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子ども相手だからこそ、コミュニケーションは誠実に。プリキュアのステージでグッズを買うか買わないか問題。|#88

白状する。
昨日、「4歳娘の『説明力』が未熟なことを承知の上で、意図的に利用し、娘の訴えをはぐらかす」ということをした。

親としてどうなの?と思われそうだが。

娘が伝えたいことは、全てお見通しだった。
娘がうまく伝えられず、私の反応に「ママ、そうじゃないんだ!」と思っていることも把握していた。

その上で、ただひたすらに自分の都合で、娘の訴えをはぐらかし、ごまかした。

普段はこんな対応はしない。

大概のことは娘が納得するよう説明している。娘自身の納得感形成が大事だと思っているから。


だからこそ、昨日は様子が違う私に、娘も納得いかなかったのだろう。ずいぶんと食い下がっていた。


すべては自分都合の対応、確信犯だ。私も後味は良くない。

子どもの訴えをはぐらかすということは、そうそう繰り返していいことではないなとわかった。10のうち1でも多い。100に1なら許されるだろうか…。

昨日はプリキュアのステージを見に行っていた。

年頃の女子らしく、娘もプリキュアが大好き。車から会場まで疾走する姿、小さな胸に目一杯詰まっているワクワク。

S席を取った甲斐もある。

問題はここからだ。

会場では「お手振りライト」が売られている。定番のグッズ。「みんな持っているから」「せっかくだから」という理由で、親たちは無条件で買い与えている(ように見える)。

お値段1つ2,000円!

ちょっと良いランチが食べられる価格だ。
高速料金に換算すれば、軽く隣県まで遠出できる。


ステージの間しか使わないのに!
帰宅すれば、おもちゃ箱で忘れられる運命なのに!(うちの娘の場合。きっと帰宅後も使うお子さんはいるだろうが。)

実は私たちは、去年もプリキュアのステージを見に行っていた。

初めての去年は勝手わからず、「娘だけ持っていないのは、かわいそうかな」という理由でお手振りライトを買った(ほらね)。


1年ぶりのステージだった昨日は、おもちゃ箱で忘れられていた去年のライトを引っ張り出し、「要は同じものでしょ」と娘に持たせた。

今年はライトは買わない。
-開演してしまえば、ライトの造作の違いなんて誰もわからない。
-どうせ娘だって、ステージに集中して気づかない。
そんな目論見で。

会場では案の定どの子もライトを持っている。「今年仕様のライト」を。

周りと自分のとが、違うことに気づいた娘は、しきりにきょろきょろ、周りを観察している。

ただ、怪訝な顔をしながらも何も言わなかった。終演まで何も。



娘はまだ「ライトは会場で買える」と知らない。グッズ販売コーナーが娘の視界に入らないように入場したおかげ。
買えるかも?と思っても、確信がないから何も言わなかったんだろう。


終演し帰るときには、グッズ販売コーナーは撤去されていた。

「ライトは会場で売っていた」と知らないまま、出ようとした…とき、スタッフの方が「通販でもグッズが買えますよ」とチラシを手渡す。


載っていたのは…、ライト!


『あ、(やっぱり)買えるんだ!』
娘が確信した瞬間だった。

帰りの車、何度も「ライト欲しい」「ライト買って」とねだられた。

私は全部知っていて、知らないフリをしてきた。

✔ ライトは毎年仕様が違うことも
✔ 会場で販売していることも
✔ しかも会場限定販売なことも
✔ 娘が周りの子を見て気にしていたことも

後ろめたい気持ちが、頑固にはぐらかしを貫きとおさせる。


一方、娘は全力で「買ってほしい」と訴えてくる。

「どこで売ってるかわからないけど、思うにきっとあそことか、あそことかで売ってるんじゃない? 確かに自分は(去年の)ライトを持っていたけれど、周りの子が持っていたのとは作りが違った。きっと今年のがあるはずだよ!欲しいよ!」

ただ悲しいかな、4歳の語彙と情報と説明力は大人には適わない

まして私は「買わない」を既定路線に、すべてを確信犯的に進めていたんだ。

財布を握っている大人のずる賢さの前に、4歳の訴えは無力。娘の説明力が未熟であることを十分に知ったうえで、未熟さを利用して、あの手この手の訴えをはぐらかし続けた。


やがて娘は諦めたのか、気持ちが切り替わったのか、ライトのことには触れなくなった。

帰る前に公園で遊びたい、という。

よし、それはオーケー。
暗くなった公園で二人で走り回りってから帰宅した。


こうして時間をおいて文字にしてみると、たった2,000円で私は何を意固地になっていたんだろう、という気もしてくる。

ただ。
幼児の子育ては、常に「買ってかって!」との戦い。端から要望を聞いていると本当にキリがない。

どこかで「それは買わない」判断が出てくる。それがたまたま、

✔ どうせ公演の間しか使わない
✔ 去年のもので代用できるでしょ
✔ 割高感が強い

と、買わないことを容易に正当化できた「プリキュアステージのお手振りライト」に当たっただけだ。



問題は私の在り方だろう。
初めから確信犯的にはぐらかすつもりでいたのが元凶、よろしくない。買わないつもりなら、初めからそう説明しておけばよかった。

とにかく、後味が良くない。

もしこんなコミュニケーションを繰り返していたら?子どもは、すぐに親を信用しなくなるだろう…。


子どもの未熟な説明力や情報力を逆手に取って交渉で優位に立とうとしたり、はぐらかしたりごまかしたりは、好きじゃない。やってみてわかった。

時間や手間がかかっても、真摯に誠実に対等にコミュニケーションを図り、合意形成をする方が性に合っている。

そう自覚できたのは収穫か。



世の中には自分が納得できない理不尽が沢山ある。コミュニケーションも誰もが自分に十分配慮してくれるとは限らない。だから娘にも「打たれ強いメンタル」は持ってほしいと願う。

ただ打たれ強いメンタルを鍛えるために、親である私が理不尽を実践する必要はない。

私は娘にとってのホームであり、拠り所であり、ベースキャンプだ。たっぷりの愛情と向きあう姿勢と、誠実さと正直さ。それらに満ちた安心できる場所でありたい。

確信犯的なはぐらかし、ごまかし。
もう、やめよう。とにかく反省の夜だった。

一緒に楽しみながら高め合える方と沢山繋がりたいと思っています!もしよろしければ感想をコメントしていただけると、とっても嬉しいです。それだけで十分です!コメントには必ずお返事します。