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普通じゃない私の、子どもを生みたくない理由。

どこかに書いてみたかったけど、『いや、これは書いてはいけないだろう』とずっと閉まってきたこと。

今日は意を決して書いてみようと思います。

私は、子どもが欲しくない。生みたくない。

はい、この時点でもうすでに嫌悪感を持つ人もいると思います。ご気分悪くされた方は、今すぐここで回れ右をしてください。誰かを怒らせたいわけではないんです。

私が子どもを持ちたくない理由は、単純に子どもが特別好きではないからというのもそうですが、本当の理由はそこではない。

こんな私でも、親戚や兄の子どもは『可愛い』と思える感覚を持っているし、子ども向けのワークショップの仕事なんかもすごくやり甲斐を感じています。きっと世間のいうように、自分の子が出来ればそれはそれで可愛がれるんだと思います。


じゃあなにが嫌なのかって、私が一人の人間の人生を作り出してしまうことが嫌なのです。


人生って、嫌なことがたくさんある。
まだ27年ちょっとしか生きていない私だけど、これまでの人生を振り返ると、正直楽しいことよりも辛いことの方が数十倍多かったです。
まだ若いからこれから良いことあるよ!って考えも否定出来ないけど、きっとまだまだ試練も多いはず。

人生100年時代と言われている現代、特に大きな病気も事故もなければ80〜90歳くらいまで生きることになるでしょう。
子どもを産むということは、そんな長い長い人生を作り出すということ。
果てしない人生の旅路の中、辛いことの方が多いかもしれないのに、そんなところに人間を生み落とすなんて私には絶対出来ない。無理。

厳しい世の中でも小さな幸せを見つけられる子に。
世間の荒波に負けない強くて優しい子に。
何かあっても親が味方になってあげればいい。

そんなふうに考えられればいいのかもしれないけど、私がそれを出来るとは到底思えないし、仮に出来たとしても子どもが幸せかどうかなんて、親は決められない。子ども自身が決めること。
どんなに一生懸命愛を注いでも、『生まれてきたくなかった』と泣かれた日には取り返しがつかない。

実際私も、わりと最近まで『早く人生終わんねえかな』って思っていました。
両親も兄も私のことを大切にしてくれたし、家族に対して大きな不満はない。でも、社会の中にいるとしんどいことが多すぎて、自分ではどうにもならないことばかりで、『こんなんがあと70年以上続くとかほんと無理、さっさと終わらせたい』って思っていました。
私にとって、生まれてきてよかったと思えるかどうかと、家族の愛はイコールではないのです。

それに加えて、私は感情の起伏が激しいところがあります。子どもの夜泣きが止まらない日が続いた時なんかにゃ、ヒステリックを起こして虐待してしまうかもしれない。
それを周りに話すと『それない!絶対ない!』と笑われるけど、どうして絶対なんて言い切れるんだろう。
それを鵜呑みにして子どもを生んだとして、失敗したときには、責任を取ってくれるんだろうか?
『生んでみたけどやっぱり向いてませんでした〜!』って投げ出すわけにはいかないのに。


もちろん、辛いことがある反面、嬉しいことや楽しいことがあるのも人生。


でも、命を生むことは、死を生むことでもあって、喜びを生むことは、悲しみを生むことでもある。


後ろ向き思考しか出来ない私は、負の感情の心配ばかりしてしまうから、そんな自分本位で身勝手な弱い私に、子どもを作る責任は負えないし、作りたくない。
真っ黒な気持ちも乗り越えていける、強くて優しい人たちが、たくさん子どもを生んでくれればいいと思うのです。

大人になったら結婚して、子どもを生むのが普通、生みたいと思うのが普通という空気が漂う世の中。

自分が異物なのだということは分かっていつつも、一度だけこのnoteに書いた内容と丸々同じことを、友人に話したことがあります。
その時も、『子どもを欲しがるのが当たり前』という空気感で話をされたから。

私の考えをバーッと話すと、ドン引きされました。白い目で見るとはまさにことのことか!っていうような表情で、『そんなこと言ったら、誰も親になれなくない?』って言われたんです。


いや、だから、私は親になりたくないんだってば。


それ以来私は、人にこの気持ちを話すことを極力避けています。
私の異質な考え方が『普通の感覚』を持っている人を傷付けたり、怒らせかねないから……。

ただ、救いになっているのは、長年一緒に暮らしている彼が、私の考えを理解してくれていること。でも、彼はなにも言わないけど、本当はいつか子どもが欲しいのかもしれない。

そしてもうひとつの救いは、両親が孫を見たいとアピールをしてこないこと。
最近兄に子どもが出来て、初孫にデレデレだから……っていうのもあるかもしれないけど、『みきちゃんは、子ども好きじゃないしね』と今のところ放っておいてくれています。本当の理由はそこじゃないけど、余計なことを言われるよりは数倍マシです。
でも本当は、娘の子どもだって見たいんだろうな。

私が普通の感覚を持っていたら、周りの人を嫌な気持ちにさせたり、気を遣わせる必要もなかったのに。
私以外の家族は、みんな子どもが好きな普通の大人なのに。

どうして私は、普通になれなかったんだろう?

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