見出し画像

EC事業歴16年の初老がShopifyに惚れた顛末。

この記事は、Feedforce Group Advent Calendarの23日目の記事です。クリスマスまでの25日間、フィードフォースグループ所属の有志がすてきなコラムを毎日更新している企画です! 昨日は、アナグラム株式会社の岡田蘭子さんの「ペットロスを克服するために私がやったこと」でした。実は私も今年の夏に愛犬のチワワを亡くしたのでそれを思い出してしまう内容でした。

さて、今回、私が書く記事を通して、読了後には「Shopifyへ興味が湧いた」と思っていただけると嬉しいです! 今回はタイトル通り事業会社でEC事業ばかり16年やってきた私がShopifyに惚れた理由やその結果のアクションをお話したいと思います。

蛇足ですが、本記事の表紙のおじさんは、AI画像生成技術「mid journey」で「Shopifyに凄さに心底惚れたスキンヘッドの初老(私のことです)」を描いてもらったものです。Shopifyがピンクの髪の女の子(Shopifyちゃん?)として登場し、なぜかスキンヘッドじゃないしとても残念な結果になっていますが、その残念具合が微妙にOMOロー(オモロー)なのであえて使っておきます😂。

AI画像生成技術「mid journey」が描いてくれた私(左)と
右がわたしが惚れた「Shopify」だそうです。

1975年式・O型・ソビエト連邦育ち

改めましてこんにちは。今年の7月11日のセブンイレブンの日に株式会社フィードフォースに入社した水野正和と申します。1975年式・O型・ソビエト連邦育ち。大学在学中の19歳のときから別名義で音楽ライターを10年ほどやり、その後は自ら企画書を持ち込んでイオンネットスーパー創業に携わってから小売業界でのEC事業に夢中になって気づけば16年も従事してきました。

そして前職でD2C事業「クラシルミールキット」の事業開発担当として活動している際にShopifyと出会い「これは単なるECカートではない!」と衝撃を受けてすっかり魅了されてしまいました。どうしてもShopifyの仕事がしたいと思っていた時に、国内環境に適合したShopifyアプリを提供する企業アライアンス「App Unity」を展開されていることを知り、主催企業のひとつである株式会社フィードフォースの取締役である喜多宏介さんに頼み込んで、今年の7月にジョインさせてもらいました(喜多さんは12/25のアドベントカレンダーを担当しています)。

EC歴16年のわたしがShopifyに惚れた理由

Shopifyの魅力とは、Shopifyは単なる「ECカート」ではないということです。CEOでエンジニアのTobiが自身のスノーボードショップでの経験を元に創業タイミングした2006年のタイミングでは「EC」の機能しかありませんでしたが、下記図の右側のようにソーシャルコマースの機能や、B2B(卸売)向けのシステム、Walmart marketplaceなどのマーケットプレイスとの連携機能、ブリック&モルタル(実店舗販売)やポップアップストアでのPOS(Point of Sales)機能まで実装しています。

ShopifyのIRサイトの資料より

さらに裏側にはアプリでの機能拡張、マーケティング機能、分析機能、OMS(オーダーマネジメントシステム)、Shopifyを利用している企業を集めることで配送料金が安くなるShopify Shipping、各国のペイメントサービス、さらにはアドテックとしてインフルエンサーを自身で探し条件と成果をマネジメントできる「Shopify Collabs」、SCM(サプライチェーン・マネジメント)を運用の複雑性を軽減する「6 RIVER SYSTEMS」「Shopify fulfIllment network」や「Deliverr」、さらには次回以降に当ストアでのお買い物で情報入力の手間を省けるだけでなく 「Shop Pay」決済を導入している世界中の他ストア様でも入力の手間を省ける仕組みや、マーチャントがShopifyを通じて収益を上げた際に銀行などの金融機関を通さずに手数料無料でより速く支払いを受け取れる「Shopify Balance」などがあります。

ShopifyのIRサイトの資料より

これまでのECの構造を知っているヒトほど腰を抜かすユニファイドコマース構造とは

まだまだ私がShopifyにハマった魅力があります。これは長年小売事業会社でECやOMO(Online Merges with Offline)などを担当されていらっしゃる方なら、ひと目見て腰を抜かすのではないかと思うのですが、Shopifyはユニファイドコマースとして成り立っています。ユニファイドコマース(Unified Commerce)とは、顧客一人ひとりに価値ある購入体験を提供するコマースのことで、オンライン・オフラインと境界線を感じさせずECサイトや実店舗で取得したデータ(顧客情報・行動履歴など)を統合することで、個別に最適なアプローチができる構造を指します。

下図を御覧ください。これまでのECは顧客接点がそれぞれ存在し、ECと店舗の顧客会員基盤・ポイント基盤などが分断されていたことは当然ながら、在庫も各チャネルがそれぞれで管理する必要がありました。

これまでの顧客体験

これに対してShopifyが実現しているのは、ユニファイドコマースの構造です。Shopifyでは在庫・商品データ・注文一元管理・顧客カルテ生成・ポイント一元管理・売上集計など小売にまつわる重要な情報をすべて統合することができます。それらのデータベースを司るShopifyの上に販売チャネルを動かすことが出来るため、自社ECだけでなく、店舗のPOS、楽天などのマーケットプレイス、SNSや越境ECまで統合してコントロールできるようになります。さらにECで購入したものを店頭で返品するという構造も作ることができるようになるため、顧客体験はますます向上します。このユニファイドコマースの構造こそ、ShopifyがOMOに最適なプラットフォームであるという証左であると考えます。

Shopifyのユニファイドコマース構造

おそらくここまでお話すると「ShopifyにDBを依存すると個々のチャネルのデザインの自由度が無くなるのではないか」という声が聞こえてきそうですが、そこもご安心ください。ShopifyはAPI(Application Programming Interface)が複数準備されており、ヘッドレスコマースで各チャネルのデザインなどは自由自在です。

ヘッドレスコマースとは

これまでのECはバックエンドとフロントエンドが一体型で不可分でした。

これまでの通常のECの構造

ヘッドレスコマースとは、ヘッド(フロントエンド)のエクスペリエンスをバックエンドの技術インフラから切り離すEコマースの技術および考え方のことです。ECサイトのフロントエンドとバックエンドを切り分けることで、フロントエンド開発の柔軟化・効率化を実現できる仕組みです。これまで一体になっていて不可分だったバックエンドとフロントエンドを分離することができ、APIを通じてバックエンドとフロントエンドがリレーする構造にすることができます。

ヘッドレスコマースとは

Shopifyはヘッドレスコマースで販売チャネルを柔軟に増やすことができる思想をもっています。ヘッドレス化して、サイトのバックエンドとユーザーが目にしているフロントエンドを分離すると、モバイル、デスクトップ、ウォッチ、アプリ、POSなど、それぞれのタッチポイントで要求されるユーザーエクスペリエンスを即座に満たすことを可能にしています。また、ヘッドレスなら、WordpressのコンテンツAPIとShopifyのeコマースAPIを使って、1つのウェブサイトを機能させることができます。この方法だと、それぞれの業務に適したツールが選べるため、チームの柔軟性が大きく向上します。そしてフロントエンドにおいては、一貫したブランドとして表現できるようになります。ただし、この構造はどの業態にもマッチするわけではありません。まずはご自身のビジネスの顧客にとってどのような構造がいいのか冷静に考え、選択すべきだと思います。ただし、こうした手法があることを知っているだけで、選択肢の幅がぐっと広がると思います。

もはやShopifyはヘッドレスコマースのモンスター

Shopifyはいわばコマースエンジン界のiPhone。Appで提供価値を拡張できる。

さらにここにApp Unityが用意しているShopify向けアプリが加わえるとさらに機能が拡張できます。例えば月額定額制のサブスクリプションモデルを構築するのであれば「定期購買」、LINEでShopifyにSSOでログインできるようにしたり、LINEでCRMが回せるようになる「CRM PLUS on LINE」、スマレジとShopifyとつないでOMOを実現するなら「Omni Hub」、Shopify Flowなどでのシナリオ設計と相性が抜群にいいポイントアプリ「どこポイ」、さらにデイリーレポートなどをSlackやChatwork、GoogleSpreadsheetなどにノーコードで自動的にアウトプット連携が出来る「TēPs」などがあります。ここで注意をしなくてはいけないのは、アプリはあまり入れすぎると挙動が遅くなったりもします。日本のマーチャントは10以上入れているところもあるようですが、APACにおいてShopifyアプリの平均インストール数は「6」と言われいます。

App Unityのアプリ群(一部)

Shopifyの魅力とShopifyを使えばOMOも手軽にできることを伝えるために初老の私がYouTuberになってみた

上記のShopifyやアプリの魅力を伝えるためにどうすべきか色々考え、この約5ヶ月で色々とやってみました。

  1. マーチャントさまによるアプリの導入事例などの情報発信を積極的に行うようにしました。

    1. App Unity Blogを開始

    2. YouTubeチャンネルを開始

    3. セミナーを積極的に展開

    4. Twitterアカウントを開始

  2. App Unityサイトの在り方を180度変えました。

    1. これまではShopifyの制作パートナーさまを募ることを意識した在り方だったのですが、課題を解決したいと思っているマーチャント向けサイトに180度メッセージを変えました。なお、抜本的なリニューアルも考えたが、まずは短期的に出来ることを最優先し、OMO関連や越境関連の課題に対してソリューションを提示できるソリューションサーチ構造にしました。今後はサブスクリプションアプリ「定期購買」やスタッフコーデの「STAFF START」、物流関連のアプリや延長保証のアプリなどにも焦点があたる構造にしていきたいと思っています。

    2. 結果としては、App Unityに加盟しているShopifyパートナーから「ソリューションサーチにある『店舗とECでポイントを一元化したい』というご相談をクライアントさまからいただいているのだが」と具体的な質問を頂くことが増えました。

  3. 「App Unityに相談だ!」というフレーズを開発し、マーチャントさまやShopifyの開発パートナーさまがお気軽にご相談できる土壌を醸成。

Blog記事「OMOってお高いんでしょ?」が生まれた背景

Blog第一弾は、Omni HubCRM PLUS on LINEといったアプリディベロッパーさん、事例発表にご協力くださったBAKE様、そして当時は一緒にマーケティングをやっていたフィードフォースの由美子さんに多大なるご協力をいただきながら発表することが出来ました。タイトルは「OMOってお高いんでしょ?」という内容でした。この記事が生まれた背景として私がイオン株式会社でオンラインの戦略策定に携わっていた際に、「とにかくデジタルシフトを進めるのは初期投資がかかりすぎる!」と感じた原体験がもとになっています。2010年頃だとなにを進めるのにも数億円から数十億円のお見積もりをいただき、ため息をついていた記憶がありますが、今はShopifyやアプリの基本設計に沿って進めていけば、設計条件にもよりますが月額数万円から数十万円ほどの月額費用さえ支払えばLINEのIDでのシングルサインオン、CRM構造、会員基盤、ポイント基盤、在庫の一元管理、Shopify flowを活用したMAツールのような条件分岐などの仕組みが出来ます。当然、制作会社さんに構築や運用をお任せするならば、別途費用はかかりますが、それでも数億円になんて決して行きません。この手軽さをお伝えしたかったのです。

そして活動範囲をYouTubeに広げていきます。 色々と案を出し合って1回目の挑戦はShopifyの初代エバンジェリストでもある株式会社フラクタの河野貴伸さんと一緒にウェビナーを行いました。内容は「秘伝! ShopifyPlus導入チェックシートを公開」という内容になっており、Shopifyのプランの中でも2022年段階では最上位プランであるShopify Plusを選択すべきかどうかの判断ができる素晴らしい内容になっています。なお、今考えるとまだTwitterもYouTubeも開始したばかりなのに、Twitterで質問を公募するというスタイルは無茶がありました。Twitter上で ADも回してみてなんとか質問を数件頂戴することが出来て、なんとか成り立ったという記憶があります。そして人生初のYouTubeとウェビナーということで猛烈に緊張した記憶があります。

YouTubeチャンネルに関しては、12/8に株式会社フィードフォースの東口さんがYouTubeチャンネルの立ち上げ秘話を綴ってくれているので、ひょっとしたらご覧いただいている方もいらっしゃるかもしれませんが、みっちーこと東口さんは私はお互い足りない部分を補完し合い、お互いの強みを引き出し合えるとてもいい凸凹コンビでApp UnityのYouTubeチャンネルを本格始動しました(ちなみに二まわり年齢差があります)。また、これは明かすとみんなに驚かれるのですが、撮影は私のiPhone13 miniで撮影してチャチャっと数時間で編集して公開しています。掛かっているコストはほぼゼロに近いです。

YouTubeをやってみたら発信の場が広がった

YouTubeをはじめてまだ数ヶ月ですが、取材がしやすくなりセミナーに登壇の機会を頂戴することも多くなってきました。一般社団法人ウェブ解析協会さまのセミナーではアプリディベロッパーの皆さんとピッチも開催の機会を頂戴しました。

また、越境ECで多くの事例をもつ「世界へボカン」の徳田さんにお声がけをいただいて、初のコラボレーションを展開したり、Shopify POS(ピーオーエス)の導入で数多くの事例をお持ちのアパレルウェブ東さんの取材をさせていただくことも出来ました。

若手の活躍の場を広げるのも私の仕事。

また、私にとって若手の育成は何よりも大事で、若手が活躍できる場所を作っていくことに心血を注いでいます。特に若い子たちの「これすごい!」と感じる感覚をとても大事にしたいと思っています。八百くん「ShopifyQl Notebooks」の記事を書いてくれたり、東口さんがSNSでクリエイター(インフルエンサー)を見つけてShopify上で専用URLを発行、報酬の管理ができる「Shopify Collabs」の記事などをどんどん書いてくれていますし、来年入社予定のインターン3人が役立つ記事を準備してくれていますのでぜひご期待ください。
さらには来年2023年にはマイナビD2C様との共同セミナーの開催も決まり、こちらはみっちーに登壇をしてもらうことになりました。ぜひご覧いただければ幸いです。

ひとりだけ「App Unityに相談だ!」のポーズをキメるみっちー。
今後の活躍に大いに期待しています!

長文になってしまいましたが、期待のエースである八百くんに明日のアドベントカレンダーのバトンを渡したいと思います。今週の頭までスイスに行っていた八百くんですが、「うどん」の話しも出てくるとか、出てこないとか!? 来年もYouTubeやBlog、Twitterなどでお会いましょう!

2023年も皆さんにとってOMOローな年でありますように!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?