ビジネス論

有名ブランドが有名ブランドたる理由

基本的に、僕はモノを買うときに、どこのブランドの製品かをあまり気にしない。

それよりも、その場で気に入ったものを直感で選んで買うのが好きだ。

人と同じよりは、少し変わっているものがいいから、古着屋さんや小さい雑貨屋さんで素敵なものを探し出して買うのが好きだ。

そもそも、ブランド物をいくつも買えるほどお金はないのだけれど。


そんな僕が持っている、数少ないブランド品のひとつが時計。

去年の2月くらいに、就職するにあたって腕時計くらいは買おうと思って、最終的に決めたのがエンポリオ・アルマーニスマートウォッチだった。

京都の直営店で、直営店限定カラーのものを買った。

スマートウォッチといっても、機能は最小限で、見た目は普通の腕時計だ。

有名ブランドの時計にしては決して高いものではないのだけれど、でもそこはやっぱりアルマーニ、品があってかっこいい


そいつが、数週間前に故障した。

針がずれたら、専用のアプリでスマホから操作して調整する仕様なのだが、短針だけがやたら頻繁に遅れるようになった。


それで、仕事帰りに職場の近くの直営店に行ってきたのだが、そのときの対応が流石だなあと思った。

当たり前のことかもしれないけれど、落ち着いた佇まいで、とても丁寧に対応してくれる。

一旦、その日は時計を預けて、検査をしてもらうことになった。

後日電話が来て、原因が分かったが修理に1万4,000円ほどかかるとのこと。

しかし、保証書があれば、期間内なので無償で修理可能だというので、この前、お店に保証書を持っていった。


そんなわけで、2回お店に足を運んだわけだが、分かったのは、彼らはモノを売っていないということ。


1円も取れない一人の若造に対して、ものすごく紳士的な応対をしてくれるのだ。

ちゃんと名前を覚えていて、「オオツボ様、また修理が完了しましたら連絡致しますので」と言う。

たくさんいる客のうちの一人ではなく、オオツボ様として扱ってくれるのだ。


「よかったら、新作のジャケットとかもありますけどどうすか?」みたいな、商品を買わせようとする言動が一切無い

「Tシャツどれでも3枚で4.980円!!」みたいなセールの張り紙も、もちろん無い。

「イラッシャイマセェ~ッ ドウゾ~ゴランクダサイマセェ~ タダイマ タイヘン オカイモトメヤスクナッテオリマスゥ~」なんて叫ぶ女子大生のバイトも見当たらない。


ひとりひとりを特別な客のように扱う。

ただ良いものを作り、決して押し売りをせず、自らむやみに価値を下げて見せることもしない。


特別なことは何もしていないのだろうけれど、いわゆる普通の小売店なら当たり前のことが、そこには存在しないのだ。

なるほど、ブランディングというのはこういうことなのかと思った。


お店に行ったときに、少し店内を見て歩いたのだが、やはりかっこいい商品が多い。

全体的に僕の結構好きなテイストだ。

たまには、良質なブランドに触れてみるのも良いなと思った。


もう少し出世したら、アルマーニでスーツを1着買いたいと思う。


あー、そうか。 そういう戦略なのか。

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