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ICT弁護士奮闘記

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ICT弁護士奮闘記 一年の終わりに

ICT弁護士奮闘記 一年の終わりに

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人中の呂布、馬中の赤兎というように、優れた武将には名馬が欠かせない。弁護士の場合、馬に相当するのはおそらくキーボードである。
今年も、何千頁という書面を作成し、メールや仕事のLINEを打ち込んできた。キーボード入力のストレスを最小化し、業務効率を上げてくれたのは、愛機、REAL FORCEである。

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ICT弁護士奮闘記4 そのコピー、高額につき

前回、書籍を電子化する話をしたが、そのことと対極にあるのが、刑事事件のコピーの話である。
刑事事件で、起訴されて公判になった後、検察官は弁護人に対して、請求予定の証拠についてあらかじめ開示をしなければならないものとされている。この開示の方法としては、検察庁まで見に行ってもいいのだが、やっぱり持ち帰ってじっくり検討したいので、コピーすることが一般的である。
しかし、このコピーを自分でやろうとすると、

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【移管記事】ICT弁護士奮闘記 プロローグ 法曹界のガラパゴス的アナログ環境

COVID-19の影響か、リモートワークやテレビ会議に注目が集まっている。私はそんなの以前から、ICTを活用した弁護士事務所を目指して日々試行錯誤を繰り返してきたのだが、ようやく周りが追いついてきた感じが・・・
しなかった。
法曹界というのはとことんアナログである。裁判所への書類の提出は、未だに対面、郵便、FAXである。書記官室には考古学の資料のごとくに紙媒体の事件記録が並んでいる。そして、どうで

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ICT弁護士奮闘記3 うちの事務所が狭くてよい理由

世間一般の弁護士事務所のイメージのひとつに、巨大な本棚と書類棚が林のようにそびえ立っているという姿が挙げられるのではないかと思う。確かに、新しい分野の書籍を買い込み、分厚い事件記録と対峙しなければならないのはその通りであり、このために弁護士事務所には相応のスペースが必要であると一般には考えられている。
しかし、MFUKLOには、そういう本棚はない。棚と言えば、メタルラックがいくつかある程度で、それ

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ICT弁護士奮闘記2 委員会をZOOMでやってみた

弁護士会には、委員会と呼ばれる仕組みがある。特定の法的なテーマについて、弁護士が集まって議論をしたり、イベントを企画したり、その他色々な活動をしている。筆者は子どもの権利委員会と精神保健委員会などに入っていて、前者は少年事件や児童虐待、学校でのいじめ問題などに取り組み、後者は精神科病院に入院中の患者さんの支援を行っている。
ところで、弁護士の就職難などがマスコミで騒がれた頃と前後して、全国的に若手

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ICT弁護士奮闘記1 打ち合わせをZOOMでやってみた

弁護士事務所で法律相談や打ち合わせというと、高そうなテーブルやイスが並んだ会議室に通されて弁護士が来るのを待ち、高そうなスーツを着込んだ弁護士が出てきて・・・というのが一般的なイメージではないかと思う。
しかし、よく考えてみると、法律相談にしても打ち合わせにしても、メインは手続の説明や必要な事実関係の聴き取りである。高級家具や高級スーツは本来、不要であるし、わざわざ来てもらう必要性が常にあるかとい

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