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【水鳥の歌と生活】2023年8月13日日曜〜8月19日土曜


 八月十三日日曜

 朝、radikoで「オードリーのオールナイトニッポン」を聴く。
 音楽情報サイト「Amass」にてPublic Image Limitedの新作『End Of World』が配信で聴けるようになったことを知り、早速Apple Musicで聴く。誤解を恐れずに言うならば前作同様ご機嫌な音楽で、老いも含めて人生を肯定するような意志を感じる。
 仕事のBGMはEje Eje『Five Seasons』にする。Apple Musicのワールドカテゴリの新着ミュージックから見つけたアルバム。トルコの人らしい。確かに中東っぽいメロディだ。そこにブレイクビーツっぽいリズムが合わさってかっこいい。
 仕事の前にバナナマンライブ『O』のグッズが再販されるということで購入する。前回の販売で購入できなかったキャップを手に入れることができて良かった。
 仕事の合間に先日見たバナナマンライブ『O』の感想を書く。
 夜は家で親と食事をする。焼肉を食べ、ダルグナーピルスナー330ml缶二本と宝缶チューハイレモン味を一本飲む。

 八月十四日月曜

 朝、Podcastで「トムブラウンのニッポン放送圧縮計画」「髭男爵山田ルイ53世のルネッサンスラジオ」を聴く。
 仕事のBGMはHollie Cook『Happy Dub』にする。前作『Happy』に全編ダブミックスを施したアルバムで、夏の気だるさにとてもよく合う。
 バナナマンライブ『O』の感想を書き上げ、noteに投稿する。

 夜は家で晩酌をする。フェイジョアーダを食べて、ダルグナーピルスナー330ml缶を二本飲む。

 八月十五日火曜

 シャワーを浴びて支度をして家を出る。朝食はマクドナルドでマックグリドルソーセージエッグ、ハッシュドポテト、牛乳のセットを食べる。旅の朝はマクドナルドに行くのが習慣になっている。
 上越の民宿に向けて出発する。途中のファミリーマートで水とアイスコーヒーを購入。朝マックでお腹いっぱいになったからか、それとも大人になったのか、お菓子を買おうと思わなかった。
 野尻湖に寄って休憩する。少し歩き、トイレを済ませる。台風から逃れようというのか、関東から来ている車が多いように見える。

  やや風が強まり白鳥ボートなど遊泳できない盆の湖。
  小型犬ばかり元気な、台風の湖を見にやってきた家族。
  灰色の空と波立つ湖面とを眺めてソフトクリームを食う。

 ソフトクリームは食べていない。食べている人の心境に思いを馳せた歌だ。
 民宿に着く前にスーパーでパックの寿司と鮪刺身、ビール、水を買う。隣の回転寿司は待ち時間が凄そうだ。
 民宿に着くがまだチェックインの時間には早いので、アウトドアチェアとクーラーボックスを持って海岸へ。海を見ながら寿司を食べ、エチゴビールのこしひかり越後ビールとフライングIPAをそれぞれ350ml缶一本ずつのむ。風が強いのでズボンに醤油が少し溢れてしまった。しかも、寿司を食べ終えた時点で鮪刺身には醤油が付いていないことに気づく。今は仕方ないとしてどこかで醤油が手に入らないだろうか。

  台風と言われて来れば雨は無く人もまばらで心地良い浜。
  熱風を受けてビールを飲んでいる。誰も私を知らない浜で。
  少しずつ皮膚が変質していくのを意識しながら海浜で飲む。

 チェックインの時間になったので民宿へ。通された部屋は前回の海側ではなく山側で、畳敷の床の一部が凹んでいる。連泊でこれかと寂しい気分になるが、何せ暑いので早速冷房をつけてシャツを脱ぎ、座布団を枕にして横になる。
 一度外に出て、宿近くの商店で醤油を買い、部屋に戻り鮪刺身を食べ、バドワイザー355ml缶一本を飲む。
 飲食ばかりしていては夕食時までに腹が減らないので海へ泳ぎに行く。ラッシュガードのお陰か今年はクラゲに刺されることも無く気持ち良く泳ぐ。
 宿に戻り浴場でシャワーを浴びる。風呂は熱過ぎて入れず。更衣室のマッサージチェアに座る。

  空腹を作り出そうと海で泳ぐ
  陽が落ちる前に片付け去っていく海の家など眺めて泳ぐ。
  落日を見届けたいがその頃は食堂に居て蟹を剥いてる。
  波と波がぶつかり合って砕け散る場所にわざわざ立って揉まれる。
  海で泳ぎお湯を浴びれば冷房が効いた和室で眠りそうになる。

 食堂に移動して夕食。家族連れで満席の中一人で食べているのは私のみ。茸と茗荷の酢の物、がんもどきと野菜の煮物、鰤?刺身、茹で蟹、白身魚と海老のフライ、焼きカレイ、烏賊の塩辛、野沢菜漬け、白米、アラの味噌汁を食べて、サッポロ黒ラベルの大瓶を二本飲む。
 食後は部屋で少し休んで夜の海へ。波打ち際にアウトドアチェアを置いて波の音を聞く。ようやく台風も近づいてきたのか、雨こそ降らないものの段々と風か強くなってきた。風に混じって砂が顔や頭に吹き付けてくる。

  民宿で蟹をほじくるその時も、波は飽きずに寄せては返す。
  僕たちが子供の頃はこの辺を夜に歩くと拐われたとか。
  少しだけ涼しくなった夜の風に混じって砂が髪に紛れる。
  誰も居ない海は夜だと波だけが暴力的な音を奏でる。

 部屋に戻り布団を敷く。寝てみると薄い布団で、エアコンの音も大きくどうにも寝付くことができない。仕方ないので一度起き上がり、エアコンを消して敷布団の上に座布団を敷く。それでも寝心地がいいとは決して言えないが、意地のように目を閉じて眠りを待つ。

 八月十六日水曜

 少しは眠ることができただろうか。体が痛い。
 七時になったので食堂へ。朝食はハムと千切りキャベツと目玉焼き、ベビーホタテとチンゲンサイの炒め物、焼き幻魚、漬物、海苔、白米、味噌汁。ここの味噌汁は赤出汁だ。誰かスタッフに東海地方出身者が居るのだろうか。白米を二杯食べる。
 食べているとスタッフに、今夜は信州大学生の団体が来て朝まで飲み明かすと言ってる。うるさいといけないので部屋を別館に変えてもらっても良いかと聞かれる。良いも何も、初めから去年泊まったその別館の部屋が良かったのだ。もちろん部屋を変えてもらうことにする。

  浜宿の朝隣室で泣く子供

 食後は部屋で少し休み、檀一雄全集を読む。「孤独者」「少年」読了。いずれも檀が寛城子のロシア人集落に住んでいた頃の話。檀からすれば思うように小説が書けず文学よりも放浪に心惹かれていた時代で、その頃の心境を知ることができる。
 風呂に入り、宿を出る。The Prodigyをかけながら車で海沿いを走る。
 昼前に道の駅「うみてらす名立」に着いたので中の食堂でアワビラーメンを食べる。貝の出汁ととろみの効いたスープが美味しい。鮑もよく煮込まれてあるのか柔らかい。
 食後は土産物のコーナーで親への土産や、宿の部屋でビールを飲むためのつまみを買う。焼き鯵や鰯せんべい、かまぼこなど。
 宿に戻ると別館の部屋に荷物が移動されている。クーラーボックスの保冷剤はとっくに溶けてしまっているので、備え付けの冷蔵庫にビールをしまう。しかしこの冷蔵庫はあまり冷えないようだ。出力を調整することはできないのだろうか。

  海沿いを車で走る。流れ去る景色はきっと上手く撮れない。
  撮影をしにやってきたわけじゃなし、手掛かりになる歌を残そう。
  崖下には海が広がり、ここでは死が身近なのだと改めて見る。
  二千年どころではなく、執拗に波は巌を洗い続ける。

 冷房の効いた涼しい部屋で檀一雄全集を読む。「芙蓉」読了。檀の最初の妻律子と結婚した当時の話を創作化したものかと思ったが、読んでいくうちに母への憧憬を書くためのものらしい事がわかる。作中でのその母は継母なのだが、檀の母は一度家を出奔しているので、やはり母への想いを書いたのだろうと思う。しかし私にはそのような母への執着は無いので、檀のこのような母への執着には何か信じられないような、訝しさがある。文学的事件として母の出奔を取り扱うことを決めたことで母への憧憬を殊更作品に書き付けることになっていったのではないだろうか。本を読みながら買ってきたかまぼこを食べ、バドワイザー355ml缶を飲む。
 宿を出て海へ行く。台風の予報のせいか人が全く居ない。泳いでみたが昨日より波が高く、泳いでいるうちに沖の方へ流され、足がつくだろうと思った場所で足がつかなかったことで怖くなる。
 そんなことをしているうちに他の海水浴客も来始めたので、宿に戻って風呂に入る。上がってマッサージチェアに座っていると眠気が出てきたのでこのままでは寝てしまうと思い、起き出して水着とラッシュガードの洗濯をする。
 部屋に戻ってまた檀一雄全集を読む。「夕べの雲」読了。読んでいるうちに、国立国会図書館デジタルコレクションで読んだことがある小説であることを思い出す。学生時代の友人苅田と蕩尽の果てに、苅田の妻の親戚が居るという旅順に向かうという話だ。その親戚のヨリ子という女性の脆く崩れそうな危うさと、檀と苅田の向こう水で豪快な危うさの対比がおもしろい。読みながら焼き鯵を食べ、バドワイザー355ml缶を飲む。
 夕食の時間になり食堂に向かうと、すでに大学生が集まり始めている。メニューは胡瓜と茗荷の酢の物、煮物、鰤?刺身、白身魚と烏賊のフライ、野沢菜漬け、焼き鰯、焼き帆立。サッポロ黒ラベルの大瓶二本を飲む。大学生たちは流石に喧しいが、後ろの席の子供が大声を上げ歩き回るのが気になる。小さい子供だからというレベルでは無い気がする。父親と一緒だが、彼も強く嗜めるわけでは無いので、見かねた宿のスタッフが子供に注意していた。その親子は部屋も私の隣だが、寝静まったと思ったら急に子供が癇癪を起こしたように泣き出した。やはり何か事情があるのかもしれない。
 食後はアウトドアチェアとビールを持って浜辺に出る。夜の海を眺めながらビールを飲むのはいい。波の音をツイキャスで配信してみるが、誰も聞きに来なかった。

  蛮声を避けて汀で聴く音は何故いつまでも聴かせるのだろう。
  蛮声を避けて汀に憩えども、ロケット花火が追いかけてくる。

 宿に戻ると眠くなってきたので布団を延べて寝る。

 八月十七日木曜

 よく眠れた。起きてみると天気が良さそうなので早速海に出る。砂も海水もちょうどいい温度で気持ちいい。

  他愛無く人を運んでいく波に浮かび身内を震わせている。

 宿に戻り風呂に入り、水着とラッシュガードを洗濯機にかけて食堂へ。朝食のメニューはメンマと昆布のラー油和え、玉ねぎ入り卵焼き、赤ウインナー、千切りキャベツ、焼き鮭、昆布の佃煮、梅干し、沢庵漬け、海苔、白米、味噌汁。白米を二杯食べる。食後にセルフサービスのコーヒーを飲む。
 チェックアウトをしていると、高齢のスタッフがクレジットカードの機械の使い方がよくわからないらしくなかなか終わらない。他のスタッフに聞いてはどうかと言っても言を左右にして同じ動作を繰り返している。一度今の会計をキャンセルするとか、やりようがありそうなものだが、このままではいつまで経っても終わりそうにないので現金で会計する。初めから現金で会計すれば良さそうなものだが、実は現金の手持ちがあまりなくて、ここで現金をあまり使いたくなかったのだ。
 とにかくチェックアウトを済ませ、車で前日にも走った海沿いの道を走る。歩行者用のトンネルを歩いたり、テトラポッドに降りられる場所を見つけて降りたりする。
 名立までは行かずに折り返し、帰路につく。新井のサービスエリアで土産を買うが、ここも現金のみで、買おうと思っていた品をいくつか諦める。
 途中、以前から気になっていた野尻湖周辺のとうもろこし屋で焼きとうもろこしを食べ、ラムネを飲む。今年はあまり甘いとうろこしを食べた記憶が無いので余計にそう思ったのかもしれないが、今の銘柄がつくようなとうもろこしはこんなに甘くて美味しいのかと思った。会計はもちろん現金のみ。
 その後長野市に入った辺りから渋滞が始まり、正午も過ぎたのでどこかで昼食をとろうと思い、クレジットカードが使える店ということでびっくりドンキーに入る。大学生の頃は友人が住んでいた春日井にびっくりドンキーがあって時々行っていた。その頃から好きで頼んでいるハンバーグとミートスパのディッシュを注文する。久しぶりに食べたが美味しい。ずっと魚と白米を食べていたので、肉が食べたい体になっている。
 上田市まで戻り、綿半で買い物をして帰宅。少し休む。
 この日の写真をまとめてnoteに投稿するなどしているうちに夕方になったので、明るいうちに晩酌を始める。豚ハラミ、鶏もも肉の焼肉(付け合わせにファロッファ、唐辛子の酢漬け)、サラダを食べ、バドワイザー355ml缶二本、宝缶チューハイレモン味350ml缶一本を飲む。食べているうちに調子が出てきて、マレーシアの海老味のインスタント麺も食べる。
 短い夏休みが終わってしまった。やはり二泊するのは良い。今回の民宿については、良いところが沢山あるが、同じくらい良くないところもあるという感じで、来年以降どうするかはまた考えたい。

 八月十八日金曜

 朝、radikoで「山里亮太の不毛な議論」を聴く。
 午前中は仕事が無かったのでコインランドリーに行く。radikoで「おぎやはぎのメガネびいき」を聴きながら、待ち時間に近くの側溝で魚でも獲ろうと網で漁ると鯉と泥鰌が獲れる。
 職場に戻って、鯉のために急遽水槽を設置する。泥鰌なんかと違い、水槽に砂は必要無さそうなので、シンプルに以前海で拾った貝殻やシーガラスだけ入れる。泥鰌は鮒の鉢に入れる。
 仕事のBGMは細野晴臣『HOSONO HOUSE』にする。意外とちゃんと聴いたことがなかったので改めて細野晴臣のソロを聴いてみることにする。素朴で味わい深いアルバムという感じがする。
 夜は酒を飲まずにハヤシライスを食べる。

 八月十九日土曜

 目覚めると喉が痛い。熱は無いし、水を飲んでも痛みや違和感は無いが、喉の辺りに何かがある感じがしていて、声も枯れている。時々咳もでる。いつもの乾燥などによる喉の痛みとは少し様子が違う気がするが、無理にもなんでもないように思い込み仕事へ。
 radikoで「バナナマンのバナナムーンGold」を聴く。
 夕方になり熱も出てきた気がして測ると三十八度を越しており、やはり駄目かと思いドラッグストアに抗原検査キットを買いに行く。薬剤師さんが言うには症状が出てすぐよりは翌日の方が正確に判定できるとのことなので、明日の朝検査することにする。ついでにお粥や野菜ジュースなど食欲が無くなっても食べられそうなものを買って帰る。
 これはもう十中八九コロナウイルスに感染しているし、そうでなくてもすぐには回復しそうにないので、仕事上必要な連絡をする。申し訳無い気持ち。
 お粥を食べ、野菜ジュースを飲んで保冷剤を首に巻いてひたすら寝る。

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