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ひとのなかの自然  自然のなかのひと

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Artificial Independence day

金色の 茜さす 背景が大きければ大きいほど その淀みにそっと寄り添うあめんぼのようだったとしても あたかも何気に塗り替え可能な Wall Paperのように目に映る 短いいのちの人間たちには 塗り替えてきた  大切に築いてきた地も 町も 文化も 人間味も 美も 優しさも 汚濁とともに 惜しげもなく捨て 求め 描きなおしてきた均質なパーフェクトワールドは とてもきれいで 親切で        古きを覆して機械になるための 無数の個々人の努力も AIという依り代に譲り

ゼロの ひかり

新緑が ちからづよい これまでひとの意識の勢いに遠慮していたような地が よりいきいきしているのが分かる 経済絶望視の世間のテンションとうらはらに わたしはこの状況にいま 自然体を感じている 数年前行ったネパールの田舎 月曜の昼過ぎ 人々と牛や犬がひとつ木立の木陰で何するわけでもなく座っていた あの彼らのつくっていた不思議な時間  あれを思い出している 今わかるのは  極限にかけ離れている大地と ひとの その感覚 彼らは 大地のもつ時間感覚に無意識に寄り添って生

ゆりうごき いまへ  ~地球のおもい~

かつて かわいた星がありました そこの歴史書によると   住人たちは増えども知性と叡智は結ばれず 二分して分裂したまま 戦いの多さに星にあった生命は もろく消え堕ちてしまいました 住人は仕方なく他の住処を探しました そうしてゆたかなこの星をみつけ  ここのにんげんとなりました 地球は無限の生命が完全なる調和をもって成り立っていましたが   新しい質をもった参入者で  調和に亀裂が入り 自然な循環が変えられていきました    物理的にも霊的にも すべてのいきも

にんげんの 入学式

新しく、うん万年のときのサイクルが回りだしました。わずかずつ空気にしのびこんできた、違うかたちのきれいなひかりが、目にも見え始めています。春、という季節に乗って。 それらでつくりあげられる世界の始まりをまえに、3つのインスピレーションを得たので、ここに記しておこうと思います。 1  世界の絵地図 新しい世の設計図はある。 それを見据えること。 見極めること。 高く積み揚げどももろく、崩れやすい思考のゲーム 閉ざされたマインドの中だけでつくられ、地に足のつかない夢物

量子時代へ向けての覚え書き

ウォーキングデッドのチャンネルと、上空ミサイル映像と、どのくらいの差をもって眺めることができるだろう。 世界の根源らしきものから始まり、無限ともいえる試みの果て、ついに生命はその根源、量子的なものを見つめるに至る今日この頃。ミサイルに怯えるごとくにそれを目前に立ちすくみつつも、意識はリンクし始めてしまった。 そうして始まった在り方とはどんなだろう。はてさてひとは新しく何を願うのだろう。 それまで囚われていたパーソナリティーとしての個人の意識は、それを俯瞰し、やがてパーソ

ひとと植物をみつめて イギリス編 1

迷子のたぬき 朝の福岡空港にて、どこからか迷い込んだ一匹の若いたぬき。 完全人工のシャープな空間で、出口を探しながら地下への通路をただ走るしかない姿がすれ違う。 じぶんの存在が場違いなことを知るこころもとなさ。 出口を見つけたとしても、その先に広がるさらなる人工迷宮地帯に対処しなければならない彼を思うとなんとも絶望的で、バツの悪い思いで飛行機に乗り込んだ。 長くうつろな移動時間、座席ポケット冊子のひとつの記事が目に留まる。 Andre Kuipersというオランダ

ひとと植物をみつめて イギリス編 2

青と銀のひかりの国 移動に移動を重ねる時間が、内なる時間の壁を崩し、感覚だけを鮮明に浮かび上がらせる。 北へ、北へ、列車は上る。 遅い朝陽はなだらかな地平線から空をピンク色の兆しで染め、突如真紅の直線を射し乗客を沈黙させる。 レンガ色の小さな町並みが過ぎ、また過ぎ、海があ らわれる。 雲がかかり世界に影をさし、雲がいつしかおぼろに変わると、それまで灰色の世界に沈んでいたすべてが銀色に輝きだす。 しずかな、しずかな、銀の海に、空に、浮いた白い太陽の眼がふしぎにずっ

ひとと植物をみつめて イギリス編 3

森の記憶 遠い時代 かつて森がひとを囲っていたとき 森の声を聞き 森と生きるひとびとがいた 草木とはなし 夜は星々と語った 星への道しるべをわずかに並べて 忘れないように 忘れないように・・・    そしてやっぱり忘れてしまった ひとが森を囲うこの時代、文明の影響を免れている森林はこの星に残っていないだろう。 でも、どこかで覚えているのは、みかけよりもずっと熱い森の想い。 森の時代と比べればずいぶんとその活きを落としてたであろう地や川や木々。その森で、いま

ひとと植物をみつめて イギリス編 4

Kew Botanical Garden 木々と水とひとと動物と、誰もがなにからも侵害されることなく互いに関わり合いながら対等であれる、場。 クリアなひかりを受け、それぞれのものたちが安心してかがやき、 ひかりはひとつに、場を包む... …これはわたしたちが成そうとしている   ‘ ひとつののぞみ ’  …? わたしはまるで初めて見る異境でもみる思いで公園に長いこといた。ずっといたかった。 ちょうどオーストラリアとパキスタンでのテロが連日報じられ、たくさんの

エネルギーコレクション: 逆走台風エッセンス

ひとのお祭り 自然のお祭り ひとにとっては災いでも、地にとってはまつりの種 あの台風のにおい、なまあたたかい雨粒のつよさ 特別な何かを連れてやってくる! どきどき 嵐のあとの、抜けきって澄みわたった空と 生気を与えられた草木の輝きに  毎度ほれぼれ そんな子どものときの台風に対する直感を、ふたたび。 好奇心はこの特殊台風のエネルギーの質。 夜ガラス器を庭の木陰に置いて、やってくる台風の雨粒を採取。そのまま集めた雨粒を、澄んだ星空の星光と、朝陽にしばらく透して、

台風あとの夜風

木立らが、ざあざあうねっている。 彼らは風をよろこび、風はまた彼らを愛でる。 遠くから運んでくる見えない星の伝達すべてをキャッチし、その身に受ける。 それをいっしょに感じている瞬間がとても好き。