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これは必見…リーマンショックの裏側に迫るドキュメンタリー映画「インサイドジョブ」

リーマンショックが起きた経緯を図解など用いながら詳しく紹介するだけではなく、当事者たちのインタビューも見られるドキュメンタリー映画。

ドキュメンタリーなので「マネーショート」のようなストーリー仕立ての面白さには欠けるけど、リアリティは抜群だし(当事者本人が出てるから当たり前だけど)、割合わかりやすい。こういう経済危機は何度も繰り返されているので、知識を持っておく意味でも必見映画だと思ったので、いろいろとメモ。

概要

リーマンショックは、投資銀行・ローン会社・保険会社・格付け機関・政府などなどが起こした巨大詐欺事件みたいなものだというお話(果せるかな、インタビューのオファーを断った人も多くいたようだし、出演はしたもののめちゃくちゃしどろもどろの人もいて、笑えないがそこも面白い)。

リーマンショックの大まかな経緯を無理矢理1枚にまとめるとこんな感じかな。


住宅市場が上昇している間は、「住宅を担保に借り入れ」が成り立つので追加借り入れもできるけど、住宅市場が下がれば借り換えができなくなり焦げ付く。不履行が大量発生して、債権はゴミ屑化し、大量のゴミ債権を抱え、かつローンを買うために借金していた投資銀行は資金繰りができず破綻。AAAの格付けで安心していた世界中の投資家たちにも莫大な損害が出たのは勿論、一般市民も預金が引き出せなくなったり、職や家を失った。

ウォール街の暴走でウォール街の人だけが損害を受けるならお好きにどうぞという感じだけど、そういうわけにはいかないんだな。むしろ、救済措置は税金で賄われるし、糾弾されるのは低所得層で、結局ツケを払わされるのは経済的弱者ということなのだ。

ちなみに映画でも紹介されるが、CDOを売る裏で、CDSを買ってCDOの破綻に賭ける投資銀行もあった。完全に確信犯である。

超個人的感想

こうやって経緯がギュッとまとめられた作品をザーーーっと見ると、
「市場が伸び続けると信じる気持ちはわからなくもないけど、よくそこまでリスクがとれるなあ」と安易に思っちゃう。でもやはり渦中にいるとそうなるんだろうなあ。目論見書とかCDOの中身とか全部疑ってかかって徹底的に調べる緻密さがないと気づけないだろうし、あっても気づけなかったかもしれないし。

お金というものが生まれる前から人間は資源を争うし、権力を持った人は私腹を肥やすものだったんだから、お金という全世界を串刺しにして繋げるものができれば、それが加速・拡大するのは考えてみれば当然のことなんだよな。「文明」「便利」とはシステムを作ることで、システムとは一般的にブラックボックスの要素を備えていると思っている。

ブラックボックスに極力近づかない生き方をするか、多少のリスクをとりつつシステムに絡みながら生きるか、人それぞれだけど、私はできるだけ後者の生き方もできるように知識を蓄えながらも、システムとは最低限の繋がりだけでも生きていけるような自給自足的な野太さも磨いていきたい。


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