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人を信頼するのが怖い。その怖さを乗り越えた先に見える信頼の世界とは?


私は幼い頃からずーっと「人を信頼するのが怖い」という恐怖心を、心の奥深くに飼っています。普段は、静かに眠っているその恐怖は、私が人との関係性を深めようとしていくと、ムクッと起きてきて「本当に大丈夫なの?心を開いちゃっていいの?」と私に囁くのです。そして、私はいつもその言葉に翻弄されてきました。

数年前。私は、「もういい加減そんな声からは卒業したい、自分で意思を持って大切な人との関係性を紡いでいきたい」と思い、自分を変えるため、「人を”自分から”信頼する」というテーマを持って人と向き合ってきました。

それが上手くいったのか(?)ここ数か月で、人と人との信頼関係について、新しい考えを持てるようになったので、今回はそれを書きます!

【1】人を信頼するのが怖い

私は、人を信頼するのがとても怖いです。それは、信頼して裏切られた時の感情への怖さかもしれません。
一度信頼して心を開いた人には、ほぼ全てをオープンにする性格のため(隠し事が出来ないw)、”信頼した人が急にいなくなりました~、裏切られました~”、ということになってしまうと、心をグサッとえぐられて半分持っていかれたような感覚になってしまいます。私を分かってくれていた人、応援してくれていた人を失う寂しさ、孤独感。拠り所がなくなって彷徨う感覚。それから、隠したいことをその人に見せてしまった恥ずかしさや後悔などの気持ちも湧いてきて、とにかく傷つきます。

経験から学習した私は、いつしか「相手が信頼してくれたら、私もしよう」(自分からはしない)という考えになっていきました。もっと仲良くなりたいなと思う人がいても、「なんかまだ怪しい、この人は私といてもメリットなくない?」などと勘ぐって、「まだあまり話さないでおこう」と自分のことや本音を話すことをやめました。

そして、勘ぐりながら恐る恐る、何回も話をして、何年もかけて信頼していくのです。そういうのも良いとは思うのですが、どこかで、色んな機会を失っているんじゃないかとも思っていました。

例えば、「この人は私が信頼していなくても信頼してくれた良い人」と認定をした人にしか私をオープンにしないわけです。普通にめちゃくちゃ限定されますよね(笑)ちなみに、信頼していない人に対して私は、”相手が好むだろう性格”を予想して、演じるようにしていました。本心では思っていなくても、相手が好きそうなことを言って、その場をよしなに対応し、そそくさと去るようなコミュニケーション。
もし、本音で話していたら、どうなっていたでしょう?もしかしたら、大親友になっていたなんてこともありそうです…。過去の私は、あえてその機会を手放していたと思うと、本当に勿体ないことをしていましたよね。

それから、時間をかけて信頼できた人とも、もっと早くに仲良くなったら、その人と過ごしてきた時間を、深く楽しいものにできたかもしれないのに、とも感じました。
みんな各々の世界を持っていて、時間は有限です。その中で私との時間を作ってくださっているのです。たった10分でも、1時間でも、その方の人生の貴重な時間をいただいていることなんだ、と。そのことを理解し、深い感謝を感じた時、今までの私の人と向き合うスタンスを変えたいと強く思いました。

そんなことを思いながら、私を変えてみたい、と。今だったら変えられるんじゃないか、と思った数年前。「人を”自分から”信頼する」挑戦が始まりました。

【2】私はあなたを信頼したいし、勝手に信頼することにしました!

「人を”自分から”信頼する」と決めたちょうどその時、お仕事で1つプロジェクトが始まるタイミングでした。その時に、「ここで私は変わる」と決めて、メンバーの方に、「私はあなたを信頼したいし、勝手にすることにしました!」と宣言しました(笑)

相手には、私がそんなことを宣言した背景や、今向き合っている課題など、私自身のことも丁寧に話した上で、仕事を進めていきました。今までの私だったら、絶対にそんなことはしません。プライベートだったらまだしも、仕事でのプロジェクトメンバーですからね!

そしたら、面白いように仕事が楽しくなっていったんですよね。自分のことを相手が知ってくれていてやりやすい!それに、相手も色んなことを話してくださいます。本音ベースでの話が出来て、勘ぐることも妄想することも必要なくなりました。ただ相手が言うことを真実として受け入れればいいだけです。コミュニケーション自体が気持ちよくて、楽しくて、仕事なのに仕事じゃないみたい(笑)

さらに、コミニュケーションが円滑に進み、一体感も生まれた結果、仕事の成果自体も上がっていきました。楽しいことを信頼するメンバーとしているだけなのに、成果も自然に上がっていくって、最高じゃないですか!

「私はあなたを信頼したいし、勝手にすることにしました!」の答えは、直ぐに現れました。自分が変われば相手も変わる。まずは、自分の意識を変えて、行動を変えていくと、1週間も経たないうちに周りからの反応も変わってきました。チャレンジしてみてよかった、と割と早い段階で感じられていたのでした。

【3】信頼したその先の未来

そして、「人を”自分から”信頼する」というテーマを掲げ始めて数年がたった今。その当時のプロジェクトの方とお話しする機会があって、さらに気付いたことがあったんです。

信頼関係を築くって、その人との関係性をよくする、ということも大きな意味かと思います。でも、それだけじゃなかったんですよね。

当時のプロジェクトは、難易度が高いもので、辞めたくなったこともありました。でも辞めなかったんです。それはなぜ?と考えると、その信頼している人の存在自体が私の勇気になっていたし、その人との約束が希望になっていたことに気が付きました。それに気づいた時、思わず笑っちゃいました。ミッション、ビジョン、バリュー…いろんな目指す先があるけど、私が動く真の理由は、カッコイイ目的を差し置いて、その人と過ごす時間、たったそれだけだったのですから(笑)

簡単で、単純すぎるほどですが、私が一生懸命になるのには、十分すぎるほど大きな理由になっていました。

【4】信頼する人の存在は生きる希望にもなり、怖さも消せる

…と、大きく出ましたが、私は今回の気付きを持って、本気でそう考えるようになったのです。

その人のために、その人の幸せを思って、その人と何かをしたいから、そんな単純な理由が、人にとって生きる希望にすらなるんじゃないかって。そして、相手に対して、そこまで思える間柄になれたとしたら、もうその関係に、怖さなんて感じないんじゃない?とも。そこまで信頼できた相手になら、例えその人から傷つけられても「それはそれで何か理由がありそうだな、だったらしゃーないか」って思えますもん。もうそのレベルですもん。

信頼を超えた先の未来は、裏切られる怖さなんて米粒にも思えるほど小さく感じるくらい、大きな希望と前向きな意思で溢れていました

さらに、見える世界の変化で言うと、実際に、こんな変化もあったんです。

私は、お仕事のパートナー、恋人、友人、家族…いろんな人と接しています。それは、信頼関係を本気で考えようと向き合う前も後も変わりません。

自分が相手を拒絶してバリアを張っていた時は、たくさんの人が近くにいてくれてたとしても、一人ぼっちの感覚をずっと持っていました。不安と怖さが常にある感覚。誰かといても面白いドラマを見て笑っていても、いつもどこか寂しい感覚が消えませんでした。

信頼関係を本気で築いてみようと挑戦し、出来てきたなと思えたころから、その感覚が一切なくなりました。むしろ、私の周りには、素敵な人がたくさんいてくれる、なんて恵まれているんだろう、という温かい気持ちに包まれるようになりました。そして、この人たちがいてくれるから私は大丈夫、チャレンジしよう、という前向きな感情も生まれるようになりました。


始めは、信頼を自分からするということへの葛藤は、相当大きなものでした。だって、人を信頼したその先に何があるか分からないですから。
その葛藤を乗り越えた先の未来を見た今なら確実に言えます。頑張って乗り越えた方がいい、と。最初はしんどくても、その先にはそんなしんどさなんて全く覚えていないほどの希望があると知ったからです。
一方で、葛藤を一回乗り越えた今でも、人を信頼することへの怖さ自体は、まだ心に住み着いています。でも、そやつの声を乗り越えて行かなきゃいけないほど最高の未来があると知ったから、これからも私は迷わず進みます!


それでは、またお話ししましょう!


カウンセラー/コーチ 武石 美有紀



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