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【自分の人生を歩むために】絶縁し所在不明の母親に対して住民票の閲覧制限をかけてみた

■住民基本台帳事務における支援措置

この制度は、児童虐待やDV、ストーカー行為を受けた人が、加害者に自分の住所を探索されないようにするために住民票や戸籍の閲覧を制限する制度です。

なかなか情報が少ない、支援措置の手続き。
今回は、私が支援措置を受けた際の一連の流れについて、書いてみようと思います。
(2023年9月から手続きをはじめ、10月に受理されました)

■支援措置をうけるまで

1.入籍を機に支援措置を受けることを決意

私は子供時代に母親から精神的虐待を受けていました。
母親は境界性パーソナリティー障害を患っており、自分の思い通りにならないと、何をするかわからない怖さがありました(私の母の場合)

母親とは、17歳の時に縁を切り(別記事参照)その後、両親も離婚したため、それっきり母親の所在はわからないままです。

今まで、何となく制度の存在は知っていましたが、「閲覧制限をかけた事実を母が知ったら、逆上して何かするかもしれない」という恐怖があり、なかなか手を出すことができずにいました。

しかし、入籍が決まった時、母親のことでパートナーに迷惑はかけられないとう思いや、これを機に母親と法的に決別したいという思いが芽生え、支援措置を受けることを決意しました。

2.情報収集

支援措置について何もわからなかったので、とりあえず情報収集を始めました。‥‥が、よくわからず‥‥(理解力の問題( ;∀;))

結局諦めて、直接市役所に行くことにしました。

3.市役所で支援措置を受けたい旨を相談

窓口担当の方に支援措置を受けたい旨を伝えると、快く制度の説明をしてくれました(ここでは過去について詳しく聞かれませんでした)

話を聞くと、母親の居場所がわからなくても、名前さえわかれば支援措置をかけられるとのことでした。(私の母親の場合は再婚で名前が変わっている可能性があり、名前が不確かでしたが、母親の旧姓を記載すれば大丈夫と言われました)

また、パートナーも私と一緒に支援措置の対象に入ってもらうことで、パートナーの情報も母親から隠すことができるとのお話があり、ホッとしました。

最後に申請書を頂いた時は「今日中に手続きができるかな」…と思っていましたが、その前に相談センターにいくように言われました。
市役所が、私に支援措置が本当に必要かどうかを確認するためとのことです(下図参照)

早速、帰宅してから、相談センターに電話予約をいれて、その日は終わりました。

総務省ホームページ https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/daityo/dv_shien.htmlより


4.相談センターに行くまでの準備

相談センターに行く数日前、精神的虐待という見えない虐待を、相談員の方にどう伝えればいいのか悩んでいました。

幸いにも、父親が母親との離婚調停の際に、母の鬼畜の所業(人格否定の手紙やメール、陰湿な嫌がらせ等)を証拠として写真におさめてくれていたので(父も母の精神的DVの被害者です)それを印刷したり、自分でされてきた虐待を紙にまとめたりして、証拠として持っていくことにしました。

ただ、正直、この準備期間は精神的にとてもしんどかったです。
相談員の方に詳細をお伝えするために、母親のことを鮮明に思い出さなければならないのが苦痛でたまりませんでした。

また、子ども時代に母親からの虐待を親族に相談した際、「いつかお母さんの気持ちがわかる」「あなたは思春期だから、そう感じるだけ」と全く相手にしてもらえず、深く傷ついた経験があったことから、経験豊富な相談員の方といえど、全く知らない赤の他人に自分のことを話すことに抵抗がありました。

相談センターに行く日が、ここ最近で一番憂鬱な日だったかもしれません。


5.いよいよ相談センターへ

心の防御率120%で相談センターに向かいました。
個室に通され、おそるおそる申請書と証拠を渡し、母親が境界性パーソナリティー障害であることも話しました。

相談員の方がどんな反応をするのかドキドキしていると


「…これは、もう虐待ですね‥‥よく生き抜いてこられました」

「典型的な境界性パーソナリティー障害ですね‥本当に大変でしたね」

と言って下さいました。心底ほっとしました。
精神疾患に理解がある方だったのが大きく、スムーズにお話することができました。

その後、母親からの虐待内容を軸に、私の家族構成や、その他の親族との関係性、支援措置を受けようと決めたきっかけ、現在の生活、今感じている母の脅威等、様々なことをお話しました。

相談員の方は時折メモをとりながら真摯に話を聞いてくれました。
(良かった‥(;_:))

手続きに関する待ち時間を含めて、約2時間ほど滞在していたと思います。
最終的に、虐待被害の認定をして頂くことができました。
申請書は必要事項を記入してから後日郵送して下さるということで、その日は終わりました。

6.婚姻届と一緒に、届いた申請書を提出

いよいよ、提出日。
相談センターから届いた申請書にパートナーの名前も記載し、婚姻届と一緒に提出しました。

結果的に現住所が記載されている
・住民基本台帳の閲覧
・住民票の写し等の交付(現住所地)
・住民票の写し等の交付(前住所地)
・戸籍の附票の写しの交付(本籍地)
・戸籍の附票の写しの交付(前本籍地)

について制限をかけることができました。

ここでの手続きに関しては、担当窓口の方があまり支援措置について理解されていなかった様子で、メモを見ながらの説明だったので少し不安が残りました…(^-^;

それでも何とか、無事に受理して頂けたので安心しています。


■支援措置の手続きを終えて

一連の手続きを終え、ほっとした気持ちも大きいですが「精神的にしんどかった…」というのが正直な感想です。
やっぱり、過去を思い出す機会が多かったのが自分的にはしんどかったです。

でも、支援措置をして私はよかったと思っています。
今までと違い、「法的に守られている」という安心感はやはり大きいです。
また、自分の人生を歩むための、一歩になった気がします。

支援措置の利用を検討されている方々は、一度お住まいの自治体に相談してみて下さい。

この体験談が少しでもお力になれたら嬉しいです。





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