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江田 都
2020年3月7日 11:41
全身に白をまとった。白いブルゾン、白いブラウス、白いプリーツスカート、そして白いスニーカー。春休み中の大学は閑散としている。門をくぐってから、警備員以外とはすれちがわなかった。銀杏並木にはまだ一枚の葉もついていない。薄曇りで、色彩のないくすんだ構内。その中で白を着た私は、浮いているな、と思った。それが心地よかった。私自身もまた、世界から浮いているから。前日のカウンセリングで、「