「ヒト」批判ではなく、「コト」対策の問いかけを
先日、下記のようにつぶやいたのですが、いろいろな場面で同様のことが言えるなぁと思い、少し深掘りしようと思います。
皆さんの現場で何かトラブル(事象)が発生した時、あなたはどのように起こったトラブル(事象)に対して反応しているでしょうか?
「ヒト」批判の場合
「どうして”あなた”はこんなコトをしたんだ」では、起こったトラブル(事象)を起こした本人に対して問い詰められ(悪者にされ)、個人の行動や考え方などの"個人"に起因する要素に対して改善しようとしてしまいます。
このような場合、「報告しなかった私が悪かった」「勝手に判断した自分のせいで…」といったように批判の的にされてしまいます。
そうなると、職員は萎縮し、「"あなた"が悪い」と言われないように、自己防衛するために必要以上の報連相をしたり、余計な"コト"をしたら批判されかねないので当たり障りのない範囲で業務を行うなど、職員のパフォーマンスの低下のみならず、組織全体のパフォーマンスも低下することが想像に難しくないと思います。
これでは「心理的安全性の高い組織」どころの話ではなくなってしまいますし、楽しく仕事をしているとは程遠い状況です。
「コト」対策の場合
では、"ヒト"ではなく、起こったトラブル(事象)である"コト"に着目するとどうでしょうか。
「どうしてこんな"コト"が起こったんだろうか?」では、起こったトラブル(事象)を起こした”ヒト”ではなく、起こった"コト"自体に着目し、起こった原因把握や再発防止を検討する必要性が生じます。
「なぜ報連相がうまく機能しなかったのだろうか(→情報が分散していて確認が煩雑になっている、中堅層による報連相が十分機能していないなど)」「職員が判断を迫られる場面が生まれるのはなぜか(→指示を仰ぐリーダー層のフォローが十分機能していない、業務マニュアルへの反映が十分ではないなど)」のように、組織が抱える経営課題の抽出につながる問いかけとなります。
組織の報連相を機能させるために「情報を一元管理できるように、グループウェアを活用して、密に情報共有できる環境を構築する」「経営層と同じ視点を持った中堅層を育成する」、職員が判断を迫られても「理念や施設方針などの基準に沿って判断するケースメソッドを繰り返し行う」「業務マニュアルに判断基準や注意事項を掲載しておく」など、「心理的安全性の高い組織」であれば、どのような取り組みが課題解決に向けて必要かという建設的なディスカションにより再発防止策や新たなツールの作成などに発展するでしょう。
心理的安全性を高めるためにも「コト」に着目する
組織で仕事をする以上、「あいつが悪い」とか「こいつは嫌いだ」といった感情で仕事をしていませんか?
「ヒト」批判が多い組織では、何かトラブル(事象)が起こった際は犯人探しになってしまい、結果、誰かが嫌な思いをして、責められた職員が去っていく(職員が定着しない要因)という悪循環に陥りがちだと考えられます。
いくつか「コト」対策に着眼した問いかけを紹介したいと思いますので、現場職員とのやりとりの際に参考に使ってみてください。
知らず知らずの間に、あなたも「ヒト」批判になっていないか、確認してみましょう!
以上