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youtubeの美容系広告が嫌い。消費者と企業ができる、具体的な対策・改善方法は?

youtubeの美容系広告って「○○しないと人権ないですよ」という作りになっているのが苦手なんです。例えば「無駄毛のせいで彼氏に”ゴリラ”と呼ばれました」とか。まぁ文句だけ言っても仕方ないので、嫌な所と改善方法を考えてみました。

youtubeの美容系広告の嫌な所

①○○しないと人権がない、という作り

youtubeの美容系広告で一番嫌なところが「○○しないと人権ないですよ
」という作りになっているところです。

例えば「無駄毛のせいで彼氏に”ゴリラ”と呼ばれました」とか「あんなデブと付き合うわけないじゃん!」とか。これって、脱毛しないと女として見られませんよ、太ってると女として(人として)見られませんよ、っていう強迫だと思うんですよね。

こうやって、自分の商品を売り出すために一回人の尊厳を落としまくる所が気に入りません。

youtubeって幼稚園児とか小学生も見るじゃないですか。小さい頃から「脱毛しないと彼氏ができない」「脱毛しないとノースリーブで外に出られない」「太ってるといじめられる」みたいな意識を刷り込まれた子供たちが、思春期になってから無駄毛やふくよかな人に対してどう思うのかなって。

脱毛のサービスを売りたいとか、サプリメントを売りたいとかって企業の勝手じゃないですか。企業の勝手のために「○○しないと人権がない」みたいな意識を国に蔓延させて、お金のない若い女の子達に無理やりお金をださせたりするんですよね。

ゴリラとかデブとかブスとか、人の尊厳を傷付けて強迫じみた方法でサービスを押し付けてこようとする企業って、それでいいんでしょうか?

社会をよりよくしようとか、人を美しく磨こうとかポジティブな意志が感じられず、ひたすら自分が儲けることだけ考えてるように見えて本当に気分が悪いなぁ、と思います。

「脱毛・ダイエット・ファッション…」流行についていかない人はおかしい、みたいな風潮をメディアぐるみで作る社会はおかしい

グッチとかヴィトンとかマイケルコースとか、ブランドバッグを持ってる女子大生って日本にいっぱいいますよね。でも、大学生の収入なんて、真面目にアルバイトしてたら、良くて15万円だと思うんです。

「どうやって5万とか30万とかのバッグを買ってるの?」って思いませんか? もちろん真面目に貯金してちょっとずつ好きなモノを買ってる人もいると思います。でも「バッグ買おう・コスメ買おう」って、風俗とかで体を売ってる女の子も多くいます。

スティーブ・ジョブズはずっと、黒のどこにでも売ってそうな黒のシャツにテロテロのジーンズを毎日着ているし、マーク・ザッカーバーグもグレーのTシャツとどうでもよさそうなジーンズばっかり履いています。大富豪でも、それで良いんです。

ブランド物のバッグやデパコスを買って大富豪よりも身の回りにお金をかけている女子大生の姿って本当にいびつで不気味だと思うんですよね。

服なんか、着れて、ある程度快適に過ごせれば何だっていいはずなんです。

「流行にのっている」ことが社会的秩序の一部になっているけど、流行なんてファッション業界や美容業界の人達が作り上げているだけのもの。メディアを使って一般人を操作し、消費行動を起こさせようとしているだけだと思っています。

もちろん企業の生存競争とかデザインが豊富にあることって社会にとって大切だし、その流行の中で本当に自分が気に入るアイテムがあったら買えば良いと思います。でも、毎回毎回全部の流行についていかなきゃおかしい、みたいな風潮をメディアぐるみで作るのは変じゃないですか?

あと、整形とか脱毛とか洋服代とかを稼ぐために一般の女性がキャバクラや風俗で気軽に体を売るようになっていることで「女性は誰でも性的な対象として見ていいもの」という風潮にならないでしょうか。

せっかく女性の社会進出が最近順調なのに、そういう風潮が長引くと、男性と女性両方の認知のゆがみのせいで辛い思いをする人が減らないのではないかと心配です。

②登場人物が全員性格悪い

youtubeの美容系広告を見ていると、登場人物全員の性格が悪いような気がします。
例えば……私が気になるのは以下のようなセリフです。

自分→「デブな私を振った彼氏に復讐するためにダイエットしたった」
友達→「うそ!まだ脱毛してないの?そんなの振られて当たり前だよ」
彼氏→「無駄毛!このゴリラ女!」「お前みたいなデブと付き合うわけない」

自分→「デブな私を振った彼氏に復讐するためにダイエットしたった」
復讐してやろう、なんてマインドで動いて成功したことありますか? 嫌な思いをさせられたから仕返ししよう、なんて、そんな生き方は幸せを自分から遠ざけているようなものだと思います。

復讐心とかマイナスなことで心がいっぱいになっていると、周りの人の善意とかが見えにくくなりませんか?

「類は友を呼ぶ」といいますね。良くないことを考えてる時って良くない友達が集まってきやすいものです。「復讐してやる」というマインドで動いて実際に元カレに復讐する、という一貫性は素晴らしいと思いますが、元カレの心を踏みにじるための努力を友人やらに誇ってるって、結構クズだなって思います。

友達→「うそ!まだ脱毛してないの?そんなの振られて当たり前だよ」
こんな友達、欲しいですか?

相手の性格や普段の努力を全部否定した挙句に脱毛やらダイエットやら、何万円も何十万円もかかるサービスを押し付けてくるとんでもない人間だと思います。

「友人とはこんなものだ」と、小学生や中学生・高校生に思って欲しくない。

これは完全に私の主観なんですけど、こんな友達が10人いるより「無駄毛生えてるからって振られたの? うわぁ、そんな人間だって早めに分かって良かったじゃん! 次いこうぜ! 合コンセッティングするわ!」くらいポジティブな友人が1人いた方が人生楽しいと思います。

いくら「友達は数よりも質が重要だよ」と言っても「質が高い友達」という概念自体が通じなくなってしまったら……

彼氏→「無駄毛!このゴリラ女!」「お前みたいなデブと付き合うわけない」
こんな人間に付き合っている時間がもったいない。振られて傷ついてる時間がもったいない。こんな男に気に入られるために自分の時間を使うのはもったいない。

こんな男に気に入られるために自分の尊厳を削ったらだめです。人の人格を否定して来るような性質って基本的には治りません。

もし脱毛やダイエットで彼氏の目を変えることができて、結婚したとしましょう。彼氏の、他人の尊厳を傷付けるような性質が治らなければパートナーは一生傷つき続けるばかりだと思います。

「○○の奥さんは料理上手なのにお前は」「どんだけ食うんだよ、デブじゃん」なんて言われ続ける未来、目に見えてませんか?

こういう広告を見て「彼氏の趣味に合わせて脱毛したりメイクとか体型とか性格とか変えないと振られるんだ」と認識してしまう女性が増えないと良いなぁ、と思います。

お互いが心地よく生活するための、お互いの妥協とかなら必要だと思います。パートナーだけでなく、同居人でも家族でもそれは同じです。

でも、片方が片方に気に入られるために相手におもねって自分を否定するのって、全然話が違いますよね。

③自己利益のための「悪気ある賢さ」

「人は、得られることよりも失うことを強く感じる」プロスペクト理論があります。消費者の購買意欲をかきたてることに役立つので、マーケティングなどによく応用されるようです。

例えば、増税前の駆け込み需要。駆け込み需要は「増税後に損したくない」という気持ちが原因で起きています。でも「今日から1週間、全商品1割引きします!」と言っても、駆け込み需要ほどには人が集まらないと思うんですよね。得よりも損することの方が強く感じる、というのはそういう意味です。

広告を出す人は、商品を消費者に強く印象付けたいと思っているんですよね。そのために消費者の心理につけこんで「買わないと損するよ」よ訴えているのは良くありません。

また「解説より共感の方が響く」という心理もあります。youtubeの美容広告で見られる漫画なんて、まさに「ストーリー作りで共感や焦りを産んでいる」形ですよね。

人間の心理を利用して、自分達の会社が利益を産むための悪意ある賢さをフル活用している所も、私が「youtubeの美容系広告、嫌だなぁ」と思う理由の1つです。

【企業ができること】感情論や主流秩序抜きで、商品のメリットを紹介

脱毛系広告

客観的なメリットの提示
一生で使うカミソリ(シェーバー)の値段は本体3,000円・替え刃が1,000円

本体を1年に1回、替え刃を3か月に1回変えるとして、20歳から80歳までに使う金額は420,000円

無駄毛の処理にかかる時間が1日15分だとすると、60年で5,430時間かかる。これは時給1,000円で計算すると、5,340,000円

シェーバー代と無駄毛処理に使う時間を合わせると、5,760,000万円にもなります。

「脱毛って何十万もかかるから高い・手が出ない」と言う印象を持つ方や「施術に時間がかかる」と思われる方も多いかもしれません。でも、このとおり自己処理のコストを考えると、脱毛をした方が長期的なメリットは大きいんです。

困っている人への共感
・背中や足、腕毛やわき毛のそり残しが気になる方

・「すぐ無駄毛が伸びてチクチクする」とお悩みの方

・肌が弱くて毎日シェーバーを当てることが辛い方

・生理の時に蒸れや匂いが気になる
 生理の時に匂いが発生する理由の一つは、アンダーヘアに付着した経血が空気に触れて酸化したり、汗などの水分と触れて雑菌が繁殖したりするからです。アンダーヘアを処理することで生理の時の匂いを軽減できます。アンダーヘアが少なくなれば毛に尿や汗がついて蒸れることも防げますよ。

……などなど。

ダイエット系広告

ダイエット広告の改善方法は、本当に思いつかないです。

主流秩序を取っ払えば、別にダイエットする意味もないし、アプリメントとかって効果もないですし、十分なエビデンスや成分量もないですし。

例えば、痩せ菌ほにゃほにゃって言うダイエット広告がありますよね。確かに「脂質代謝に有効な菌」「肥満・糖尿に効果的かもしれない」と言われている菌はあるらしいです。

でも、日和見菌とか善玉菌とかって個々の存在よりも全体のバランスが重要なんです。この「脂質代謝に有効な菌」だけを「わーい、痩せ菌だ~!」って摂取しすぎると逆に腸内のバランスが崩れて逆に悪い働きをする可能性があるらしいんですよね。

学術記事の都合の良い所ばかり切り取って「痩せ菌を摂取すれば痩せるよ!」みたいな書き方をしているのが気になるんですが、そういう広告の作り方をしている所は実際多いですよね。

「痩せ菌を入れればドカ食いしても無条件に痩せる」わけが無いし、まず成分表示の所に何が何グラム入ってるのか書いてないから、痩せるに足る成分量が含まれているのか、消費者が文献とか調べて判断することもできません。

そもそも、サプリメントが腸に強く働きかけて痩せさせるような効果があったら、販売できない……という問題もあります。体の内部に作用するのは第1~3類医薬品と処方箋だけです。

こう考えると、ダイエット系のサプリメントとか広告とかって本当に、ただ、いいように言われて企業に搾取されてるだけだと思いません? 

ライザップやジムで体を鍛えて整える人が最近増えてますね。あんなに過激にやるかはともかくとして、食事のバランスを整えたり筋肉付けたりして「自分が健康でいられる体の状態をキープしてる人が一番美しい」という言う価値観に変わると良いのに……と思います。

【消費者ができること】意識と行動を変える

遭遇を避ける
シークレットモードを使えば、CMや動画を見た履歴が残りません。年齢・性別・消費者行動に応じた広告が出なくなるので、美容系広告などを繰り返し見ることが原因で気持ちが滅入ったり、洗脳気味になったりするリスクを低くできます。課金して、広告を外しても良いですね。

誠実な企業を応援
「魔法みたいに痩せる・すぐに結果が出る」という商品にすがる気持ちを捨て「魔法みたいに痩せる薬なんかない。努力の先にしか解決はない。あなたの努力を手伝います」という企業を消費者が積極的に支援することも重要だと思います。

誠実で等身大な働きかけこそが効果的だと経済的観点から企業に伝えれば、世の中の考え方って変わるのではないでしょうか。

「このCMはおかしい」ということを周知する

「ブラック企業大賞」ならぬ「ブラック広告大賞」を立ち上げるのも面白いかな、と思います。

「世間はこれを変だと思っていますよ」ということを伝えれば、広告主は広告の内容について精査するだろうし、そういう広告を見て不安になる人を安心させてあげることもできるのではないでしょうか。

youtubeには広告をブロックする方法があるので、こういった方法を積極的に使っても良いと思います。視聴者が「適切でない」と報告することで、広告に関する道徳観念も成長すると思いますしね。

「多様性」をアップデートする
「多様性」という言葉を最近よく聞きますが、今はまだ「いろんな人がいるんだねぇ~」というところで止まってしまっているように思います。

多様な価値観が認められていても多様性と共存するための寛容さが育っていないので、性や体についての悩みがあっても、周りに相談しにくいのではないかな、と。

周りに相談しにくいから偏見が凝り固まった広告や雑誌を見て「毛深いと嫌われるのか」「ふくよかな人が好きなのは変なのか」などなど、イメージだけで劣等感を持ってしまう可能性は高いと思います。

多様性なんて言うと大仰な感じがしますけど「下の毛やわきの毛が残ってた方が好き・骨盤が広めの方がいい・太ももに肉がついてる方が好き・汗の匂いに興奮する」など、こんな小さなレベルでも人の美しさの定義・多様性ってたくさんあります。

「無駄毛がある方が良い」と言う人を「変態」と切り捨てる・「ふくよかな人の穂が好き」という人を「デブ専」と切り捨てる……こういう人、たくさんいますね。

こういった人の価値観を自分の基準で切って捨てないようみんなが少しずつ努力することが、多様性への寛容さを育て、消費者に余計な劣等感を感じさせないために重要なのではないでしょうか。

メディアリテラシー教育
ダイエット広告やペニス増大サプリの広告、脱毛サロンの広告を見た時の心理・行動ってこんな感じだと思うんです。

①広告見る→なんかそれっぽい科学的な根拠が書いてある
②口コミを調べる→体験談ブログや比較サイトがある。個人差はあるけど、効果は本物かも(と信じたい)
③購入→効果がないが、このサプリが合っていなかったのかも
④損したと認めたくない→別のサプリを試す

本当はステマ口コミやアフィリのブログなど、消費者を装いながらも商品の宣伝をしてくる人達に遭遇した時点で購入を踏みとどまるべきですよね。

でも、結局本当のことを言っているのかステマなのか判断できず、すがるような気持ちで商品を購入してしまう人は多いと思います。

メディアの使い方を知ることや文献から正しい情報を探す力を持つこと、口コミの力の大きさを知ることなど、子供にも大人にもネット社会で正しい行動をとるための教育が必要なのではないでしょうか

生産者と消費者、両方の意識・行動を変えることが重要

消費者は「楽したい!得したい!」という感情に負けないことが重要ですね。人間関係は無駄毛の濃さでは変わらないし、体型はサプリメント1つで簡単に変えられるものではないので。

そもそも主流秩序に合わせて「かわいく」なろうと努力したりお金を出したりする必要はない……とも思います。

行動するのは、自分が心から「どうしてもこうなりたい」と思った時だけで良いのではないでしょうか。

その時は学術記事を読んだり本を読んだりプロに話を聞きに行くなどして、自分がやりたいことのためにとれる最善策は何なのか、メディアに流されず、自分の力で正解を探すことが必要かなぁ、と。

企業側は、海外の研究の都合の良い所だけを都合よく利用したり、人の心理を利用して消費者に商品を買わせたりすることがないように、公平で倫理的なモノづくり、広告を出す努力が必要ですね。

どちらにも課題があるので「消費者が意識を変えれば良い」「企業が変われば良い」と片方に責任を押し付けて解決させるではなく、消費者も企業も両方が少しずつ意識・行動を変えることが重要なのではないでしょうか。

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「普通の人なんていない」と思っています。人間みんな変人なんだから、無理して普通の枠に収まろうとしたら生きづらいのは当たり前。みんなが生きやすい世の中を、人生かけて追求します。 アイデアは無限に出るんですが、お金が足りなくて(笑) 良かったらサポートいただけると嬉しいです🤗