「海にやさしい」定置網が「島の魚」を届けます
こんにちは、三宅支庁産業課水産担当です。
今回は、昨年4月に操業を再開した三宅島の定置網漁業についてご紹介します。
定置網漁業とは
定置網漁業とは、漁具を一定の場所に設置して営む漁業を指します。
一般的な漁業では、魚の群れを探して仕掛けを投入しますが、定置網漁業では沿岸に来遊してきた魚の群れを網に誘い込んでとらえます。
定置網の歴史は古く、江戸時代に始まったと考えられています。
技術の向上に伴い、地域や対象魚種などに合わせて様々な種類の定置網が開発されてきました。
三宅島と定置網漁業の歴史
三宅島における定置網漁業の歴史は昭和51年にさかのぼります。
定置網は、魚を「待つ」漁法であることから、環境に良いとされる一方、海中に漁具を設置したままにしておくため、台風や海況の影響を受けやすく、維持管理に大変な労力を要します。
しかし、定置網漁業の操業は「三宅島の魚」を島内外に供給し、三宅島の産業及び観光業において重要な役割を果たしてきたことから、令和3年4月より操業を再開しました。
操業再開にあたっては、従来よりも少人数で操業可能な小型の定置網を導入し、定置網の形状や網の素材、設置方法を検討することで、維持管理の省力化を目指しました。
令和3年漁期(4月~12月)の水揚げ
令和3年4月から12月までの操業では、定置網漁業により25トン、1,582万円の水揚げがありました。水揚げ金額については、カンパチ類、ムロアジ類、シマアジ、ウスバハギ、タカベ、イサキの上位6分類で全体の約8割を占めています。
令和3年漁期にとれた主な魚の紹介
今漁期の定置網漁業で水揚げされた魚をご紹介します。
シマアジ
名前に「アジ」とつきますが、馴染みのあるマアジと比べると体高が高く、体の中央には黄色い縞があるという特徴があります。
シマアジは高級魚として有名なので、名前を聞いたことがある方もいるかもしれません。
三宅島では定置網の他に釣りでも漁獲されます。
最後に
今回は、三宅島漁業協同組合で操業を再開した定置網についてご紹介しました。
昨年12月以降、冬場は海が荒れる日が続くため、操業を休止していますが、操業再開時にはまた操業の様子をお知らせしていきたいと思います。
昨年4月1日の水揚げの様子
参考文献
竹内俊郎、中田英昭、和田時夫、上田宏、有元貴文、渡部終五、中前明(編)2004. 水産海洋ハンドブック. 株式会社生物研究社. 654pp.
東京都三宅支庁(編)2017. 三宅島さかな図鑑 第2版. 115pp.
https://www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/14miyake/miyakehp/sakana.pdf
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