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ナイトバードに連理を

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少女は夢を見る。異世界、魔術、人型兵器、信仰、闘争、そこに生きる人々の夢を。
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【目次】ナイトバードに連理を【完】

Day 1 【A】 【B】 Day 2 【A】 【B】 Day 3 【A】 【B-1】 【B-2】 【B-3】 Day 4…

mktbn
5年前
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ナイトバードに連理を Day 1 - A

(871字)  胎金界の夢を見た。その日も、いつものとおりに。  地べたに座り込む少年を見…

mktbn
5年前
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ナイトバードに連理を Day 1 - B

【前 Day 1 - A】 (911字) 「っす」「あーす」「ンー」  午前8時30分。犬吠早矢(いぬぼ…

mktbn
5年前
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ナイトバードに連理を Day 2 - A

(これまでのあらすじ) 犬吠早矢(いぬぼえ・はや):男子高校生。見知らぬ女子生徒から『胎…

mktbn
5年前
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ナイトバードに連理を Day 2 - B

【前 Day 2 - A】 (565字)  登校直後、早矢は他のクラスを覗いて回った。A組、B組、C組の…

mktbn
5年前
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ナイトバードに連理を Day 3 - A

(これまでのあらすじ) 犬吠早矢(いぬぼえ・はや):男子高校生。見知らぬ女子生徒から『胎…

mktbn
5年前
7

ナイトバードに連理を Day 3 - B - 1

【前 Day 3 - A】 (1037字)  その朝、早矢は件の少女を探さなかった。今朝の夢を経た今、会ったところで話すことがないという思いはさらに強くなっていた。  会わずに済むならそれでいい。もし見かけることがあっても声をかける必要はない。決意も固く早歩きでD組に向かった早矢は、しかしその扉の前で足を止めることになった。見間違うはずもない。そこで待っていたのは件の少女だった。  早矢は少女と目が合ったと思った。しかし少女は数秒が経過しても何も言わず、どうやら考え事

ナイトバードに連理を Day 3 - B - 2

【前 Day 3 - B - 1】 (2610字) 「人に話を聞かれない場所を知りませんか」  放課後、早…

mktbn
5年前
7

ナイトバードに連理を Day 3 - B - 3

【前 Day 3 - B - 2】 (2591字) 「……私の話を、信じられますか」  しばらく間を置いて…

mktbn
5年前
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なぜなにナイトバード Day 1~3

『ナイトバードに連理を』という自作小説を連日投稿しています。 お世話になっております。本…

mktbn
5年前
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ナイトバードに連理を Day 4 - A - 1

(これまでのあらすじ) 夢を介して並行世界・胎金界を観測する太縁眼鏡女子高生空鳥清心(そ…

mktbn
5年前
5

ナイトバードに連理を Day 4 - A - 2

【前 Day 4 - A - 1】 (1447字) 「本当に何も覚えていない、ってことでいいんだね?」  …

mktbn
5年前
5

ナイトバードに連理を Day 4 - A - 3

【前 Day 4 - A - 2】 (1679字)  腰を下ろし足を伸ばし、両手を尻の向こうに着き、まずま…

mktbn
5年前
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ナイトバードに連理を Day 4 - A - 4

【前 Day 4 - A - 3】 (1810字) 「水、貴重なんだな。こんな気候じゃ当然だ。何も考えてなかった」  頼の表情から自分が犯した失敗と非礼の大きさを理解し、早矢は顔を歪めた。頼は逆に、ぎこちなく口角を上げて首を振って見せた。 「違うんだ。茶賣はかなりの水を持ち込んでるし、モッカだって、もともと乾燥帯とはいえ草木も生えない荒野じゃなかった。水に困っていたわけじゃない。ただ、僕たちは門石と身近にありすぎたから」 「門石……」  その言いなれない単語は、清心