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頼れるパートナー

私がクルに入社した当初(約6年前)は退職も重なり、4名のスタートだったが徐々に増えて、メンバーが20名弱になってきた。
決して大きい会社ではないが、年齢も経験もバラバラな人が集まると良いこともあれば悪いことだってある。改めて各メンバーのポテンシャルをどう組織全体のパワーに変えていくかは本当に難しいが、その分面白い。

パートナー制度

我々のようなデザインの業界は将来独立して自分のデザインをしたいと多くの人が考えるので、基本的に組織化が難しい。そして当然ながら優秀な人ほど早く独立する。(一級建築士事務所の8割は10名以下)

我々は個人だけではできない領域や規模のプロジェクトにも携わっていきたいので、属人的な設計事務所を超えた規模にしようとする中、経験のある優秀な人は採用したいが、なかなか簡単に採用できない。そこで最初は社内から反対や疑問の声もあったのだが、約2年前から正社員ではないが、下請けでもない関係で一緒にできないかと元々の知り合いに入ってもらった。そして試行錯誤しながらどんどん信頼できる人には積極的に声をかけ、今では約4割が外部のパートナーという組織になった。
私が代表を受け継いでから最もうまくいっているチャレンジの1つだと思っている。

イメージは外注以上社員未満

外注だと既に受注した案件の決められた図面など限定的な業務のみが多いが、弊社のパートナーは、社内の定例会議にも参加するし、社内の決算の数字や経営方針も伝える。社内のコミュニケーションツール(slackやnotion)にも入っているし、社員旅行も一緒に行く。また経験のある個人事業主の方々が多いので、弊社の若いメンバーと同じプロジェクトを推進しながら教育指導も担ってもらったりしている。

今は、元々の知り合いやOB、友達、社員の友達などに弊社のビジョンや体制に対して共感してもらって参加いただいていて、まだ厳密なルールもない中、信頼関係のみで成り立っていているが、年齢関係なくとても頼れる人ばかりだ。
ベンチャー企業だと業務委託から始めるというのは特に珍しくもないが、設計事務所でこういった距離感でパートナーがたくさんいるというのは珍しいかもしれない。

多種多様なメンバー

また、弊社はデザインだけでなく、場の企画から運営まで携わる設計事務所なので、パートナーの中には、個人で設計事務所をしている人だけでなく、グラフィックやWEBができたり、不動産ベンチャーやITベンチャーで働くメンバーもいて、まだ案件化する前にも提案書の段階でサポートしてもらったり、アイデアを一緒に考えたり、何とも定義しにくい業務をとても前向きに関わってもらっている。

こういうことをチャレンジしよう!とか、こんなことをやってみたい!とか私も思い付かないようなことが議論されることも当然あり、多様なメンバーが掛け合わさった時こんなにも楽しくて、そしてこんなにも価値を発揮できる可能性があるのだと目の当たりにして、私の役目は社内のメンバーやパートナーに心理的安全性を高め、思う存分暴れてもらえるようにどうしたらできるか。ということだなと最近特に感じている。

独立を応援したい

でも一方、これだけ個人で独立する業界なのに、小さな設計事務所では、メンバーは独立することを言いづらくて、経営者は気持ちはわかるがやめてほしくないと言う感覚を持ったままそんな話をすることなく働いているところも多いのではないかと思う。

経営する立場になって、やっぱり一緒に長く働くと積み上げてきたやりやすさもあるし、辞められると会社としても痛手であるととても感じる。また単純に寂しさもある。一方、私は、元々リクルートグループの会社にいたこともあり、入社当初から将来は独立するということを言っていたし、それを受け入れる社風があった。辞める時は卒業と呼び、盛大に送り出してもらえ、そんな風土が好きだった。

そう考えると、独立することを会社として推奨し、ちゃんと理解する。
そして、独立しても良い関係をどう作るかを考える方が、お互い絶対に良い。
だから定期的な社内1on1では、将来どんな風に働きたいのか。独立するなら何年後のイメージなのか。その将来に対して今足りていないことは何なのか。仮に独立するなら個人でやるのか、組織を作りたいのか。など話すのだが、1年以内に辞めますと言われたらどうしようと内心思いながら個人的に将来の話を聞けるのはとても興味深い。

まだパートナー制度を導入して間もないが、社員からパートナーになる人も出てきて、最初は半分以上クルの仕事を担いながら自分の活動を増やしていく人も出てきているし、今いるメンバーからも「将来はクルの仕事もしつつ、、」と自然とそんな会話も出てくることがあると、とても嬉しい。

相互補完の関係を作る

我々からするといろんなタイミングで社内のメンバーだけでは拾いきれないボールを各々の経験でサポートいただいているが、良い関係を築くためには、パートナーの方々に金銭だけではない価値をどうやったら提供できるのかは重要だと思っている。

例えば、建築設計は、性質的に大きなお金が動くし、プロジェクトも長期間になることが多いので、個人や小さい会社が大きなプロジェクトは与信の問題もありなかなか受けづらい。またプロジェクトの大きさだけでなく、不動産や運営が絡んでくると当然個人だけでは、受けられない。だから大きなプロジェクトや複雑なものをクルが受け皿になり、リスクを負いながらチームを組んで協業することも大きな価値だと思っている。

また、できる限り会社の経営状況を見える化している。
売上や利益、借入の金額やチャレンジしていること、失敗していること。など経営方針ができるだけわかりやすいように伝えている。
もちろん会社の状況を理解して欲しいというのが第一の目的だが、それが個人で頑張っている人や将来独立したいメンバーの糧になればという思いがある。

それ以外にも個人でやっていると相談相手がいなかったりするので、アイデアをブレストする機会を作るとか、うちの取引先や協業先をもっとパートナーに紹介するとか個人が活動する上でできないこと、やりにくいことの中でクルが組織だから提供できることはたくさんあると思う。

転職や副業が当たり前になる世の中で、それをポジティブに捉え、このような流動性は高いが、粘着性も高く、強いチームをどう作っていくかは、まだまだできているわけではないが、とても可能性があるチャレンジだ。

チームでつくる

弊社VALUEの1つ

弊社のVALUEの1つでもあるようにKURUの名前の由来は即興でジャムセッションをした時に生まれた最高の曲の名前。
セッションとは、そもそもお互いが得意な楽器を持ち寄って合わさることで曲になっていくもの。もっと盛り上げたかったら急にパーカッションが入ってもいいし、可愛らしさを出したかったらカスタネットが最後に入ってもいい。増えたり減ったりした方がもっと面白い曲になるかもしれない。

36年ほど前に付けた社名であるが、名に恥じぬようなチームを作りたい。

まだまだメンバー募集しています。


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