夏と嫉妬
若さとはなんと素晴らしく尊いものだろう。
日々の生活で忘れかけていたものや諦めかけていたもの全てを思い出させてくれたと言っても過言ではない。
女性である自分を楽しむこと。
見た目のことだけでなく自由に生き生きと人生を謳歌すること。
そんな思いが姪との再会でブワッと湧き上がった。
いい歳した大人が12歳の小学6年生に嫉妬したのだ。
キラキラ輝く彼女に羨望の眼差しを向けた私はそれを顔に出さないようにするのが精一杯。若く可愛い姪っ子を誇りに思う余裕のない叔母の傍らで暑く短い夏はそろそろ過ぎ去ろうとしている。
世の中がこんな情勢になって早いもので3年ほど。遠方に住む親族としばらく会えずに過ごしたていたのは私だけではないだろう。
義姉夫婦は数年ほど前から義兄の仕事の都合で海外に住んでいてもれなく帰国できずにいた。
その為、今年の夏は約3年ぶりの再会。
本当に帰ってくるのかな?
半信半疑だったがそんな事は子供たちの成長ぶりを目の当たりにしたら吹き飛んだ。
3年の間に6年生と2年生になった姉妹はとても大きくなっていて、特に上のお姉ちゃんの成長ぶりは目を見張るものだった。ぐっと伸びた背丈もさることながらただ細いだけではなく身体つきに丸みが出て女性らしい雰囲気もある。手足が細長いわりに頭は小さいので実際の身長よりも背が高く見えた。
おかえり〜
久しぶり〜
大きくなったね〜
おそらく今回どこへ行っても誰からも言われたであろう台詞が口をついて出る。
その時すっぴんに部屋着だった私は彼女たちの目にさぞ老けてうつった事だろう。
12歳、子供と大人の狭間とでも言うのだろうか。
この時期は平均身長が男子より女性が上回るなど成長が著しい。それを体現するかのように彼女は若々しく数年後はさらに綺麗になる未来が透けてみえるかのようだった。
顔の中では目が大きくて彫りが深く一般的にいう濃い顔立ち。くるくる変わる豊かな表情はとても愛らしく、よく通る明るい声は周りを賑やかにしてくれた。
Tシャツにデニムのショートパンツという服装はスタイルの良さだけでなく誰にも分け隔てなく接することが出来るフランクさをも際立たせている。それに比べ白いワイシャツに何とも言えない色の野暮ったいベスト、中途半端な丈の黒いスカートという勤務先の制服姿の自分。なんだか生きる世界が違う気すらしてくる。
腕につけていた日除けのアームウォーマーを急いで取る。変な汗をかいている私の姿を観て彼女は言った。
◯◯ちゃん(私の名前)制服、似合ってる〜!
私さ、6歳で海外に行っちゃったから日本語も英語も今いる国の母国語も中途半端なんだよ。いつ日本へ戻れるかも分からないから先のことはまだ考えられないし、安定してるっていいよね。制服がなんかそんな感じする。
ありがとね、やっと絞り出したひと言以外は何も言えなかった。
恵まれた環境にいることは彼女と私で大差ないと思う。
だけどつい悲観的に捉えてしまう癖がある私はそのぶん損していることは間違いない。ネガティブになるのは辞めて努力しよう。もう30後半だからと謎の諦め方をするんじゃなくて挑戦しよう。
彼女が時折り見せる笑顔はまだ子供っぽくてホッとする。姉妹で大喧嘩をして泣いてしまったり、祖母に小さな子の様に甘えてみたり。彼女に子供の部分があるように私にもまだ女としての気持ちがあるのだ。
この夏は暑さと嫉妬にやられてとても疲れた。でも残暑が厳しいみたいだからこのしつこさに負けないくらい泥くさくやってみよう。
嫉妬で心に火がついた私の夏はまだまだ終わらせられない。
♢
子供の成長は我が子でも早いと思うのだから人のうちだとなおさらですね。
3年で身体も心も大きくなった姿は夏以上に眩しくて終始若さを分けてもらっている気分でした。とっても可愛い姪っ子たちと一緒に過ごせて本当に楽しかったです。
従兄弟同士も仲良く遊べてとてもいい夏の思い出になりました。
何かやろうと思いついた私は語学の勉強を始めました。1日に15分程度ですが毎日やることを目標にしています。後はスタイルアップの為にストレッチ。
毎日続けるって難しい(笑)
頑張ろうと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました✨
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