反り腰はもも前の筋群は張らない。その理由をしっかり語ります!
一般の方々に向けた健康実用書や、健康・ダイエット系YouTuber、TikTokerが堂々と「反り腰はもも前が張っている」と語っているのを見たり読んだりしたことがあります。これが実は逆なんだということを、機能解剖学的な観点とバイオメカニクス的な観点で語りたいと思います。
もも前はむしろ骨盤後傾+猫背姿勢でパンパンに張る
ももが張っているという状態がどういう状態なのかを、簡易的に解説すると「筋肉が緊張している」「硬くなっている」ことを意味します。普段から負荷が乗っかっていて、絶えずそこを使ってしまっているから筋肉が発達しているとも取れるし、パンパンになってしまってるよねみたいなイメージでしょう。
反り腰というのは、いわゆる姿勢の一つです。自分で腰を反らせている状態ではなくて要は、無意識的に立っていて、骨盤が過前傾というのが反り腰です。
なぜ反り腰のときにももの前は張らないのか。これは真逆の状態を考えるとすぐに分かります。よければ皆さんもやってみてください。
まずは立位で骨盤を後傾させます。大殿筋などの筋肉を使ってお尻を固く引き締めるのではなく、無意識的な立ち姿勢のようにダラっと姿勢を崩してみてください。その状態で、体重を後方に預けます。膝を軽く曲げて、猫背のように背中を丸めましょう。かかと側に体重を乗せて、後ろに倒れそうだみたいな感覚があれば成功です。
この時、どこの筋肉が硬くなりますか? ぜひ触って確認してみてください。正しく脱力してこの姿勢が作れている場合、大殿筋は完全に弛緩して何の筋緊張もありません。一方、この状態でももの前を触ると、パンパンになっていると思います。
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