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#4【藤井風さんを聴くと想い出す。世界を風靡したあのバンド】

こんにちは。先日、アメリカで自動車の路上試験に合格しました。教習の先生から"リラックスしろ"と言われたり、一時停止を見落としてしまうこともありましたが、本試験では慎重に走行しました。すると試験官から「もっとスピードを上げて!この国では誰も待ってはくれないわよ」と言われ、さすがアメリカだなと思いました(笑)

チャンスは早く掴む者が勝ち。アクセル全開で行こうと思います。もう日本には帰れない気がしています(笑)

▼日本のアーティストが「海外向け」に音楽を作っていた時代
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先日、10歳の子供にドラムレッスンをしました。基本の8ビートのリズムに慣れてもらった後、お気に入りの曲に合わせて楽しくドラムを叩いてもらいました。

人それぞれ得意なリズム、不得意なリズムがあるので得意を伸ばして、実践を重視するアメリカ流のスタイルで教えています。誰でも10分で基本のリズムが叩けるようになります!

そして私の知らなかったアーティストを教えてもらえることが、ひとつの楽しみでもあります。10歳の子からは、Yoasobi、Ado、Kanaria、藤井風の曲を教えてもらい、大人からは小沢健二の「今夜はブギー・バック」を教えてもらいました。

なるほど、親子だなぁと関心しました!

全く年代の違う藤井風さんと小沢健二さんですが、実は音楽的に共通したルーツがあるのです。

80年代から90年代に世界で活躍した日本のバンドと、藤井風さんの音楽の共通点を、J-POPの歴史を絡めて紹介したいと思います。

▼70’s-90‘sに世界を賑わせた日本のバンド

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若い方はピンとこないかもしれませんが、80's〜90'sに世界を賑わせた日本のバンドがたくさんいるんです。K-POPの作曲家やDJがこぞって70-80年代のJ-POPのサンプリングして一時話題にもなりました。

Night Tempo https://news.yahoo.co.jp/articles/b6c199e9321a0339d2106a817b39313da5e130a5

以下に具体的なバンドを紹介していきますね。

◆YMO:Yellow Magic Orchestra(イエロー・マジック・オーケストラ)
※黄色人種独自の音楽
を作り上げるとして、魔術の色を人種の色にかけて提唱した「黄色魔術」(イエローマジック)※wikipediaより

80年代にシンセサイザーとコンピュータを駆使した斬新な音楽で世界でも人気があったバンド。グラミー賞を何度も受賞している坂本龍一さんが所属。
コンピューターのビートと同期した上で、グルーヴを生み出すドラムを初めて演奏したバンドでもあります。(今ではシンセやコンピュータを使うのは当たり前ですが当時ではすごく新しかったんです!)


◆ピチカート・ファイブ:

1990年代の日本において一世を風靡した「渋谷系」と呼ばれるダンス・ハウス系(4拍子ビート)のバンドアメリカ、イギリス、フランスツアーに加えて、海外映画で音楽が使われるなど国際的な活動をしていました!
→小沢健二さんも「渋谷系」と呼ばれていました


◆オリジナル・ラブ:
同じく「渋谷系」と呼ばれるポップバンド。70'sにアメリカで人気があったR&R、Funk等の音楽リズムを踏襲した楽曲で、Vo.田島さんのふんわりと柔らかい歌声と、絵が脳裏に浮かぶような奥深い歌詞が特徴。そしてVo.の田島さんはピチカート・ファイブに勧誘されていたそうです。

この曲は、中島美嘉さんがカバーしたReggaeアレンジのver.もオススメ❤

海外を風靡した70-90年代の日本のバンド、YMO、ピチカート・ファイヴ、ORIGINAL LOVE。彼らの「楽曲作り」や「ビート」と「世界(欧米系)の音楽」と「藤井風」さんの楽曲にはある共通点があります。

そしてこれらの日本のバンドが2000'sに残してくれたモノは、日本人が解釈した「世界のビート×J-POP」はコレだ!!という、1つの解です。つまり、「J-POP」の在り方なんです。

▼70-90'sのバンドが現代に残したものとは?「ビート編」

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3つのバンドの「ビート」について解説していきます。従来の日本人の歌謡曲のような、上から下に打ちつける演歌や田植えの4拍子のビートではなく、世界(欧米系)の下から上に打ち上がる8拍子のビートで、世界を風靡したんです。

YMOは、
個々の曲によってアレンジが異なりますが、基本的には8拍子のビート。コンピューターのドラム音×生ドラムを同期させているので、必然的にノリが4ではなく8ビートになる)

→つまり、DTMのソフトに入っているドラムフレーズは(個人でいじらない限り)基本的に世界(欧米系)ノリ"しか"装備されてません。AI作曲で出てくるドラムのフレーズも世界(欧米系)ビートです。

ピチカート・ファイブは、
日本人が得意な4拍子のビートにフォーカスして、ハウス・ミュージック(4拍子のビートを持つダンス・ミュージック)で勝負しています!
→得意分野でガッツリ世界を見据えてますね!

◆ORIGINAL LOVEは、
世界(欧米系)の音楽が持つ8拍子のビートだけでなく、70'sにアメリカで大旋風を巻き起こした”Funk” ミュージックに欠かせない16拍子のビートを取り入れています。

これらのバンドに共通しているのは、従来の日本の音楽とは異なるアプローチです。

▼世界(欧米系)のリズムに日本語の歌詞を違和感なく乗せる工夫**********************************************************

すごくシンプルに説明すると、「歌謡曲」「演歌」「フォーク」などにはあまり見られなかった、「コーラスを分厚く重ねる」ことで「日本語の角」を取っています。

日本語特有のリズムを構成する「高低アクセント」を柔らかく、「1語1音」をぼやかして、英語のリズムに適したボーカル・ワークを実現したのです。

きゃりーぱみゅぱみゅ、Pufumeも「ふんわり」したコーラスワークと世界(欧米系)音楽のビートに合った「言葉選び」で日本語歌詞をカッコよく乗せています。

※英語歌詞は主に「1音節・1音」「1単語・1音」
→例えば、「apple」という単語は「ap-ple」の2音節に分けられ、それぞれの音節が1音に対応する。日本語だと、アップルと4音節になる。

▼2020'sのアーティストに引き継がれる世界への挑戦

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そして現代の藤井風さんは、こうした先駆者たちの手法を継承しつつ、さらに発展させています。欧米の音楽リズムに120%寄り添いながら、方言を使うなど日本語らしいリズムを巧みに組み入れているのが特徴です。

彼は学生時代から、アフリカ系アメリカ人の音楽に卒倒してきたそう。J-POPの情緒的で趣のある歌詞を保ちながら、欧米の音楽リズムを崩さずに表現しているんです。

「死ぬのがいいわ」がSpotifyの23か国で1位を獲得したことからも分かるように、世界でも高く評価されています。

彼のボーカル・ワークや楽曲に、アメリカやヨーロッパのルーツミュージックのリズム・グルーヴをより取り入れていけば、さらに面白くなりそう。これからも彼の音楽から目が離せませんね!!!


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