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現代語訳『我身にたどる姫君』(第二巻)

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王朝物語『我身にたどる姫君』の現代語訳です。
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2019年2月の記事一覧

現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その47)

 権中納言は不愉快な気持ちを忘れるため、対屋《たいのや》の姫君のもとを訪れた。  御前《…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その48)

 権中納言は、見知らぬ者が見ても涙が零《こぼ》れるような姫君の姿をつくづくと見つめた。 …

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その49)

 姫君が歌で答えた。   その色と分《わく》つ方《かた》もなきはかなさを   いかに染め…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その50)

 三月十日の夕月夜《ゆうづきよ》がほのかに霞《かす》み渡り、寂しげな心尽くしの雲の様子に…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その51)

 いつものように権中納言から不愉快な手引きをせき立てられて、中納言の君はいっそう従う気が…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その52)

 権中納言はむせび泣きながら取り乱した。  相手の言い分はもっともであり、この場合、どう…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その53)

 翌日の早朝、中納言の君のもとに後朝《きぬぎぬ》の歌が届いた。   打ち解けて結ばぬ夢のはかなさに   今朝《けさ》しもものをまた思ふかな  (打ち解けて契りを結ぶこともできなかった夢のような儚《はかな》い逢瀬《おうせ》を思い出し、今朝もまた物思いに沈んでいます)  筆遣いや墨継《すみつ》ぎが見たことのない素晴らしさで、「これこそがこの世の思い出になるものだ」と中納言の君は感動した。  しかし、いつものように女三宮《おんなさんのみや》に宛てた手紙も添えられていた。   

現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その54)

 仏道修行ばかりに心をいれる女三宮は、今朝も早くから手水《ちょうず》で顔を清め、女房たち…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その55)

 いつものように女三宮から返答は来なかったが、女四宮との結婚が差し迫って諦め切れない権中…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その56)

 正気を失った権中納言は、言葉を掛ける余裕もなく女三宮をかき抱いた。  女三宮は秋の野道…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その57)

 中納言の君は、ただ夢の中の夢の出来事のように思った。しばしば鳥の鳴き声が聞こえる上に、…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その58)

 次第に明けゆく空が厭《いと》わしく、ひっそりと三条宮を後にした。だが、屋敷に戻って横に…

たま
5年前
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現代語訳「我身にたどる姫君」(第二巻 その59)

「それに、幼少の頃から中宮を父よりも頼りにし、恐れ多くも立派で比類ない方だと思っているの…

たま
5年前
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