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定年後にフリーランスになったおじさんのリスキリング

フリーランスで活動している62歳のおじさんです。中小製造業向けに現場改善・業務改善の支援をやってます。
新卒で入社したメーカーに38年間勤務、途中転職も副業もせず、60歳定年を機に雇用延長を選ばずに会社員を卒業した者です。
定年退職の翌月に開業届を出し個人で活動を始め、2年9ヶ月経ちました。

最近、「リスキリング」という言葉を聞くことが多くなりました。
岸田首相が所信表明演説で、”個人のリスキリング(学び直し)の支援に5年で1兆円を投じる”と表明したことも記憶に新しいところです。

今回は、定年後にフリーランスになった62歳おじさんのリスキリングについて、思いつくままに記してみたいと思います。

学び、リスキリング(学び直し)について

「学び」ですが、組織が用意して従業員・職員に機会を与えるものと、個人が主体的に取り組む自己啓発的なものがあると思います。

組織が用意するものは昔から様々ありました。組織の方針に従って従業員・職員に頑張ってもらうための研修・教育の類が多いと思います。
それに対し、今しきりに言われているリスキリング(学び直し)は、組織が事業転換・再構築するために必要な人的戦力の増強に向けてであって、従来の研修・教育の類とはちょっと違うと思います。

コロナ後、世の中がものすごい勢いで変わってます。組織が時代に追随し生き延びでいくには変化していかなければならず、組織を構成する人達にも変わってもらう必要があるということなのでしょう。そのために従業員・職員に学び直しをさせる。そんなことが政府も後押ししながら展開されようとしているのだと思います。

一方、個人で取り組む自己啓発的なものも、昔に比べ活発になっているように感じます。年功序列・終身雇用が崩れつつあり、転職も一般的となり、副業、兼業、起業する人も増えてきています。”会社にぶら下がっているだけではマズイ”と奮起する方も増えてきているのかなと思います。オンラインを活用したセミナーも活発で、受講しやすくなったこともあるかもしれません。

で、ここから本題です。

定年後にフリーランスなったおじさん(私)の場合

定年後に気付いたこと

組織に属してないと用意された学びの機会がありません。(当然です)

自分でやるしかないのですが、それより何より、私の場合、新たな学びはほとんど必要が無いと、退職時点で思ってました。
これと言った資格を有してなく会社員を卒業したにも関わらずです。(今思うと世間知らずでした。結果ものすごいチャレンジブルだったと思います)

60歳以降、雇われない働き方で中小企業向けの支援をやろうと漠然と思うようになったのは、定年1年弱前ぐらいからでした。
案件獲得のやり方については、ネット検索したり本で調べていました。

当時、「顧問」「定年後」というキーワードで模索していたところ、魅力的な文言がたくさんヒットしました。

(ネット情報からの抜粋)
『一般企業で長年実務経験を真摯に積んできた人であれば、スキルや経験が必ずある。本人は当たり前と思っているスキルや経験が、中小企業にとっては喉から手が出るほど欲しいもので、それが期待され顧問として活動する道が開ける』

『まじめに会社員生活を送ってきた普通のサラリーマンであれば定年後に実務型顧問として活躍できる』

『長年、会社で学んできた知見・スキルを、定年後に必要とされている企業に提供し共に課題を解決していく顧問という働き方が注目されてきている』

書籍でも紹介されていました。例えばこちら。

これら情報をそのまま鵜呑みにしたという訳ではありませんが、メーカーで長年培ってきたスキルやノウハウを活かして頑張れば、自分も定年後に”顧問”として活躍の道があると、退職時点で本気に思ってました。

で、定年を迎え、いよいよフリーランスとして船出した訳ですが、退職と同時に、何とマッチングサイト経由でスポット案件が飛び込んできました。そして自分でもそこそこ満足出来るような成果を出すことが出来たのです。
更には続けざまに、公的制度を活用したイベントで中小企業の経営者とマッチングが成立し、活動が始まりました。

なんと幸先の良いスタート!!

ところが、その後が続かずでした。
企業経営者とのマッチングイベントがコロナで軒並み中止になってしまったのですが、これが要因なのかはわかりませんでした。

それからしばらくして、何となく気付いてきました。
ネットや本で調べてイメージしていた”顧問”という働き方(自分が勝手にイメージしていただけですが)と実体は違うようだということです。その時すでに退職から半年ほど経っていました。

会社員時代のスキル・経験だけでは企業支援は出来ない
会社員時代のスキル・経験がそのまま通用するかは時代変化と照らし合わせる必要がある
顧問マッチングサイトで扱っている案件の件数割合として圧倒的に多いのは「会社員時代の人脈を活用した商談設定や紹介活動」
これに対し「経営支援」「アドバイザー的役務」といった案件はわずか。(サイトによって差あり)
案件獲得は思った以上に大変

こんなことに気付いてくるに従い、勝手にイメージしていた”顧問”という働き方は、自分には難しいということを悟るに至りました。(ネットや本の記載が虚偽という訳ではなく、出来る人には出来るのでしょう。ただ、それなりの収入が得られる案件を定常的に獲得するのは、自分には相当厳しいということです)

そして、何か学ばないとヤバいかもと思い始めたのが、それから更に数ヶ月後でした。

フリーランス1,2年目の学び

こんなことを経て、先ず1,2年目に学んだのは「フリーランスとしてやっていくための集客・ブランディング・マーケティングのようなもの」がメインでした。

私は会社員時代に法人営業を10年以上やってました。営業経験という点では初心者ではないのですが、それはあくまでも会社の看板を背負っての活動でした。個人としてやっていくには考え方も活動スタイルもガラリと変える必要がありました。

会社員(=雇われる働き方)からフリーランス(=雇われない働き方)への転身にあたり、頭を切り替え、行動を変えるために必要な時間・投資だったと思ってます。(と自分で正当化してしまう)

この学びの効果はじわじわと効いてきたと思います。

今年(フリーランス3年目)の学び

3年目の今年はより実践で使えるものを主体に学びました。
そこそこの時間を費やして学んだのは以下です。
(単発のセミナーや書籍は除く)

① ITコーディネータ  資格取得(2022年4月) 
② マナビDX Quest  第1タームGold修了(2022年11月)
③ ものづくりシニア塾  修了(2022年3月)
④ 静岡ものづくり生産性向上推進リーダー育成スクール   修了(2022年11月)

①②は、IT利活用に馴染んでいくためで、この分野は今後も継続します。
③④は、自分自身のコンテンツを増やし商売道具を整えるということを意識しました。受講を通しスキルアップだけなく人脈も広がり、なんと新たなお仕事の話を頂くことにもなりました。(集客を目的として受講したのではないのですが、面白い展開になってきました)

資格取得について思うこと

私と似たような仕事をされている周りの方には「技術士」や「中小企業診断士」資格保有者がたくさんいます。私は持ってません。正直「いいな~」と思いますが、この取得を目指すことはしてきませんでしたし、これからもたぶんしません。

目指してなれるかどうかは別にして、それなりの難度の資格で取得にはパワー、エネルギー、時間が必要です。

学ぶことについて思っていることがあります。
「インプットだけでなく、同時にアウトプットしてそして行動をすることを常に心掛ける」です。

難度の高い資格取得を目指すとしたら相応の勉強(インプット)が必要です。
今の自分の実力からすると、何かをやりながら並行して勉強する(インプットする)ということに、気力と体力と知力と根性が不足してきているのではと感じることがあります。(若い頃に比べ)
従ってこれから難度の資格取得を目指そうとすると、何かを犠牲にするという選択をしなければならなくなると思ってます。
「資格を取ったら良いことがやってくるに違いない。だから今は取り敢えず取得に向け集中して頑張ろう!!」と言い訳して、アウトプットや行動を先延ばしにしてしまうのではということを危惧してます。
(もう少し若ければ違う選択をしたかもしれません。)

その点、今年資格取得したITコーディネータは、自分のやりたい事と合っていますし、犠牲が少なく(勉強するためにアウトプットや行動を控えるといったことが少なく)、効果もそこそこです。今後この資格を活かした活動を増やしていきます。

資格取得を目的(ゴール)にしない。使うために取得する。取得したら使う。これも心掛けていることです。

フリーランスなってからの2年9カ月を振り返って

会社員を卒業したのは2020年3月末で、翌4月にフリーランスに転身しました。ちょうどこの頃はコロナ第1波突入の真っ只中でした。(第1回緊急事態宣言発令が2020年4月7日)

38年間染みついた雇われる働き方から、雇われない働き方へのチェンジと、コロナで世の中が大きく変わろうとしていたタイミングが重なりました。
私の働き方の変化と世の中の変化が混ざって起こったのです。

この2年9カ月間を振り返ると、模索しながら結果「リスキリング(学び直し)」をやってきたようです。

リスキリング(学び直し)という言葉を知ったのは最近ですが、変化し続ける必要を感じ、ヤバい、ヤバいと思いながら必死でやってきたことが今思ううとリスキリング(学び直し)だったということです。

最近聞くようになった「アンラーン」という考え方も気に入ってます。会社員時代のスキル・経験は貴重ですが、時代は変わっています。古くなってしまった知識・価値観から抜け出さないとマズいかもと感じる場面が仕事をしていて時々あります。

今後のこと

時代に合わせ、これからも当面は(仕事をしている間は)変化し続けるためにリスキリング(学び直し)を続けます。

「長い間働いてきたのに、60過ぎてもまだ勉強して働くの?」
時々言われることがあります。

「定年まで勤め上げたらその後は貯蓄や年金で余生を暮らす」
20年前だったらこんな考え方は普通だったかもしれません。
でも時代は変わりました。これからもっと変化していくことでしょう。

変化の激しい世の中でイキイキとやっていくには学びながら楽しく働いていく
これだと思います!!

とりとめの無い文章になってしまいました。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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