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企画参加月間とリレー小説のこと 2020年10月 #文字ラジ

みなさん、こんばんは。水野うたです。
朝夕冷え込むようになり、毛布が恋しい今日このごろ、いかがお過ごしですか?

もうね、夜空を見上げると、めちゃめちゃ月が綺麗なんですよ。なんかね、冴えざえとしてて。みなさん、見ました? 月!
今夜はブルームーンらしいですよ。ひと月に2回、満月があるときに、2回目の満月をブルームーンって言うんですって。

気付けば10月も今夜で終わりですね。
特に意図したわけではなかったのですが、今月のnoteを振り返ると、今月はチャレンジいっぱいの企画参加月間でした。
それってね、言いかえると「読むチカラ・書くチカラの強化月間」でもありました。
今夜は、そんなお話をしたいと思っています。あくまで私の場合ですし、何か役に立つ情報なんて何もないんですけど、もし良かったらお付き合いください。

 
 
noteには様々な企画やコンテストがありますが、みなさん、参加してみたことってありますか?
私は今までに、何となく参加してみた企画やコンテストはいくつかあったんですが、書いたものにハッシュタグ付けただけ・・・のようなものが多くて、自ら意図的に「参加するぞ!」と覚悟を決めて取り組んだのは、今月が初めてだったような気がします。

  

10月に参加した企画は、5つ。

池松潤さん主催 リライト金曜トワイライト ※ 小説のリライト 2作品
あきやまやすこさん主催 3行短文リライト ※ 散文詩形式のリライト
嶋津亮太さん主催 教養のエチュード ※ コンテスト応募(形式指定なし)
折星かおりさん主催 感想文の日 ※ 企画に並行して、自ら感想文を作成
しめじさん主催 不確かな約束 ※ リレー小説企画参加

なかには、ここで書き始めた頃からの仲間の企画を盛り上げようとして、率先して手を挙げた場面もあったんですが、そのどれもが、勇気を思いっきり振りしぼっての参加でした。

だってね、小説や詩や感想文など、ふだん書いているものと違う形式のものを書くっていうのは、なかなか大変なことですよね。
それにね、こういう個人企画に参加する場合の作品って、企画を盛り上げたいだけじゃなくて、どこか、主催者のかたへのラブレター的な側面もあって。主催者への感謝や祈り、「読んでいただけますか?」と差し出す気持ちも込めて書くので、自分で自分のハードルを高くしちゃうような部分もあったりして。

 

さっそく話が逸れちゃいましたけど、「読むチカラ・書くチカラの強化月間」についてでしたね。
これ、企画に参加する前提で書き始めるとき、どんな作品を書こうかっていうことをまず考えたんですよね。

ふだんのnoteを書く前は、そんなに深く考えてないんです。「あ、これ、書いてみよう!」っていう感じなんですよね。そうやって、Google Documentに書きかけが溜まっていくんですけども。

企画に参加する場合は、その内容をふまえて、書く内容、形式、文体、使用する画像等を選んで決めていきました。
当たり前のことですが、参加した企画によって、視点や準備はすべて異なります。

リライト金曜トワイライト では、「行間や文章の余白」を。
3行短文リライト では、「制約のなかでの表現と、視覚的な表現」を。
教養のエチュード では、「練習曲として、今の自分にできる最高の文章表現の追求」を。
感想文の日 では、「読み込み、咀嚼、手紙の形でのアウトプット」を。
不確かな約束 では、「登場人物が動き出すための土台作り」を。

それぞれの準備をして、書いては読み、読んでは書いて、ある程度書けたら声を出して読んでみて、とにかく書きまくりました。
なかには、完成間際まで書いて、捨てたケースもいくつかありました。
リライト金曜トワイライト の2作目『24時間の“永遠”』みたいに、捨てた物語が愛おしくって、後から拾って仕上げた作品もありますし、3行短文 のようにうっかりミスってしまい、後から冷や汗かきながら、お詫びの言葉を書き足したケースもありますけどね(笑)

そうやって必死にトライ&エラーを繰り返していると、ふっと「書けた!」って思える瞬間が訪れるんです。
ただ、それはほんの一瞬の達成感で、後から読み返すと、「あぁ、あそこが・・・・気になる」っていうことばかり。それでも、チャレンジする前の自分には絶対に書けなかった文章を仕上げることができた!という自信には繋がりました。
階段を登ってる実感が持てるというのは、企画参加の、ひとつの醍醐味かもしれませんね。

 

それに、企画に参加すると、他の参加者の作品をとにかく読むんですよね。
この企画を、他の方はどのように解釈したんだろう? どんな作品に仕上げたんだろう?って。
その解釈のポイントや、作品のねらいを探しながら読んでいると、今までの読み方とは違う景色が見えてきます。読みながら、自分に足りないものを、知識として吸収したりもできました。
読み手として、純粋に作品を読む楽しみと、同じ書き手として、その作品から学ぶ楽しみと、両方を味わえます。

企画参加の読み書きを通して、とても贅沢な文章の授業を受けているような気持ちになって、それはそれは、とても有意義な時間に感じました。
私はフルタイムで働く母なので、自分に使える時間はかなり限られているのですが、大人になると、なかなか仕事以外で勉強する機会ってないじゃないですか?
だから、大変で苦しかったけど楽しい1ヶ月でした。

 

ここからは、ちょっとね、宣伝も兼ねて。
明日20時に最終話が公開予定の、リレー小説 不確かな約束 の話をさせてもらおうと思います。

これ、どんな企画なのかをざっくり説明すると、まず、しめじさんの書かれた『不確かな約束』っていう小説の序章があるんですね。その序章で、主人公の高校生カップル、シュウとユキは、別々の地方への進学が決まって、別れを選択します。その時、ユキはシュウに「7年後の今日、この時間、この場所で」会おうと告げるんです。
その序章の前、ふたりが付き合い始めた頃から7年後の再会までを、しめじさん本人が、シュウ目線・ユキ目線を交互に章立てしました。そして、リレー形式で書き手を募集する・・・という形で始まった企画です。

しめじさんは序章と章立てのみ。章立てもざっくりの時系列と進学先の地方の指定のみで、プロットはありません。ですから、その後の登場人物やエピソードなども、タスキを受け継いだ書き手に委ねられています。
文体の指定などもなかったので、それぞれの書き手の文体で、彩り豊かに展開していく物語となりました。

それだけであれば、見たことのあるリレー小説企画みたいなんですが、実は、この企画には、もうひとつの流れがあるんです。
それは、リレー小説《みんなで創る編》と並行して、しめじさん本人も同様の章立てで、おひとりで小説を書き上げていくというもので、この《しめじ編》も現在進行中なんです。

つまり、主人公ふたりと、「別れ」と「7年後の再会」だけは決まっていて、その間の物語は、2つの世界があるということになります。
私は自分が担当した最終章を書き上げてから、今、初めて《しめじ編》を読んでいるのですが、まるでパラレルワールドのような感覚がします。
自分が書いているシュウとユキが、《しめじ編》では全然違う舞台で生きていて、違う人たちと出会っている。
それって、2次創作とはひと味ちがう、新鮮で不思議な感覚です。

リレー小説企画《みんなで創る編》では、参加した書き手やそれぞれのフォロワー、しめじさんからコメントが入り、わいわいがやがやと盛り上がりながらタスキを繋いでいるのですが、それを盛り立てながらも、もうひとつの世界をひとりで書いているしめじさんは、淋しく感じるときもあると、コメント欄で話してくれました。

そりゃあ、そう感じますよね。
みんなで創る編》は駅伝で、後ろの方のランナーは前のランナーの書いた世界によって、ある程度、自分の書く世界が形作られていくし、その伏線を回収しながら書いていくという、ある意味チームプレイ的な感覚があるんです。
それに対して《しめじ編》は同じ距離を走るのに、駅伝ではなくマラソンです。タスキを繋ぐ相手はいない。長距離ランナーの孤独って感じなのでしょうか。
しめじ編》は、これから終盤へ差しかかるところですが、これからは、大勢いる給水スタッフのひとりとして、コメントを入れながら伴走していきたいと思ってます。

みんなで創る編》に話を戻しましょう。
タスキを繋いできた7名に継ぐ8人目のアンカー走者として、ふたりの結末を描くのは、怖ろしくて身震いするような心地でした。

何ならもう、みなさんに展開のアンケートを取ろうかと思ったくらい。
そんなことをしたら、必死で物語を紡ぎながらタスキを繋いできたみなさんに申し訳が立ちませんので、やりませんでしたが(笑)
いやぁ・・・今回の経験を通して、物語を産み出すことの難しさをイヤというほど体感しました。
日頃から小説を書いている方々、心から敬服いたします。

9章で語られた物語のB面を描けばいいから・・・なんて、気軽な気持ちで手を挙げたことを、ハゲるほど悔やみました。←ハゲませんでしたが。
ふたりの関係をどうにでもできる神様として、悩んで悩んで出した結末、《みんなで創る編》最終話は明日、11月1日の夜20:00に公開です。

 

さて、そろそろ、お時間が来たようです。
エンディングはGroovy Grooveによるカバーで、『愛にできることはまだあるかい』をお届けします。
秋の夜長、晴れていればまだ間に合いますので、美しいブルームーンをお楽しみくださいね。
それでは、また明日お会いしましょう。

お相手は、水野うたでした。



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