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眞野いるか
2019年4月1日 05:50
イスタンブールについたのは、朝の5時だった。飛行機から一歩降りると、ああなんて全てが新しいんだろう。初めての国に来たとき特有の感覚だ。空気も匂いも踏みしめる地面も、わたしを取り巻く全てが新しく異質で、魅力される。わたしはまだここを知らない! 赤ん坊が初めて世界を見つめるまなざしで、一瞬だけわたしも世界を吸収できる。 搭乗口から絨毯を踏みしめて歩き出す。薄暗いイスタンブール空港に、原色の看板