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人と地球にやさしい『ノンカップ麺』を作るトーエー食品に行ってみた!【Vol.1】

カップ麺や袋麺があると、忙しい時のご飯に役立ちますよね。

以前「食べるはなし」でちえまるが紹介したトーエー食品の『ノンカップ麺』。
私も簡単に済ませたい土日や在宅のランチとしてよく活用しています。

今回は、『ノンカップ麺』を作るトーエー食品へ取材に行ってきました!

『ノンカップ麺』とは?

まずは、ノンカップ麺についておさらい。
ノンカップ麺が生まれたのは、トーエー食品の工場見学に訪れたある主婦の一言でした。

「カップ麺はカップがゴミになる。袋麺は子どもやお年寄りに火を使わせるのが心配。それなら、カップに入っていないカップ麺があればいいのに」
この言葉をきっかけに、ノンカップ麺の開発が始まったそうです。

カップ麺は、カップにお湯を注いで作りますが、ノンカップ麺にはその名の通りカップがありません。
麺とスープをどんぶりに入れ、お湯を注いで作ります。

ここまでだと、「袋麺と違うの?」と思いますよね。
しかし、多くの袋麺はスープのみでかやくが入っていないことが多いですが、ノンカップ麺はスープにかやく(具材)が入っています。

たとえば、『ノンカップ麺和風きつねうどん』。
こちらにはわかめ、油揚げ、ねぎが入っていて、他の具材を足さなくともそのまま楽しむことができます。

いわばノンカップ麺は、カップ麺と袋麺のいいとこ取りをした商品なのです!

人にも地球にもやさしい!

ノンカップ麺は、火を使わないので、子どもやお年寄りでも簡単に食べることができます。

また、樹脂製のカップを使用していないので、食後に出るゴミが少ないのも嬉しいポイント。

さらに、魚介や野菜エキスなどを使用したやさしい味わいで「スープを飲み干しても、のどが渇かない」と好評です。

トーエー食品ってどんな会社?

ノンカップ麺を製造しているのは、岐阜県関市に本社を置く、トーエー食品株式会社。
73年前(取材時2022年)に創業され、自社製品はなんと30種類以上!

「おいしさを創造してお客様の食生活に貢献する」ことを目標として、人の体や環境に配慮したラーメン・うどん・そばなどの即席麺の製造・販売を行っています。

今回、「ノンカップ麺」を製造しているトーエー食品の製麺工場にお伺いしました。
取材するのは、『ノンカップ麺和風ねぎ入りそば』の製麺工程です。

『ノンカップ麺和風ねぎ入りそば』の製麺工場へ行ってみた!

粉から生地、そして麺へ

ノンカップ麺の製造は、粉を攪拌するところから始まります。

この袋の中身は、そば粉と小麦粉、でんぷんをブレンドしたもので、一つ25kg。
この量の粉を1日数十回、なんと手作業で攪拌機に入れていくそうです。

粉袋
攪拌機

そばの材料は、そば粉の他に小麦粉・でんぷん・塩水のみと非常にシンプル。
余計なものは一切入れません。

加える水の量は一定ではなく、その日の温度や湿度により、微妙な調整が必要です。

うどんやラーメンの麺の場合は、小麦粉とでんぷんを撹拌したあと、醤油を追加。
麺が切れやすくなるのですが、おいしさのため味付けをしています。

圧延ローラー
麺の厚みの測定

次は、圧延(あつえん)ローラーです。
7つのローラーで、生地を伸ばしていきます。

一度で伸ばさず、7つのローラーにかけているのは、麺のコシを出すため。うどんの生地を足で踏むのと同じように、少しずつ何度も圧をかけることで、コシのある麺になるのです。

麺の厚みは食感に直結するため、超重要!
30分ごとに厚みを測り、基準値から大幅なずれがないかチェックしています。

その後、薄く伸びた生地を、スープが良く絡むちぢれ麺にカット。

麺を蒸し、揚げていく

蒸気の様子
温度計

このあとは、麺を蒸す工程です。
麺を蒸すことで、でんぷんがやわらかく糊化(α化)し、食べられるようになります。

お米を炊くと、食べられるようになるのと同じ原理です。

麺は、約100℃で蒸します。
機械からは、絶えずもくもくと蒸気が。

夏場には、機械の近くは40~50℃になるそうです。
そんな中で毎日作業されているなんて・・・。

11月にお邪魔したので、そこまで暑くならず、ホッとしました。
蒸した後は、麺を丸い型に入れて形を整えます。

麺の成形
麺を揚げる機械

その後、長期保存をさせるために油で数分ほど揚げます。
最近は、「ノンフライ」と呼ばれる油で揚げずに麺を乾燥させる方法もありますが、油の旨味を加えるため、ノンカップ麺はあえて油で揚げています。

こちらが、揚げたての麺です。
今回は特別に触らせていただいたのですが、まだほんのり温かく、油でベタベタすることもなくカラッとしていました。

揚げたての麺
トーエー食品の剱(つるぎ)さん

検品と包装

揚げた麺は、冷却され、金属探知機を通ります。

不良品チェックの様子

その後は、不良品のチェック。
麺が乱れていたり、丸い形が崩れていたりするものを取り除きます。

こちらが不良品の見本です。
素人目には、違いがほぼわかりません・・・。

麺が流れるスピードが速すぎて、写真ではぶれてしまうほど。
このスピードで流れてくる中から、見逃さず不良品をチェックしていきます。

不良品としてはじかれた麺も、無駄にはしません!
これらは畜産の飼料として利用されます。

麺に余計なものを入れずシンプルに作られているからこそできる再利用です。

検品をクリアした麺は、スープとかやくの袋をセットし包装。
そうして、やっと私たちの手に届くノンカップ麺の形になります。

包装の様子
完成した商品

その後、重量チェッカーと目視で商品に問題がないか確認し、箱詰めされます。

出荷前の最終検査

トーエー食品では、工場で製造したノンカップ麺をランダムにサンプリングし、官能検査を行っています。

官能検査とは、人間が実際に食べて、香り・舌触り・溶けやすさ・色などを確認するもの。

数値での確認も大事ですが、機械で判断が難しい「おいしさ」を社員自身で確かめています。

こうした工程を経て、皆さんの手元に届きます。

おいしさの秘密は、人の手にあり!

今回は、トーエー食品の製麺工場で「ノンカップ麺和風ねぎ入りそば」の製造現場にお邪魔しました。

そこには、人にも地球にもやさしいノンカップ麺を作るためのたくさんの努力が。

とくに、生地に加える水の量や厚みの調整、不良品の検査など機械だけではなく人の手が多く加わっていることに驚きました。

人が食べて「おいしい」と感じる感覚を大事にしているから、即席麺でも温かみのあるやさしい味わいを生み出しているんですね。

次回は、トーエー食品の剱さんと道家さんに、『ノンカップ麺』に関する気になる質問をぶつけてみました。

さらに、工場見学をした『ノンカップ麺和風ねぎ入りそば』の実食レポートも。
お楽しみに~!

👇この記事を書いた人

※こちらの記事は、2024年3月29日「みっくすなっつ」に投稿された内容です。

👇たまみが書いた記事はこちら

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