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[OldCityBoy的「カルチャー」考察] "サザエさん"の原作って、結構毒が強い社会風刺漫画だったって、ご存知でした?

日本を代表するアニメといえば"サザエさん"です。

自身の子供たちも毎週日曜日は"サザエさん"を見て笑ってますが、あのアニメって原作があることを知っている若い人はもはやいないのでは…。

原作はもちろん漫画なのですが、その漫画がまとめて読める場所なんてもはや無いと思っていましたが、ありました、長谷川町子美術館です。

「何故"サザエさん美術館"ではないの?」と思っていたのですが、もともと漫画で得た収益で集めた美術品・工芸品を展示する美術館としてスタートしたようで、強い要望があり、漫画にフォーカスした分館を後で作ったそうです。

長谷川町子美術館の経緯

で、美術館にて久しぶりに原作を読んでみたのですが、結構毒が強い…。とても日曜日の夜にTVで放送できるモノではない…。

具体的に言うと、斜に構えて家族という社会を風刺しているんですよね~。

"家族という社会"と表現しましたが、磯野家って波平さんが強い権力を持っているので(そして実は結構お金持ち)、権力のあるところには社会が生まれるのは必須で、ただ、磯野家は家族構成的に面白い社会構造になっているのですが、原作では、それを利用した皮肉たっぷりのストーリーが実は多いのです。

その辺を暴いたのが下記の本で、当時かなりブームになったのですが、とても衝撃的な事実が暴かれているので、"サザエさん"のイメージを崩されたくない方は読まない方が良いです…

美術館で購入できるピンバッチ。
上の本を読むと、悪ワカメちゃんにしか見えなくなるので、読む際は要注意。

ちなみに、"サザエさん"よりさらに毒の強い漫画が、同じ長谷川町子さんが描かれた"いじわるばあさん"です。(これも美術館で読めます)

この漫画、実はフジテレビで40年ぐらい前に実写化されており、自身が小さいころは笑えて見れましたが、今はもう笑えないです…

というこで、長谷川町子さんの本質は"斜に構えた社会風刺”ということが分かる美術館でもあるのですが、美術館内の企画展示は毒はかなり抑えてあり、社会風刺に対する時代の流れが分かる美術館でもあります。

ちなみに、"サザエさん"の次に放送される"ちびまる子ちゃん"も、画風で巧妙に隠されてますが、原作はかなり皮肉的社会風刺な要素が強く(強いキャラの登場人物って、作者の悪意を感じません…?)、よくあんな漫画が"少女まんが雑誌「りぼん」"で掲載されていたな…、と大人になって気づきました。


というわけで、日曜18:00~19:00の日本を代表する2大TVアニメは、お茶の間に安心感を与えるアニメのように認識されますが、実は皮肉的社会風刺な漫画が2つ連続して放映されていて、原作を知ってしまうと、それが休日のご飯時に放送されているというちょっと怖い状況なんですよね…。

ちなみに、長谷川町子美術館は桜新町にあり、これからが花の見ごろなので、花見がてら怖いもの見たさに行ってみるのも良いと思いますよ~。


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#サザエさん #美術 #アート #カルチャー #長谷川町子美術館 #美術館

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