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休日BLOG VOL11

この休日は食パンを2回焼くと決めていた。
8時〜と、16時〜の2回、セットする時刻も決めていた。1つは自分用に、もう1つはジャガイモを頂いたHさんへの返礼品用に。
パンの描写で思い出すのは『西の魔女が死んだ』で、野苺でジャムを作ったあとに、おばあちゃんが労うように、たっぷりとジャムを乗せて、主人公マイに手渡してくれるカリカリのトーストのイメージ。映画で観たそれは本当に美味しそうで、あの描写を思い出すと、食パンが食べたくなる。

モームの月と六ペンスが面白かったので、『ジゴロとジゴレット』を中古で購入した。彼に「すごい題名だね、ヒモの話?」と聞かれて、初めてジゴロという言葉の意味をググって知った(題名には特に気にせずに購入していた)。


お昼にパンが焼き上がるまで、過去のノートの言葉をピックアップする作業をする(断捨離)。

↑ 言葉についてまとめた記事はこちら

そのノートの後ろに挟まって出てきた、私の17年と18年の記録。これも捨てようと、1度はゴミ箱に入れたのだが捨てられなかった。

この時期は、映画館でアルバイトをしながら生きていた頃で、とにかく色々なところへ足を運んでいた日々だった。今思えば、ここではないどこかへ行くことで、私の中にある物足らなさを埋め合わせていたように思える。
この頃から言葉を書くことは好きで、1度だけ小説を書いたこともあったし、1人旅で様々な場所に行って自由を味わったり、喫茶店巡りも趣味だった。

食パンは外側がうまい具合にカリカリに焼け、中はできたての熱を帯びたしっとりとした出来で、最高においしくできた。もうスーパーで食パンを買うことは無いだろう。

まだ余力があったので常備菜として、貰い物の茄子と胡瓜でお漬物と、人参のグラッセを作った。


最近の夜長は、もっぱら読書とAmazon primeとネットサーフィンをベッドという逃避行の乗り物に横たわりながら行っている。1日か2日おきには陸地に上がって、健康に気を遣う風に、腹筋ローラーや柔軟をする。
読書は潜水に似ている。読めば読むほど、どこか深い、自分の内へ内へと潜っていき、苦しくなると顔を上げて、現実に戻ろうと意味もなくSNSを開く。


昨晩は、日頃お世話になっている社長(ジージ)を島にある唯一の焼肉屋さんにご招待して、ささやかながら誕生日のお祝いを彼と私でさせてもらった。

※お肉もそこそこに豆腐を焼き始めるジージ。

私たちはまだまだその領域ではないけれど、島の焼肉屋さんは常連さんや馴染みの人は、その人の要望やこだわりがあり、それが通る。
ジージの場合はアルミホイルで野菜と豆腐を焼くことで、お世話になったおじさん達は隣の商店からお菓子やつまみを買ってきて、じゃがりこやチーズを焼いていた。じゃがりこもチーズも鉄板で焼くと美味しかった。

71歳になった社長だが、朝から晩まで店内を動き回り、率先して掃除をする姿は70代には見えない。休日も仕事をするほどの仕事人間だが、ジョークを言ったり、私や彼のことも気にかけてくれて、ご飯に連れて行ってくれたりと本当にお世話になっている(この間は彼と後輩くんに、売り物のTシャツをあげていた)。
そんな心優しき社長は、71歳にして家を建てる。その馬力と、まだまだ生きることを楽しんでいる姿に、私たち20代は学ぶことが多い。社長が新居へ移ったら、息子夫婦が今の社長の家に越す予定で、そうなったら今、息子夫婦が住んでいる家を私たちに貸してくれるとまで言う太っ腹な社長である(一戸建て!)。
そんな夢物語が実現したら、島に長く住むプランも現実味を帯びてくるし、やりたい事が沢山ある。

なんだか、私の人生はタイミングよく転機があるような気がする。なんだかんだどうにかなる人生な気もする(ポジティブでいたい)。あと1、2年は心穏やかに、今を楽しむ時間だという認識を忘れずに、今の場所でも十分楽しいのだということも忘れずに過ごしていきたい。

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