今はイマしか撮れない
「今はイマしか撮れない」
今、この瞬間、自分の目の前にあるものを明日撮れる保証はないので、今、この瞬間を撮り残しておきましょう!という意味合いも勿論あるが、、、
写真を始めたばかりの「イマ」って時はもう初心者の初期衝動や好奇心の波に飲まれまくって欲しい。今、その瞬間を撮り残して欲しい。
10年以上前、カメラを買いはしたもののちゃんと写真を始めたかどうかって時期の写真を観ると、今この撮り方はしないだろうな、って写真もチラホラ。
心底楽しかったんだろうなぁ、と。。。
漫画家の松本大洋氏が、『Sunny』か『ルーヴルの猫』あたりだったろうか、
「いま、『ピンポン』のような勢いのある筆は出せない。いまの自分に同じように描けと言われてもたぶん描けない。この時期、若さがあったからこそ出せた線と動き、描けた作品、だと思う」
といったようなことをインタビューで語っていた。
とあるミュージシャンは、
「ギターを最初に持ってじゃらーんって鳴らした時の初期衝動って凄いもんだよね。ファーストアルバムもそう。初期衝動に突き動かされるって大事。そういった心の動きってのは絶対に大事にしなきゃならないモノなんだけど、最初にギターを持った瞬間が最高で、絶対にそこから下がる一方なんだよね。それ以降は小手先の技術を覚えてどうにか抗っている」
というようなことを語っていた。
たぶん、今現在の松本大洋氏も当時の『ピンポン』の画風に近づけて描くことは出来るんだと思う。のちに得た技術をもってすれば。
でも、若き日の勢いや感覚で描いたモノと比べると、本人からすると全然ベツモノなのだろう。
筆や楽器とは大きく違うだろうが、押せば写る写真だってそう。
今は小さなころからスマホカメラが当たり前で写真も動画も身近だからまた感覚的に全然違うだろうけど、初心者だからこそ、若いからこそ撮れる写真ってのは絶対にあるはずで、初期衝動は大事にしなきゃならない!
撮りたいから撮る。斜めってもブレてもボケても気にしない気にしないひと休みひと休み
マニュアルで撮るなんてまだまだ不慣れで、しかも暗所だったが、、、一応、記録写真係だったのでちゃんと撮ろうとしていた。。。
「ファインダーのぞかなくてもある程度写るやん!」と楽しかったんだろう。小手先の技術を覚えるのはちょっと早かったかも知れない笑
キャリアが長くなってきても、初めての機材、初めての被写体、初めてのシチュエーションと対峙した時は思い出してみてほしい。
ただ撮るだけで楽しかったあの頃を。。。
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