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逃避行

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函館に逃避行した"ぼく"の思考 まぁ、フィクションなんだから適当に読んでよ
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逃避行 #3

逃避行 #3

■函館のコーヒー
ぼくの泊まったホテルには
コーヒー豆とミルが常備されてて
朝起きたらゴリゴリやるんだけどさ
やっぱりおもっちゃうんだよな
『ぼくもコーヒーミルでも買って朝チルしちゃうか?』みたいな愚かなことを
だって続くわけないんだからさ
こんなのは逃避行中だからできることで
夢の中みたいなもんだよ
きっとアーバンシティに戻ったら
忘れやしないけどボヤけるもんなんだよ
朝に粉からコーヒー入れんの

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逃避行 #2

逃避行 #2

■函館の街
とにかくひとりぼっちには
歩きやすい街なんだよ
東京の次くらいにイイね
人が少ない分
こっちの方が良いって人もいるんじゃないかな
道路が新しくて綺麗で冷たくって
好きだね
観光客用のホテルがたくさんあるのと
観光客用の山と海とのバランスが最高じゃないか
これはダイヤブロックの函館があったら
買っちゃうな
お土産屋で売ってないかな
そんなことを思いながら
観光客用の山を眺めてみると
雲を

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逃避行 #1

逃避行 #1

ゾンビ人間の世界で言うところの旅行ってさ
ぼくにとっての現実逃避そのもので
飛行機に乗るときには他の国へ亡命してやるんだってくらいの気持ちなわけだよね

搭乗時刻を10分も過ぎてるのに
格安航空会社のおねえさんは優しくて
この恩は忘れないよって思うんだけど
10分後には気圧の変化でそれどころじゃなくなっちまうし、ぼくはなぜこんなに弱いんだろうか
『ぼくの注文したプレミアム幕の内弁当って忘れられてる

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