第3回東海遊里史研究会!

4月26日(水)に開催された第3回東海遊里史研究会@TOKUZOにお邪魔しました。もう約1ヶ月経とうとしている!!! これは大変まずい(記憶力的に)ということで今更ながらの感想です。

話者はおなじみの、ことぶきさん、春馬車さん、自然誌古典文庫D室さんです。
以下はざっくり箇条書きで失礼します。

・ことぶきさんの発表は、旭廓から中村へのお引越し騒動を当時の新聞記事で追いかけたものと、旭廓金波楼について。個人的に木造高層建築が好きなので、金波楼の話は夢いっぱいでした。
・春馬車さんは御器所の私娼窟について。資料が全然ない(そりゃそうだ)私娼窟にまで調査を広げたの、この人は一体どこまで行くつもりなんだろうと思いながら興味深くお聞きしました。「町にあんまり当時の面影がない」とおっしゃってはいましたが、言われてみればなんとなく雰囲気が残ってる……気がします。いわゆる普通の住宅街ではないというか。気のせい?
・自然誌古典文庫D室さんは、戦後の公娼廃止あたりのお話を国際社交新聞や映画『女の防波堤』のエピソードを使ってご披露されていました。

少し前のnoteで、GHQにより公娼が廃止されたのは性病蔓延(予防)のためとお聞きし、心底びっくりしましたと書きました(自然誌古典文庫D室さんの発表で触れられた事項です)。
第1回目から続けて東海遊里史研究会でお話をお聞きし、
・遊郭は遊郭というパラダイスとして独立して存在しているわけではない、当時の世情として必要だから設置された社会構造の一部
・あるデータをもって、「遊女は虐げられた存在」とある女性の一生を断じてしまうのは正しい態度なのか
ということは疑いもなく腑に落ちています。
一方で、戦後いきなり持ち込まれた感のある価値観(「性産業で搾取されている女性を人道上守る」という価値観)については「アメリカだからそういうものかな」と、教科書に書いてあることを素直に信じてきました。違った。全然違ったわ、建て前だったわ。アメリカも日本と変わらない。

ここから、最近のトピックスに絡めて、なんだかなあと感じているのが2点です。

1)コロナ禍において性産業が持続化給付金等の対象から外されたり、AV新法による実質のAV潰しの法律が罷り通ってしまったり、社会構造としての性産業は事実として連綿と続いているのに、戦後の「人道上という建て前」が絶対善として染み付いて、社会の中で歪な存在として虐げられていること。
2)男性中心社会において、男性により(もしくは男性中心社会の影響を大いに受けた女性により)真に「女性のために、人道上」作られた法律は今までにひとつもないのではないかという疑い。

この辺を深掘りして、じゃあどうしていけばいいのか?と色々アイデアを考え強く発信していくのは、フェミニストである自分自身の課題だと思います。フェミニストだよ、女性の悪口も散々言うてるけど!!!

研究会では毎回、学ばさせていただくことばかりです。内容もさることながら、ことぶきさんの見事な司会っぷりとか!
話者お三方のますますのご活躍を、心より祈念しております。

あ、敢えて要望を書くなら、ご家族が観覧されていたことぶきさんと新婚の春馬車さん、次回は以前のようにもうちょっとギリギリ路線でもよかろうかと思います☆ 楽しみにしていますね☆☆☆

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