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女性ホルモンの変化と食生活のコントロール法。食欲ホルモンとの付き合い方

食欲やそれに伴う食事量の変化というのは、体調やメンタルに大きく左右されます。女性の場合、女性ホルモンの影響も非常に大きいです。複数の研究では、女性ホルモン、特にエストラジオールとプロゲステロンの分泌量が女性の食事摂取量にどんな影響を及ぼすかが調査されています。そのうちの1本の論文の結果を紹介しつつ、2つのホルモンと女性の食生活の関係について解説します。

エストラジオールとプロゲステロンのおさらい

まずは、エストラジオールとプロゲステロンのおさらいをしようと思います。

エストラジオールとは

エステラジオール(E2)は卵胞ホルモンのエストロゲンの一種です。エストロゲンはエストロン(E1)、エストラジオール、エストリオール(E3)の3種類がありますが、妊娠していない女性ではエストロンとエストリオールが主に卵巣で生成されます。

3種類あるエストロゲンの中で、エストラジオールは最も子宮内膜・子宮筋に対する生物学的活性が強いステロイドホルモンだとされています。実際、エストラジオールは至急に働きかけ、子宮内膜を増殖させ、頸管粘液(いわゆる「おりもの」です)の分泌量を増やす作用があります。

妊娠可能年齢の女性に対する卵巣機能の診断や月経異常の原因究明については、血中エストラジオールの変動をチェックします。

プロゲステロンとは

黄体ホルモンであるプロゲステロンはエストラジオールと同様に、ステロイドホルモンの一種です。排卵直後から分泌量が増え、女性の身体を妊娠しやすくするよう変化させるホルモンと言えます。基礎体温を上げたり、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を安定させたり、乳腺を発達させたりするといった作用があります。

エストラジオールが増えると食欲が減り、プロゲステロンが増えると食欲が増す

2017年に発表された論文では、エストラジオールとプロゲステロンが女性の食事摂取量と性的欲求にどのように影響するかを調査されました。研究者たちは、女性の月経周期における食事摂取量の変動を調査。すると、エストラジオールのレベルが上昇すると食事摂取量が減少し、逆にプロゲステロンのレベルが上昇すると食事摂取量が増加することが分かりました。

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