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"居合わせた"からできる関係を欲してる話

「すいません、ここ空いてますか?」

「あ、大丈夫ですよ〜」

普段なら終わるこれで終わる他人との会話。でも、時としてそういう会話から"他人"同士の距離感を保ったまま、会話が進展したり、時として人生について語らってしまうくらいに発展することもある。

それって意外といろんなところに転がっていたんだな〜とコロナになって、はじめて気づく。そして今。

🛫 🛫 🛫 🛫 🛫

私はそれをかなり欲しています。


お互いのパーソナルな部分を必要以上に明かさずに、それでもお互いが傾聴し、対話して生まれる穏やかな連帯。もうそれが愛おしくて愛おしくて。

これをみているあなたも、きっとその感覚って味わったことあるんじゃないですか?(しらんけど)

旅先のおっちゃん、ゲストハウスの宿泊客、フェスで隣にいた人、受験番号間違えて座ってた彼。胸に手を当てて、考えてみると「あっ。そういえば」が見つかるかもしれません。

思い出してニヤニヤしちゃったりね。

え?ない?


それはまた、これから紡いでいけば良いとおもいます。実際ほら、僕とあなただって人生の長ーい軸で考えたら、通りすがりに過ぎないし。

とはいえ「それってどんなものなの?」とピンとこない人もいるかも。
そういう人のため&私が話したいので私の"居合わせた"からできる関係を少しだけ、綴って行こうかと思います。


1.故郷、北海道で

特段行きたい、やりたいはなく、一緒に来ていた友人、国立大に進学した友人の3人で鮨を食べたり家で鍋を食べたりしていた札幌旅。

そんな中で、札幌で有名な大きな公園「大通り公園」へ訪れた。
その時はちょうど北海道オータムフェスティバルがやっていて大賑わい。 お酒や北海道の海の幸、山の幸であふれていた。(あぁ行きたい)

基本屋根がついた吹き抜けの大きなテントに長テーブルと椅子が並べてあったり、立ち飲みの場所もあった。ここがポイント。

僕らは北海道では知らない人はいない、コンビニのセイコーマートブースでワインを飲んでいた。しばらくして、おばさま(好意を持ってこう記します)が向かい側に座ってこられた。

向かい合うわけだから会話も自然とスタ〜ト。「どこからきたの?」から始まって、おばさまが札幌の隣の市からこっちに来てることや僕が北海道出身だということで地元トークを繰り広げる。

(この時埼玉県民の友人はこの道民ATフィールド内に入れなかったごめん)

会話も深まったところでおばさまがおつまみを買ってくれた。
トマトとモッツァレラのやつ。なまら美味しかった…

しばらくして、別のおばさまが二人やってきた。二人ともだいぶ良い感じに仕上がっていて、ノリに合わせておしゃべりをしまくる。ここからの会話はあまり覚えていない。盛り上がりはどんどんボルテージをあげていった。「食べ物が足りないから買ってきて〜」と頼まれお金をボンと渡された。

「もうこういうところが道民なんだよね〜」なんて思いながら公園内を物色して目当てのつぶ貝を買った。「お釣りで自由に買って良いよ〜」とも言われたので申し訳程度にホッケ塩焼きを何本か買った。
(5千円渡されたけど流石にたくさんは使えなかった)

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おばさま方とはその後もお話ししてワインの飲み比べもいただいたりして楽しかった。。。

まだ終わりません。そこに別の方が合流し、「自分らが奢っていただいたんです〜」と事情を説明してまたしばらくわちゃわちゃしていた。

するとおもむろに立ち上がった後から来た方が、スパークリングワインのボトルを手に戻ってきて、「これあげる」とプレゼントしてくれた。

「いやいやいやいやさっきの事情説明はそう意味じゃないのに…笑」 と思いながらも目の前でシュワシュワするスパークリングワインを飲まないわけがない。ボトルをもらうってこういう気持ちなんだぁ〜と不思議な歓び感じていた。

私は普段お酒を飲まないし、大学の部活でもお酒はあまり飲まないようにしてた。自分が弱くて飲んでも寝るか、気持ち悪くなるかの2択だったから。

でもここでは不思議と悪酔することもなく、ワインを愉しみつつおばさま方との楽しい時間を共有できた。今元気かな。

台南のゲストハウス

タダ働きの代わりに泊めてもらうフリーアコモデーションしてた二週間ちょい。その間入れ替わり立ち替わりのお客さんとの対話から多くを学んだ。

学んだって言ってもお勉強じゃない。

東南アジアから弾き語りの投げ銭で生活してるおじさん、大学の教授、日本語勉強してる台湾人のリョウくん、TEDにも出た企業家さん、台湾縦断してる同い年の青年。

字面からしてキャラが濃いけど、正味4月に古都,台南へ来る時点でそういう人に絞られるんだと思う。

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そう言った人たちから話も聞くし、逆に「なんでこういうこといてるの?」とか「この先何したいの?」などなど質問攻めに遭うことも多々あった。

でもそれが自分を見つめ直すきっかけにもなったし、いかに自分が
「考えたことなかった」ことまみれかを周知した。

リビングで10人近くが集まって、半々くらいに別れて別の話で盛り上がる。自然に出来上がった緩いまとまりは時に大きくなったり、交差したりする。

「あーこういったところからアイデアとか面白い意見が生まれるのかもな」
なんて思いながら熱弁を聞き、熱弁聞いて。大体1,2時間は当たり前だった。

「宿泊」と一言で言ってもいい意味で出会い厨の場作りをしているところ、緩い連帯が自然発生的に生成される場所、溶けるようにチルできる場所と、本当に様々。ちなみに私は緩い連帯とチルのための宿泊がすき。

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表参道の屋台村

大学の友人とそれぞれのことを話しながら#表参道カフェ巡り。

出会ったきっかけは一年生の時のサークル(もうやめちゃったけどね)
彼は心理学部、僕は文学部と普段はあまり被らない。

それぞれイベントやら学部やらで忙しく、今回はテストが終わったタイミングで久々会った。

カフェでは時間が足りず、青山の屋台村で続きをやることにした。

学部二年の秋。そろそろ将来のことも考え始める時期だった。

写真でもわかるように、コミューンは海外のバルやマーケットのような場所。この雰囲気がたまらなく好きだし、フードロスやコンポスト、プラを減らす活動ってのも行っているから好きなんだけど。

まさに緩い雰囲気で、自然に隣のお姉さまお二人とお話が始まった。

「学生なんだ」「会社が終わってここにきたんですね、いや素敵ですね」
なんて最初こそ当たり障りのない会話から始まったけど、大学の話やこれからを考えているってことを話したら最終的には個々の人生論まで語ってた。

いやぁ、なんて美味しいサングリアですこと。

暑くも寒くもない気温と東京のネオン。

テスト疲れも忘れるくらいの気持ちよさで僕たちは渋谷を後にした。

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さいごに

コロナは日常を奪ったけれど、コロナのおかげで知ることのできた日常の幸せって間違いなくあって。感染者数は止まることを知らないけれど、自粛しつつもメンタルすり減らすことなく緩い連帯が作れたら良いな〜なんて勝手に思っています。

ここまで読んでくれた方は少なくとも私と緩い連帯を築けてるはず。

感謝です。

それではごきげんよう。

いただいたサポートはジェンダー、気候変動など社会課題に関する教材費に充てます。