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会社をクビになった私が、ライターで単価5万の仕事をもらえた話

11年前、わたしは会社をクビになった。

あまりにも突然だった。編集者になるための学校に通い、授業で制作したフリーペーパーを武器に面接を受けた出版社で、クビを告げられたのだ。

忘れもしない、入社7か月目の冬。

「今日、会社を辞めてもらいます」

編集長にそう告げられた2時間後、わたしは荷物をまとめて出て行った。

外の風は冷たく、ぐわんぐわんと脳内が揺れていた。朦朧(もうろう)とした意識の中、わたしはたった一人しかいない上司に電話をかけた。

上司は、解雇になった事務所にはいない。制作チームは3つに分かれていて、彼はここから1時間ほど離れた事務所で働いていたからだ。

「さっき解雇を言い渡されました。どうすればいいでしょうか」

「………とりあえず、こっちにおいで」

複雑な心中で、わたしは上司のいる事務所に逃げ隠れた。その日から製作物に自分の名前を一切出さず、雲隠れしながらがむしゃらに3年働いた。

そして、心身が尽きた30歳を過ぎた頃、出版社を退職した。

その3年後、わたしは個人事業主として独立しました。2017年のことです。現在はフリーランス5年目に突入し、取材やインタビュー、撮影などをして素材を集め、文章を書いたり編集をしたりするお仕事をしています。

このnoteでは、会社組織になじめずダメダメなわたしが、フリーランスのライターで単価5万の仕事を獲得できた理由をお伝えさせていただきます。

・SEO記事やコタツ記事の単価が安い
・文章を書くことを心から楽しめない 


そんな方に向けて書きます。誰かのお役に立てますように。

「編プロ」みたいな出版社だった

出版社では、解雇前の時期も含めて4年ほど働きました。フリーマガジンとタウン誌の制作がおもな仕事です。

あなたは、「編集プロダクション」という言葉を聞いたことがありますか?

編集プロダクション(略:編プロ)
=出版物の企画・編集・制作を代行する会社

編プロは、出版社が手に負えなくなった業務を一手に引き受ける会社です。わたしの場合、地方の零細出版社だったので、紙媒体を1から10まで若い社員たちと夜なべして制作する、まさに編プロのような会社でした。

だから、企画力・ライティング力・取材力・インタビュー力・編集力・撮影力・校正力、すべての能力を求められました。いや、無理ですよ。人間ですから完璧にできるわけないし、得意・不得意の選択の余地すら与えてもらえない環境でした。

そもそも、編集者の仕事すらよくわかっていない人間でしたから(学校行ったのに)。

それでもやる、不器用でもやる。

やるしかなかったんです。
カメラの設定方法がよく分からなくても、撮り続ける。文章を書くのが得意じゃなくても、書き続ける。そんな試行錯誤の4年間を過ごしました。

失ったものと、得られたもの

失ったものは、体と心の健康です。入社3年目を過ぎたある日、腎臓が正常に機能しなくなり入院。毎日コンビニのパスタを食べていたら、栄養失調にもなりました。

老化もしました。顔が一気に老けたときは、涙が出ました。

心も病みました。実力も才能もないのに、人手不足という理由でレベルの高い仕事ばかり要求されて、最後は逃げるように退職しました。

じゃぁ得られたものは何?というと、中途半端な企画力・ライティング力・取材力・インタビュー力・編集力・撮影力・校正力です。

人間の能力には限界があるので、バランスよくこなせる程度の実力しか身に付いていません。それでも、なんとかフリーランスで5年間生き延びています。

スキルの足し算で単価は上がる

ここまで出版社時代の闇を晒してきましたが、わたしがライターとして生き延びている理由は、中途半端でも複数のスキルを持っているからだと思っています。

どんな人も、最初はゼロからのスタート。
自分がどんなレベルにいようとも、積み上げるしか技術を上げる方法はありません。

おかげで、今は単価が高い案件のお話も継続的にいただけています。独立当初はクラウドワークスから始めて、在宅ライターとして単価の安いコタツ記事を書いていた時期もありました。

でも、途中で気づいたんです。コタツ記事やSEO記事より、取材やインタビュー案件の方が記事単価が高いことを。

写真が撮れれば、単価はさらに上がる

写真撮影もできれば、単価はさらに上がります。企業もプロのカメラマンに頼むより、ライターに頼んだ方が手数と制作費を抑えられるからです。

「写真なんて撮れません!」という人がいますが、カメラの性能を舐めてはいけません。発売から10年経った一眼レフカメラでも十分性能はいいし、中古なら10万円以下で手に入ります。

加工技術に自信がない人は、(JPG撮って出しの写真を目指して開発しているらしい)FUJIFILMのカメラがおすすめです。

スマートフォンで撮影した写真で問題ないよというクライアントもいますが、性能の高いカメラを1台持っていると相手の印象は変わります。

何かを極めてその世界の一流になるか、複数のスキルを掛け合わせて生き残るか。

わたしはいま、後者の戦略を選んでいます。複数のスキルを磨くには、時間は何倍もかかるかもしれない。それでも一個ずつ丁寧に取り組んでいけば、その人の血となり肉となります。

また、自身の経験やスキルを磨くことで、電子書籍やYoutubeなど自動的に得られる収入を指す「権利収入」を得られる可能性も高まります。

どんなライターになりたいか

結局、ここに尽きると思います。わたしはライターという肩書きにずっと違和感がありました。なぜなら、「文章を書きたいだけの人」じゃないからです。

取材やインタビューや写真を通して集めてきた素材を編んで(編集して)、より良い制作物を生み出したい。そんな思いでやっています。

文章を書くのが好きなら、エッセイや小説を書き続ければいいし、好奇心があって人と話すのが好きなら取材やインタビューのスキルを身に付ければいい。 

SEO記事の執筆がメインで、月に2〜3回だけ取材やインタビューをするという働き方もありだと思います。

取材ライターって楽しいよ

いろいろ書きましたが、わたしが一番伝えたいことは「取材ライターは楽しいよ!」ってこと。

取材やインタビューを噛ませて文章を書く仕事は、奥深くて面白いです。情報が溢れるこの時代に、どんな一次情報を集めて、差別化を図るか。そこに、あなたしか生み出せないコンテンツや個性が生まれると思っています。

そうなると、「〇〇さんにお願いしたい」と名指しされる→単価が上がる→もっとスキルを磨こうと頑張れる→自信がつく→楽しく豊かになる!

そんな循環が生まれる働き方を目指していきたいです。

Twitterでは仕事のこと中心につぶやいています。ライターさんの悩みも募集中です。DMかリプください。ライターさんが単価を上げて豊かに楽しく働ける未来を夢みています。

2023年2月24日(金)にインタビューを受けるので、取材ライターに興味がある方はぜひ遊びにいらしてください。ご質問も承ります。取材ライター歴10年の渡辺まりこさんのTwitterスペース(無料)にて開催します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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