ナイトバードに連理を Day 3 - B - 1
【前 Day 3 - A】
(1037字)
その朝、早矢は件の少女を探さなかった。今朝の夢を経た今、会ったところで話すことがないという思いはさらに強くなっていた。
会わずに済むならそれでいい。もし見かけることがあっても声をかける必要はない。決意も固く早歩きでD組に向かった早矢は、しかしその扉の前で足を止めることになった。見間違うはずもない。そこで待っていたのは件の少女だった。
早矢は少女と目が合ったと思った。しかし少女は数秒が経過しても何も言わず、どうやら考え事