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ひとと植物をみつめて イギリス編 3
森の記憶
遠い時代 かつて森がひとを囲っていたとき
森の声を聞き 森と生きるひとびとがいた
草木とはなし 夜は星々と語った
星への道しるべをわずかに並べて
忘れないように 忘れないように・・・
そしてやっぱり忘れてしまった
ひとが森を囲うこの時代、文明の影響を免れている森林はこの星に残っていないだろう。
でも、どこかで覚えているのは、みかけよりもずっと熱い森の想い。
森の時代と比べればずいぶんとその活きを落としてたであろう地や川や木々。その森で、いまだ健全なるその熱いこころが一瞬、わたしの胸の深いところに響いたような気がした。
意外にもかなり古い原生の巨木たちは宮殿やお城の人工建造物の周囲に多く残され、個別番号がつけられ大事に管理されてある。
高くそびえるセコイアは、ひととの長い関わりがそれをより美しく、凛として尊厳の意識を持たせたかのように見える。
‘‘ わたしをつかってのぼり
あなたのしごとをはたしなさい
(あなたは自然とひとの意識の溝を心配しているけれども・・・)
すべての生の 向かうのぞみは ひとつです
深いところで 本来 ひとつなのです ・・・ ’’
無口なセコイアは そんなことばをくれたようにきこえた。
厳しくもちからづよいやさしさで、天へみちびくものよ。