでスタイリッシュなイメージが定着しました。
そしてアサヒが目を付けたのが「白湯(さゆ)」です。
かねてから消費者よりリクエストが多数寄せられていたそうですが、なかなか商品化には踏み切れなかったのです。

しかし健康意識や美容意識の高まりから、女性は「冷えや寒さ対策」として、男性は「朝からカフェインを取りすぎないように」、意識して白湯(さゆ)を飲んでいるといった需要があることが分かったのです。
そのためターゲットは女性に絞らず、全世代男女に向けたデザインにし、商品名はずばり「白湯」を採用したのです。

「白湯(さゆ)」と「お湯」の違い

そもそも、白湯(さゆ)とはどういったものをいうのでしょうか?
白湯(さゆ)の発祥は古代インドと言われており、現在でも健康的な飲み物として認識されています。
白湯(さゆ)は水を沸騰させたものですが、お湯は水を40℃以上に温めたものを指します。
つまり、40℃以上に温めた水の総称を「お湯」と呼び、そのなかでも一度沸騰させたもの「白湯(さゆ)」と呼ぶわけです。
お湯は必ずしも沸騰させる必要はないため、水道水などを使う場合は不純物が含まれたままです。
一方で白湯(さゆ)は水を一度沸騰させることで、残留塩素やトリハロメタンなどの有害物質が取り除かれていることが条件です。
日本の水道水は綺麗ですが、水道水をそのまま飲む不安があることもまた事実です。

白湯(さゆ)を飲んで得られる5つの効果

白湯(さゆ)を飲むことで得られる効果はどのようなものがあるのでしょうか?
 
1.消化を助ける
白湯(さゆ)を飲むことで、胃腸全体が温まり活性化することで消化力が高まります。
消化力が高まることで、食べたものがきちんとエネルギーに変換されるため健康的な体になっていきます。
逆に、消化力が弱まると胃腸に老廃物が溜まり、便秘や肌荒れの原因になってしまうので注意が必要です。
 
2.便秘の解消
白湯(さゆ)を飲むことで胃腸全体が温まり活性化します。
胃腸が活性化することで消化促進につながり、老廃物の排泄がスムーズになり便秘の解消につながります。
 
3.基礎代謝が上がる
基礎代謝とは、身体をまったく動かさなくても生命を維持するために消費されるエネルギーのことです。
この基礎代謝は内蔵の温度が1℃上がることで10~12%上がるとされています。
夏は暑さから、冷たいものをたくさん食べたり、冷房が効いた部屋に居がちですが、白湯(さゆ)を飲むことで内臓が温まるので基礎代謝が上がります。
血液のめぐりが良くなり、冷え性の改善や脂肪燃焼によるダイエット効果も期待できます。

4.デトックス効果
身体が温まるとリンパの流れや血流が良くなり、身体に溜まっている老廃物や余分な水分を排泄してくれます。
これにより血液がさらさらになったり、むくみの改善につながりデトックス効果が期待できます。
 
5.美肌効果
腸がキレイな人=肌がキレイな人、と聞いたことはないでしょうか。
消化不良など胃腸のトラブルが、肌の健康にも大きく影響してきます。
白湯(さゆ)は腸内の毒素を浄化・排出を促してくれるので、腸内環境が改善され美肌効果が期待できます。
血行が改善され肌全体に栄養素が取り込まれるため、キメの細かいキレイな肌に近づくかもしれませんね。

白湯(さゆ)を飲むだけでダイエットになるほどの高い効果は期待できませんが、ダイエットに適した身体の状態に整えることができます。
血液の循環が良くなり基礎代謝がUPすることで脂肪燃焼効率が高まり、内臓機能が温まることで内臓機能が活発になり、老廃物の排出を促進するなどです。
より効果を期待したい方であればミネラル成分が豊富な硬水・軟水のミネラルウォーターをおすすめします。

白湯(さゆ)を飲むのにベストなタイミングと量

白湯(さゆ)を飲むことで、さまざまな効果が得られることがわかりましたが、いつ、どのくらいの量を飲むのがベストなのでしょうか?
白湯(さゆ)を飲むタイミングは、「起床時」と「就寝前」の2回が理想的です。
 
起床時
起床時は50℃前後の白湯をコップ1杯(200ml)飲むのが一番効果的と言われています。
ポイントは、白湯(さゆ)は10~20分くらいかけてゆっくりと飲むこと。
寝起きに温かい白湯を飲むことで、体温があがり血行が良くなります。
また、眠っていた胃腸が刺激され活動モードになるので朝食の栄養をしっかりと消化・吸収することができます。
 
就寝前
就寝前にもコップ1杯の白湯(さゆ)が理想的です。
夜寝る前に白湯を飲むことで体が温まり、副交感神経が優勢になります。
副交感神経が優勢になることで、心身のリラックス効果が期待できます。
内臓が温まり血行が良くなるので冷え性改善になり寝つきが良くなります。
寝る30分以上前にじっくりと時間をかけてコップ1杯の白湯(さゆ)を飲むのがおすすめです。
寝る直前に白湯を飲むと、寝ている間にトイレに行きたくなってしまいます。
夜中に目が覚めないように寝る30分前までに飲んでおくことがおすすめです。

白湯(さゆ)の作り方

自宅でも簡単にできる白湯(さゆ)の作り方のポイントを紹介します。
煮沸または電子レンジで大丈夫です。
白湯(さゆ)は、水道水を使うか、ミネラルウォーターを使うかで、作り方が異なります。

水道水を使う場合
水道水を使う場合は一度沸騰させてから冷まします。
 
(1)やかんに水を入れ強火で沸騰させる
(2)沸騰したら火を弱め、10~15分間沸かす
(3)火を止め50~60℃に冷ます
 
重要なポイントは沸騰してから10~15分沸騰させ続けることです。
水道水には残留塩素やトリハロメタンなどの物質が含まれています。
トリハロメタンは水温が上昇すると増加する性質があり、沸騰直前に加熱前の1.0~3.6倍になるというデータがあります。
そのため10~15分以上は沸騰させて、トリハロメタンを揮散除去するようにしましょう。
電気ポットを使う場合は沸騰の操作を数回くり返すことでトリハロメタンを除去することができます。


 
浄水や純水などを使う場合
ミネラルウォーターを使う場合は残留塩素やトリハロメタンが含まれていないため、電子レンジやケトルで温めるだけでも大丈夫です。
電子レンジで作る場合は、150~200mlの水をマグカップに入れ、500Wで2分温めます。
電子レンジでは水道水の残留塩素やトリハロメタンの除去は難しいですが、残留塩素やトリハロメタンのことはあまり気にしない方は、水道水を使っても問題ありません。

夏こそ白湯(さゆ)を飲むべき理由

暑い季節は、ついつい冷たい飲みものに手が伸びてしまいますね。
仕方がないことですが、冷たい飲みものを飲んで身体が冷えるのは一瞬のこと。
そして、飲めば飲むほど止められなくなるし、甘い飲料水は体に最悪です。
本当に、身体から余分な熱を追い出したいときには、白湯(さゆ)を飲んでみましょう!


冷たい飲みものでかえって暑い!?
冷たい飲みものを飲むと、身体が冷えて気持ちいいですよね。でも、その気持ちよさは長続きしていますか?
冷たいものが胃に入ることで、内臓から身体が冷えます。そのため身体は、体温が急に下がったと勘違いし、体温を戻そうとして、かえって身体が熱くなってしまうことになります。
 
暑いときこそ白湯(さゆ)で深部体温を温めよう
暑く感じているときの水分補給には、白湯を飲んでみましょう。
体温より高い温度のものを胃に入れることで、身体の深部が暖まります。
そうすると、身体は体内にたまった熱を体外に排出しようとして、自然と身体から熱が放出され、暑さで火照った身体が落ち着きます。
 

白湯(さゆ)の最大効果は腸の免疫力アップ

ウイルスや細菌を攻撃する免疫細胞の7割は腸内の粘膜に存在し、体全体の免疫機能を支えています。
体温が低下するとこの免疫細胞も減少するため、免疫機能が低下しないように腸を温めなくてはなりません。
体の深部体温(体の内部の温度)は、37.2℃が理想とされています。
深部体温は脇で計る温度に0.8~0.9℃プラスした温度ですので、36.3〜364℃くらいが理想的な体温です。
白湯(さゆ)を飲み深部体温を上げることで、以下のようなメリットがあります。

・基礎代謝が上がり、太りにくい体になる
・免疫力が上がり、病気を遠ざける
・便秘が改善する
・新陳代謝が活発になり、若々しくなる
・頭が冴えて仕事の能率が上がる


体温(平熱)が高い人は、その高い体温を維持するために多くのカロリーを必要とします。
食事で摂取したタンパク質や脂質などの栄養素がスムーズに消化・吸収され、熱エネルギーに変換されます。
ということは、血流がアップして代謝を司る酵素が働き、新陳代謝が活発になるということでもあります。
さらに、血流アップは頭を冴えさせ、仕事の効率アップにも役立ちます。
しかも、体温が1℃上昇すると体内の免疫細胞や酵素が活性化し、免疫力が3割アップすると言われています。免疫力がアップすれば、身体にとって有害なウイルスや細菌などの病原体を退治しやすくなるでしょう。
 

白湯(さゆ)に加えるべき残暑の火照りを和らげる食材3つ

夏におすすめの、白湯(さゆ)にチョイ足し「暑さスッキリ食材」3つを紹介します。
 
1.ミント
東洋医学では、発汗によって体内に溜まった余分な熱や毒素を排出する働きのある食材とされています。
また、胃腸の働きを整える働きもありますから、夏バテ胃腸にも最適です。


 
2.レモンの皮
レモンの皮には、果肉の部分より多くのポリフェノールが含まれているため、皮を白湯に入れて抗酸化力を高めましょう。普段余りがちな皮を有効活用できます。
もちろん、スライスレモンを入れるのでも構いません。
レモンの香りは体内時計をリセットする働きもあり、一日のスタートをサポートします。


 
3.ショウガ
生のショウガは、東洋医学では生姜(しょうきょう)と呼ばれ、手足などの抹消部の血管を広げて体内に溜まった熱を体外に排出する働きがあります。身体に熱がこもってしまったときや微熱を感じるときにもおすすめです。
 
夏の終わりは体調を崩しやすい季節です。「白湯習慣」で体を内側から温めて、元気な体を作りましょう。

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