都会のトイレは、個室が空かなすぎてとにかく困るのだ。 #トイレ
「あああ腹立つ!!
都会の男は全員便秘なんかクソッタレが!!!」
っていう文章がなぜか、スマホのメモ帳にひとつだけ残っていた。相当俺がその時ご立腹であったことがうかがえる一文であると思う。
都会にはトイレが少ない。
駅とかに行くと、大概トイレは改札を入った奥にしかなかったり、外にあってもちっさくて個室の少ないトイレやら、汚い和式のトイレぐらいしかなかったりして、その度に私はイライラする。もはやモヤモヤを通り越してイライラする。
百貨店のトイレなんかは特にそう。デパートは大概女性優遇で、女性用トイレのほうがなんとなく広い気がする。パウダールームとかもあるから豪華だ。ただまあそれは仕方あるまい。男性にメイクは(基本)必要ないし、お色直しも必要ないし、幼児用の設備は絶対いるし、それは私も許せる。逆にこれを許せなかったら常識がないと思われてしまう。
問題は野郎のトイレだ。
妙に狭い。小さい。個室が少ない。小便器ばっかり置いてあって、スペース節約したらもうひとつくらい個室できるだろうっていうぐらいのトイレもあったりする。店にばっかりスペースを割いてほしくないんだぁ。もっとトイレを広くしてほしい。そうすれば、こんなに個室で揉めることはないのに。
前にもこんなことがあった。
女の子とのデート中である。食事を済ませてデパートの中をうろうろしていた。
すると、私のお腹が黄色信号を鳴らす。陣痛が始まる。私は腸内環境がとみに優れていて、食事をしたらその後10分以内にもよおすのである。なので、トイレが射程圏内になければ路頭に迷うことになるのだ。
とーこーろーがーだ。
個室がたったの2つなのだ。少ねぇ。
しかもその少ない個室が全部埋まっておる。
女の子を連れている以上、他のトイレへ行こうと言うのもうしろめたく、ひとまず個室をふたつともノックしておいて、入り口の前で待つことにした。陣痛は続く。気を少し紛らわしながら、待つ。
出ない。
待つ。
出ない。
待つ。
まだ出ない。
まだ待つ。
後ろに人が並ぶ。
まだまだ出ない。
まだまだ待つ。
まだまだ出ない。
陣痛がピークを迎える。
腹がよじれる。尻に気合を入れる。
しかし、全く出る気配がない。
体感で30分は待った。
が、中の男は一向に出てこない。
「あああ腹立つ!!
都会の男は全員便秘なんかクソッタレが!!!」
私は心の中で絶叫した。
腹いせに個室の中を10回ぐらいノックして
そのまま出てきてしまった。
結局、「他のトイレに入ろう」と恥をしのんで女の子にお願いし、他の階のトイレに駆け込んで事なきを得たのであった。
頼むから、トイレの中でスマホいじったり、あるいは着替えたり、用を足す以外のことはほんとにやめてくれ。便秘なら許すし、痔でも許す。出して、すっきりして、そしてなるべく早く、個室を開けてくれ。
せめて、これを読んでいる
読者様にだけは、強くお願いしたい。
はあ、なんとも小さな願い。
おしまい。