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ストレッチとヨガの生理痛軽減効果は薬より上かもしれないという話

ネットや本では、生理痛を和らげるセルフケアとしてさまざまな方法が紹介されています。タイトではない服装を心掛ける、アロマテラピーを試す、足裏のツボを押す、鎮痛薬を服用する…。アプローチの角度はそれぞれありますが、そのなかで「運動」という観点では、ストレッチやヨガなどの柔軟性を高める運動が推奨されています。

運動による生理痛ケアは、全身の血流を改善させて、かつストレス発散にもなるというのが一般的な考え方です。じゃあ、実際にどれくらいストレッチやヨガが、生理痛に効果があるのでしょうか?いくつか論文を見ながら、その効果のほどを見てみましょう。

ストレッチの継続は薬よりも効果が高い(かもしれない)

原発性月経困難症は一般的な婦人科疾患として、非ステロイド性抗炎症薬が一般的に使用されています。非ステロイド性抗炎症薬のひとつであるメフェナムさんは、頭痛や歯痛、生理痛の緩和で使用される薬です。「ポンタール」という医薬品名として、知っている人も多いのではないでしょうか。

メフェナム酸には下痢や胃痛、吐き気、食欲不振、口内炎、肝臓・腎臓の機能低下といった副作用も確認されています。もちろん、副作用には個人差がありこうした症状がまったく見られない人もいますが、できることなら運動など他のアプローチを検討した方がいいです(薬に頼るな!というわけではないですからね)

2018年に発表された研究では、原発性月経困難症に対するケアの方法として、ストレッチがどのような効果があるかを調べました。同時に、メフェナム酸投与の疼痛軽減効果との比較も行っています。

研究では、比較的重めの月経困難症を有する女子学生122名を、運動グループとメフェナム酸グループにそれぞれ分けました。運動グループが行ったのは、1回15分間、週3回によるストレッチです。具体的には、ウォームアップ5分+腹部と骨盤のストレッチ運動10分の組み合わせによるエクササイズプログラムが組み込まれました。

メフェナム酸グループは、月経が始まってから痛みがなくなるまで、8時間ごとに250 mgのカプセルを投与しています。どちらのグループも、合計2回の月経周期のなかで実施されました。

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