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女性アスリートにもおすすめ?ケトン体サプリメントのパフォーマンスアップ効果

ケトジェニックダイエットをきっかけに、一躍有名になった「ケトン体」。そもそもケトン体というのは、脂質が肝臓で代謝されるときに生まれる、中間代謝産物です。普段は血液中にほとんど存在しない一方で、糖質制限などでグルコースが体内で枯渇すると、心臓や脳、筋肉のエネルギーとして使われます(これがケトジェニックダイエットのメカニズムです)。

そんなケトン体にはは、次のような効果があるとされています。

  • ケトン体生成の促進:ケトン体サプリメントは、通常MCTオイルやケトン塩などの形で摂取され、体内でケトン体生成を促します。

  • エネルギー供給:エネルギー減となるケトン体を直接摂取することにより、筋力トレーニングや瞬間的に力を発揮する必要があるスポーツにおいて、パフォーマンスの向上が期待できます。

  • 空腹感の軽減:ケトン体サプリは、血糖値の安定化や急激な上昇の防止効果があるとされています。血糖値が安定することで、空腹感の軽減につながると期待されています。

  • 認知機能の向上:一部の研究では、ケトン体が作業記憶や処理速度の改善など、認知機能に良い影響を与えると報告しています。

  • 炎症の軽減:ケトン体には抗炎症作用があるとされています。ケトン体の1つであるβヒドロキシ酪酸は、抗炎症や酸化ストレスの抑制、血流量・心拍数増加などの効果が報告されています。

こうした効果があるケトン体サプリメントですが、今回はダイエットの方面ではなく「アスリートのパフォーマンス向上にどう影響するか」というテーマで解説します。

瞬発系パフォーマンスの一時的な増加を確認

立命館大学と企業からなる研究チームは、ケトン体の1つであるβヒドロキシ酪酸を用いた研究を2023年2月に発表しています。この研究ではラットを使って行われ、βヒドロキシ酪酸を接種した10分後に、持久系トレーニング、筋力トレーニング、瞬発系トレーニングを実施。

その結果、プラセボを投与したラットよりも、βヒドロキシ酪酸を投与したラットのほうがすべての運動で高い値を記録しました。その中でも、持久系トレーニングは7.4%増加、筋力トレーニングは9.1%、瞬発系トレーニングは60.2%と、瞬間的に最大筋力を発揮するようなスポーツでのパフォーマンスが、著しく向上していたそうです。

さらに、短時間の高強度トレーニングを行った後の血中乳酸濃度も、ケトン体の方が低いという結果になりました。

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